「ネオチャンピオン……なかなか、面白い試みですね」
 スタジアムの中央で取材に応じる若い少年の姿を眺めつつ、観客席で頬杖をついた。
 ここパシオで用意されている様々なイベントのうちの一つである、次代のチャンピオンを決めるバトルトーナメント。
 せっかく来たのだからと参加したものの、くしくも初戦敗退という結果で今回は終わってしまった。
 その後は、気持ちを切り替えてイベントシステムや集客方法、メディアへの広告宣伝などをチェックしていたものの、なかなか色々工夫してある良いイベントだった。
 ダンデが開催に一役買ったらしい、というのも納得の、未来を見据えた催しといえる。
(こうして、参加者のひとりとしてのんびりできたのなんて……いつぶりかな)