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ss捏造過多、庭球導入部

※オリ色強し
※色々痛い





飲酒運転の車に跳ねられ、
そして、





ぱちん、と蛍光灯のスイッチを入れるように視界が切り替わり、少女は薄く荒れた唇をあんぐり開いた。
薄暗く質素な見慣れない景色の中、薄汚れた身なりの見慣れない女が、自分に向けて見慣れた台所用具をかざす様はさながら安っぽい三文芝居のようだ。


「あんたなんか…」
「どちら様ですか」
「殺してやる、殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して、」


古くさい伝統の光を受け、鈍く光る刀身が勢い良く降り下ろされた。
所々錆びの浮く刃渡り20センチほどの包丁が皮膚を突き破り内臓を傷付け人体を貫通する。
申し訳程度のフローリングに包丁の刃先が当たり、少女は絶叫した。


何故自分はここに居るのか、そもそもあれは誰なんだ。
鼓動と共に失われる温度の中自問する少女の青白い頬を、熱が焙る。
どうやら女が火を点けたらしい。
しあわせになりたかった、そう呟いたきり動かなくなった女に虚ろな目を向け、少女は意識を失った。
頼むから、誰か説明してくれないだろうか。



【はっぴーばーすでい、とぅ、みー】



周囲で騒ぐ人の気配に、ぼんやりと目蓋を開けた。
清潔感漂う白い部屋の中、何本もの管に繋がれた身体に眉をしかめ、低く唸る。痛い、どこが痛いなんてものじゃない、全身くまなく何処もかしこも痛すぎる。
痛い痛いと啜り泣く私に、白衣の医師は鎮痛剤を注射していった。

次に目覚めたのはなんと三日後らしい。


「具合はどうかな」
「よくは、ないです」


点滴の管だけになった枯れ枝のように細い手で眠気眼を擦る。
一度大きなあくびをして改めて【自分の身体】を観察すれば、思いの外グロテスクな様相で苦笑いが漏れた。
腕から足から全身を覆う大小様々な痣は、赤いものから黄色、青、黒と一寸した絵の具のパレット状態である。
所々にある小さなやけどや瘡蓋はタバコだろうか。伸び放題の髪の毛はバサバサの白髪、爪も何枚か剥がれていて、やせっぽちだ。
痛ましいものを見るような目で、医者は「もう大丈夫だからね」と私を抱き締めた。
何が大丈夫なのかは大体見当がつくが、自分的には全く大丈夫じゃない。
いったいぜんたい【この子】に、ひいては【私】に何が起きたのか、ぽつりぽつり話し出した医者の言葉を聞き漏らさないよう耳をそばだてた。

子供を混乱させないよう、柔らかい言葉で語られた【この子】の人生は、要約するととんでもない波乱万丈な話だった。

まず出生が望まれていない。両目が赤い男に乱暴され生まれたのが【この子】で、以降はずっと愛情の代わりに憎悪を受けて育ったらしい。
名前はなんと【私】と同姓同名、両目は赤く、栄養失調寸前で、生きているのが奇跡だと言う。
……とりあえず、それなんて心霊探偵?

少女になる生前読んだ小説の筋書きそっくりな展開に驚愕する私に、人の良さそうな中年の医師は更なる追い討ちをかけた。


「大丈夫だよ、遠縁の方が君を引き取ってくださると言ってくれてね」
「遠縁の、方」


急展開ktkrとひきつった笑顔で医者の方を見れば、彼は慈愛に満ちた微笑みで病室の扉を指し示す。
少し錆びた蝶番が軋み、開いた扉の奥に仁王立っていたのは着物の似合う白い髭の翁であった。
お主があやつの、と。
やはり痛ましげに双眸を歪ませた翁は、皺だらけの大きな手のひらで力強く私の頭を撫でる。


「儂は真田弦右衛門、お前さんの祖父とは親友でのぅ、警察時代に同期じゃった者じゃ」


任せておけ、なにも心配することはない。
呵呵としてそう笑う翁に精一杯の乾いた笑いを返し、遠縁ってなんだっけ、と私は肩を落とした。






※女主
・テニスの王子様知識は曖昧、青春学園?の越…ナントカが主人公だったような?ぐらい。
・八雲の知識はあるが、目が赤いのに幽霊は見えない。そんな中途半端な感じ。
コラボなのかパラレルなのか本人もわかってない。
・得意料理は煮込み系


至れり尽くせりな病院生活で比較的ましになった主人公だが相変わらず痩せぎすのボロボロだったため、初対面の真田(8)に【保護対象(弱者)】だと位置付けられ、以後世話を焼かれる。
(例:テニススクール帰りにスーパーで買った果物ゼリーやブリンを差し入れ、食べ終わるまで仁王立ちで見守る餌付け行為等)

差し入れがバレて幸村とお見舞いに来たり、仲良さそうな姿にちょっと妬いたり。
退院して一緒の小学校に通ったり、三歩後ろを歩く主人公の手をひいて隣に並ばせたり。
中学が違うことに内心多大なるショックを受け、しどろもどろに説得するも失敗し項垂れたり。
2年時に臨時マネージャー募集の際、真面目で信頼できると推薦したり、面白がった幸村がOK出したり。
翁の骨董品と弁当箱(同じ包み)を間違えて持ってった真田に弁当を届けたら赤也に見つかって大騒ぎされる場面まで浮かんだ。


関白宣言かと思いきや、翁の教育により【身を粉にして尽くしてくれる妻を労れない夫が「家」を守れるはずがない】精神なので家事は結構手伝う。
ナチュラルに主人公を嫁として見ていて、大学を出たらきちんとプロポーズする計画を立てている。
……ことを最近残りの2強に知られ、抱腹絶倒された。
解せぬ。


主人公は「なんか最近弦一郎かっこよく思えて…いやいや小児科に通う14歳なんだぞ14歳相手とかショタコンの犯罪じゃないか!?…いっけね私も中学生だったテヘペロ☆」と内心で大混乱してればいい。


魂が死んだ子供に入り込んだ主人公が、何もかもが他人事な重すぎる【設定】に、胃を押さえつつ真田を筆頭に立海と関わる話。
真田素晴らしいよ真田。
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