#深夜の真剣文字書き60分一本勝負様より「短冊の願い事」
「はあー……疲れた」
ぐでん、と交番の机に身体を伸ばす青年を横目に、淹れたてのグランブルマウンテンをのんびりとすする。
「お疲れさん」
「……あんたはまだ元気そうだな」
じろ、と恨みのこもった視線を受け流しつつ、開け放された交番の入口を眺めた。
普段であれば、ただ雨の降りしきる光景だけが顔を覗かせるそこには、今は大きな笹が飾り付けられている。
お題は『キスしたいけど勇気がない・だから馬鹿にすんなって! ・指先でなぞった傷あと・ガム・ドキドキ、まさかね』です。
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「ぅわっ」
ひたり、と不意に指先がむき出しの腕をなぞった。
「あ、悪い」
「び、びっくりするから……せめて一声かけてからにしてよ」
その指の持ち主は言葉こそ謝罪しているものの、まったく悪びれずに二の腕を撫でている。