パシオ島内、商店街。
 明るい日差しの差し込む中、休日のどこかのんびりした空気を吸い込むように、レンガ道を歩いている時だった。
「えっ……ろ、ローズ委員長……!?」
「んん?」
 後ろから突然呼ばれて、思わず振り返る。
 この場所にやってきて少し経ち、かつての知り合いや新しい相手との関係を築き始めてきたものの、今の声は、その誰でもなかったから。
「きみは……ビートくんじゃありませんか」
「や、やっぱりローズ委員長……どうして、このパシオに」
「うん? そういうキミこそ、ジムチャレンジの途中じゃないのかい?」
「え……ジム……チャレンジ……??」
 問いかけ返すと、ビートはぽかんと大口を開けて固まった。