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結婚しちゃおっか(ズミザク)


貴方はズミザクで『結婚しちゃおっか』をお題にして140文字SSを書いてください。
shindanmaker.com



 パシオ島内、ポケモンセンター内。その一角に、誰もが近づかない空間があった。その空間の主はひとり。イライライラ、とあふれ出る怒りと不機嫌を隠さず、彼はこちらに背をむけて佇んでいる。
(あー……なるほど。これで呼ばれたんですか)
 岩場でのんびりとクライミングの算段をつけていたところ、ホロキャスターから至急の連絡が入って、いったいなんだ、とは思っていたのだ。
 苦笑いを浮かべつつ、近寄るなオーラを全面にふりまいている親友の背中に、そっと声をかけた。
「ズミ」
「……ああ、あなたですか」
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明けの鳥(ズミザク)


 それは、燦々と照りつける太陽がまぶしい、夏の日だった。
 この季節は、ボルダリングセンターで練習するよりも、自然の涼しさのある山中で練習を行うことが多い。
 挑戦する山は様々だが、この一番暑い時期には毎年おとずれる場所がある。ショウヨウシティとはだいぶ離れた、このフロストケイブがその恒例の練習場だ。
 春先ならば、まだ溶けきらない雪で白く染まっているこの山は、夏まっ盛りの頃になれば、ようやく土肌がみえるようになる。標高が非常に高い上に寒冷地であるがゆえ、雪のない時期はとても短い。その貴重なタイミングを逃さないように、毎年訪れるようにしているのだ。
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ライト・マイ・ファイア(ズミザク)


※ズミ→ザクロの印象が最初すごく悪いです。ご注意※

 彼を初めて目にしたのは、ミアレシティの街頭モニターだっただろうか。
 サイクリングの大型大会の優勝インタビュー。
 『全力を尽くした結果です』と語るわりにずいぶんと涼しい表情をしていて、リップサービスにしてもウソっぽい、と思ったのを覚えている。
 つぎに見かけたのは、まだ自分が四天王として日も浅かった頃。
 ポケモンリーグの挑戦者との勝負で、惨憺(さんたん)たる結果だった日だ。
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真夏のバカンス(ズミザク)


 強烈な陽ざしがアスファルトを焼いて、ふきあがった蜃気楼がゆらゆらとあちこちでくすぶっている。窓の外から見える毎年の光景に苦笑しつつ、暖かな紅茶をひとくち含んだ。
「いよいよ……バカンスの時期になりましたね」
 カロスの夏。七月に入ったこの季節は、あちらこちらが休みのシーズンとなる。
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恋々、こいし(ズミザク)


「好きな子が、できてもうたんよ」
 それは、ここパシオでお茶会をしている最中、唐突に落とされた爆弾だった。
「それは……おめでとうございます」
 いち早く衝撃から戻ったのはズミで、傾きかけたティーセットの器をサッと整える。
 対照的に、驚きから復活できない自分は、呆然と彼女に問いかけた。
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AM4:00(ズミザク)


 早朝四時。まだ日も昇らない、一日の蜃気楼のような時間。簡素な寝台に横たわる友人の姿を、ジィっと見つめていた。
 窓の外ではユラユラと夜風にゆれるネコヤナギ。バサバサッとかわいらしい羽の音を残すヤヤコマ。昼間であればただの景色のひとつであるそれらも、この世界が沈む時間ではまるでオーロラの輝きだ。
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Precious stones(ズミザク)


 人工的に造られた島、パシオ。
 膨大な自然に囲まれたこの地には、岩場や洞窟も多く存在している。
 そして、場所によっては化石に似たうつくしい石も発掘できたりするのだ。
「アマルス、気に入りましたか?」
 そのうちの一つに、相棒をつれてやってきていた、のだが。
 どうやら彼は埋まる神秘よりも、土や岩の風土そのものが気に入ったらしい。
 あっちにこっちにと、ひたすらはしゃぎ回っていた。肝心の発掘のほうは、おかげでほとんど手つかずだ。
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教会と誓い(ズミザク)


「ずいぶんと、お疲れのようですね」
「……ええ、まぁ」
 夕食に誘われ、いつものように友人宅へ伺うと、常にないぐったりした様子のズミに出迎えられた。
 常に完璧を目指す彼は、めったなことのない限り、疲れや苦悩の感情を表に出そうとしない。こうもあからさまに疲労感を前面に出しているとなれば、なにかあったにに違いなかった。
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Valentine Day(ズミザク)


「ズミ……これは……?」
「ええ。しばらく大会もないんでしょう?」
 目前にあつらえられた、特大のアフタヌーンティーセット。
 特性プレートの上に飾られているのは、それだけで目が奪われるほどの、かわいらしいスイーツたちだ。
 つやつやと輝くイチゴの山。手のひらサイズの容器に固められた桃色の飴細工やチョコレート。
 ふわふわと白いマシュマロが、花のように散りばめられている。
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新年とワイン(ズミザク)


「明けましておめでとうございます、ズミ」
「ええ、こちらこそ」
 年明けの神々しい朝日の差し込む、ズミの部屋。
 明かりを取り込む室内テラスで二人揃ってグラスを合わせる。
 彼のとっておきだというそのワインは、鼻腔を抜ける香りも極上だった。
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