※悪の組織編最終章を受けてのお話

「……逃げましたか」
 ロケット団幹部がいた場所を一瞥し、チッ、と舌打つ。
 彼は、戦闘中に突如なにごとか連絡を受けると、すぐさま姿を消してしまった。
 残されたのは、消化不良のまま残された自分ひとり。
 キュレムをボールへ戻し、子どもたちが向かった行き先へと目を向けた。
「フン……倒したんですね、あの男を」
 忠臣である幹部が引いたのだ。おそらくボスであるあの男の指示だろう。
 部下相手にウサ晴らしでもと思ったものの、それなりの使い手であった相手との戦いは、実力差を知らしめる前に終わってしまった。