チャンピオンバトル最終日。すべての対戦相手との戦いを終えたイッシュ四天王は解散となった。
シキミは本の締め切りがヤバイと一足早く帰り、カトレアはコクランが迎えに来て、チャンピオンであるアデクはあの身軽さですでに姿を消している。
男二人が現場に残され、さて帰るか、というタイミングだった。
「う……頭が、痛い」
ギーマが眉を寄せ、小さく呻く。よくよく見れば確かに顔色も悪い。
白い肌は血の気を失っているし、目つきはふだんの一割増しで鋭かった。
※夢のゆめ、の後日譚です※
「ふむ、値も改善してきましたね。腕をもどして結構ですよ」
ゲーチスの手首から測定器を取り外し、仏頂面で寝転がる男をチラっと見やった。
「どうにも、ダークトリニティはあなたに甘いようですから。血液の数字を見るに、もう少し栄養バランスを整えるべきですね」
場所は、アローラ地方のホテルしおさいだ。部屋の端には、即席で作った簡易的な検査スペースが設けてある。男の為ともいえる措置であるのに、当人はまったく感謝の感情など見せることなく、ブツクサと反論してきた。
2023/6/14に送って頂いたメッセージ返答です
↓↓↓
「レッド。……別れよう」
「……え」
「実は、他に好きな相手ができた。このまま付き合い続けるのは不誠実だろう?」
「……」
「お前とは長い付き合いだったが……そういうことだ」
「…………」
サカキは、淡々とレッドの目を見ずに言い切ると、くるっと背を向けた。
「テルさん、別れましょう」
「……ハ?」
「実は、他に好きな人ができまして」
「……ハ?」
「あなたのことを好きと思えなくなってしまったんです。別れましょう」
「…………ハ??」
ウォロの言葉に、テルは氷像さながらに硬直している。
想定内の反応なのか、ウォロはふぁさっと自らの前髪を払った。
「ビートくん。……別れましょう」
「……はい?」
「実は、好きな方ができたんです。……ですので、別れましょう」
「別れ……え??」
ローズに真正面からそう言われたビートは、ピキッと全身を硬直させた。
「今までありがとう、ビートくん。楽しい時間を過ごさせてもらったよ」
「え……え……?」
「これからは、お互い友人として仲良くしましょうね」
ローズはビートの動揺をスルーして、スパッと言い切ると一歩その場から退いた。
「N。別れましょう」
「……ゲーチス?」
「他に好きな人ができました。なので、サッサと別れてください」
「……はあ」
ベッドの上でひと息に言い放ったゲーチスに向けて、窓辺に座ったNは呆れきった顔を向けた。
「もうちょっと……棒読みを直す工夫をしたらどうかな」
「棒読みとは心外ですね。まごうことなき本心ですが」
にべもなく言い放つゲーチスは、マジメくさった表情でNを見た。視線を合わせたNは、ヤレヤレと言わんばかりに肩をすくめる。
※にわか雨、のつづきのお話です※
(現代転生・学生パラレル)
「…………」
「…………」
気まずい。互いの間に落ちる沈黙に、う、と身を縮こまらせた。
場所は、図書館の奥まったホコリっぽいテーブル。他に誰の姿もないことを確認して、向かい合って座っている、という状態だ。
相対する彼、ウォロは、無言のまま先ほど本棚から抜き出した本をペラペラとめくっている。まるで、こちらのことなど眼中にない、と言わんばかりに。