※まだウォロさんは出てきていません※



 目が覚めたら、そこは牢屋だった。
「は!? ……えっ!?」
 ガバッ、と身を起こして、自分の両手にグルグルと縄が巻き付けられているのを見て、呆然とした。
 だって、自分は。ほんのついさっきまで、黒曜の原野でポケモン調査をしていて――。
「あれ……いや、ちがう……」
 そうだ、たしか。
 オヤブンカビゴンに見つかって、あっちこっちと逃げているうちに、森の奥地の暗がりにいつの間にか飛び込んでいたのだ。
 そうしたら、ひと気のないはずのそのあたりから、人の叫び声のようなものを聞いたのだった。