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きっと繋がらないのでフライング

午前零時に二人酒





「あけましておめでとう小十郎」

「ああ、あけましておめでとう來海」

「今年もよろしくな。ほら一杯」

「すまねぇ…とと。お前は、あんま彼方此方ふらふらするんじゃねぇぞ」

「なんだよ小十郎、焼き餅か?」

「ふやけた面をしまえ馬鹿野郎」

「や、だってなぁ…嬉しいだろ。好かれてるっつうか…愛されてるっつーか、なぁ?」

「…一応聞いてやる…誰が、誰に、だ?」

「俺が小十郎に」

「ぬかせ」

「酷い…けど、否定はしないんだな」

「…お前は、どうなんだ」

「どう…って、」

「俺が好きか」

「ぶっ!?」

「汚ねぇな…ほら拭え」

「ぐぶっ、げほっ…小十郎、たまに吃驚するほど真っ直ぐ突いてくるよな…!!ガードできねぇ…!」

「がーどすんじゃねぇ、受けろ、受け止めろ」

「ええええ、何、酔ってんの小十郎」

「こんな量で酔えるかよ……ほら言え」

「また何時になく絡むな…あー言わなきゃ、駄目?」

「…………」

「………解ったからそう睨むな、言えばいいんだろう、言えば!」

「ああ」

「満足そうだね小十郎…」

「愉快じゃねぇ、か」

「(あぁ目が据わって…酔ってるなぁ)
一回しか言わねぇからな。小十郎が好きだ。誰より、一番…愛してる…から、






次からは寝ないで聞いてくれると有り難いな竜の右目!恥ずかしい!!何の羞恥プレイだこれ!!」

「來海、小十郎 HAPPY NEW……なにしてんだお前ら、」

「一世一代の気分でコクったら見事に寝られた」

「Ah…今年も前途多難、か」

「あけましておめでとう政宗」

「あけましておめでとう來海」

「異国語使わないのな」

「…あ、飛んじまった」




【gdgdニューイヤー】

(はっ…まさむねさま!)
(おはよー小十郎)
(Good morning小十郎)
(來海の膝だと?!俺は…一体…!!)
((小十郎面白いな))
((頭抱えちゃったよ))

無駄にしてる

寿司屋で一時間半待たされてナァアアアアアアアアアウ!!!!!!!!!!!!
いい加減にしろ寿司○コノヤロオオオオオ!!!!!!
年末番組見逃したし!!
お腹減ったし!!!!

あああああああ腹減った!!!!!!!!!!

一時間半とかバカめが!!!
テメェにゃ地獄の扉の開き方って奴を教えてやる!!!!

sss-オトンといっしょ-


おなかへったね。
ジャローダ。


くるると鳴る自分の腹を押さえ、ブラックは澄まし顔の相棒をちろりと眺める。
気位の高い彼は何ともない風を装っているが、昼夜問わずの野戦特訓によりトレーナー共々寝食を忘れ、丸1日何も口にしなかったパートナーの空腹度合いは推して知るべしというものである。


足下をふらつかせながら洞窟を出たブラックと、その隣をどこか危なっかしげな体さばきで進むジャローダが森の異変に気付いたのは、鬱蒼とした木々の間に光を見つけた時であった。
比較的町に近い、と言うよりも街の隣に位置していた森故に、森の出口=街の入り口なので、少し目を上げれば建ち並ぶビルの群や行き交う人の波が見えるはず…なのだが。

「畑、だね」
「ジャロ…」

何故かブラックの眼前には見渡す限りの野菜畑が広がっていた。
しかも。

「豊作だ…!」
「ジャロー…!」

たわわに実ったトマトや、はちきれそうなトウモロコシ、丸くてビリリダマサイズのスイカ、みずみずしいキュウリ…無表情チャンピオンと名高いブラックもうっかり煌めいた表情になってしまうほど、とにかく豊作だった。

ブラックとて馬鹿ではないので、この美味しそうな野菜達が野生で育った物だとは思っていない。
丁寧に耕された土と雑草一つ無い畝は、この畑の持ち主が丹精込めて手入れをしたからに違いない。
勝手に食べては駄目だ。
とにかく空からでも街を探そうと、ブラックが体を反転させた刹那。


「おいお前、そこで何をしている」


聞いたことのない男の声に、イッシュ地方の最年少チャンピオンはびくりと肩を震わせた。
野菜を盗んだわけでもないのに何故か悪いことをしたような気分になり、何かを振り上げた男の行動に意識が一瞬遅れてしまった。

ぎん、
堅い物がぶつかり合うような音と共に、ブラックの頬を風が撫でる。
細長い剣のような棒でブラックを叩こうとしていた男は、割って入ったジャローダの尾と交わる剣のようなものを見、かっと目を見開いた。
ふん、とジャローダが鼻を鳴らす。

「ジャーロ、」

高らかに上げられる声を言葉にすると、恐らく『僕のブラックに手を出すの?ふぅん…キミ、絞め殺すよ』あたりだろうか。
ちなみに学校大好きな某風紀委員とは何の関係もないので、悪しからずご了承頂きたい。


なかなかに好戦的なパートナーへ苦笑いを零したブラックは男へ視線を投げ、彼にしては珍しく驚愕の表情でバッ…!!っと背後のジャローダを振り返った。
――何してるんだ…!!
少し吊り上げたマロンブラウンの瞳でジャローダを問い詰めれば、だってお腹空いたんだもんとマイペースな空気を返される。
もっしゃもっしゃ口を動かすパートナーに、ブラックは額を押さえ天を仰いだ。



【意図せず野菜ドロ】
(素直に謝ったらたくさん野菜を貰った)
(迷子だと告げたら広い家に連れてってくれた)
(あれ…?知らない人に物を貰ったり付いて行くなってチェレンに言われてたような……?)


**********************
途中で力尽きました。
最初は、畑から煙が上がってて慌てて駆けつけたら堂々とトウモロコシ焼いて喰ってるブラック御一行VS極殺とか考えていたんですが…
気に入らないので消すかもしれません。

sss-オカンといっしょ-



「こんな夜更けにさぁ、俺様に一体何の用?」



ぐ…と喉元に突きつけられた刃物に面珍しい形だなと見当違いな事を考えつつ、ブラックは普段通りの表情で目の前の男を眺めた。
事の発端は、とある洞窟で使用したアイテムだった。

フレンドリィショップのセールを思い出した山籠もり中のブラックは穴抜けの紐と銘打たれた一本550円の商品で地面に円を作り、入り口に戻ろうとそこへ体を潜らせた。
そうしたら何故だか知らないがブラックは温泉に立っていて、どうしてだか解らないが全裸の男と鉢合わせ、本当に理解に苦しむが全裸の男に刃物を突きつけられたのだった。

のぞきだと思われたらイヤだな、と。
相変わらずズレた考えのイッシュチャンピオンは、首筋を伝う一筋の液体に気が付いた。
十代前半の白く華奢な指先でぬめりを拭うと、月明かりに映し出された手に赤い血が良く映えた。


「あ…痛い」
「え、少し刺さってるから…って違う、危ないでしょ何で動いてんの!?そりゃ切れるよ、刃物だもん!」
「…刃物は危ない」
「何をそんな当たり前な…!そんなことはいいから、君、一体誰。気配もなくこの場所に近寄るなんて…」
「俺は覗いてません」
「そっちかよ!?」



【もうなんなの、結局、今日は特売行けなかった】
(ここ何処ですかお兄さん)
(どこって…武田信玄公が治める甲斐だよ)
(タケダシンゲンコウ?カイ?…知らない)
(…ねぇ、君どっから来たの?忍じゃないみたいだし…もしかして迷子?)
(お兄さん、だれ?シノビってニンジャ?)
(あ、ダメだこの子迷子だ。俺様は猿飛佐助、坊の名前は?)
(ブラック。……サスケお兄さん寒くないの?)
(あ、服着てなかった…べくしっ!)


**********************
佐助は未だに全裸です
刃物に馴染みがない&ピンチには慣れっこなチャンピオンは無表情が相成って肝が座っているように見えるけど実はぼんやりとしてるだけ。
バトルになればイキイキと闘います。
だってイッシュの王者だし。
イッシュ地方で一番強いトレーナー…、戦国で通用するのか?





sss



姿を見れば嬉しい
声を聞けば嬉しい
触れられたいと思う
触れたいと思う
困った顔が好きだ
怒った顔も、笑った顔も、悲しむ顔も、喜ぶ顔も、照れる顔も、その強面に浮かぶ些細な表情全てが愛おしい


名を呼ばれ振り返る。
足音や気配でとっくの昔に気付いていたが、己を呼ばう声が聞きたくて、わざと知らぬふりをした。
当たり障りのない挨拶に、四方山話。
他愛もない事で微笑む眼前の男に、ふと胸がぎしりと軋んだ。


どうした、
なんでもない、
嘘を吐け
嘘じゃないよ


だんだんと吊り上がる相手の眉に、じわりと視界が滲む。
悲しいわけでもないのにどうしてこうも苦しくなるのか、いまだに上手く理解できない。
何故、どうして、なんで。
そんな言葉ばかりがぐるぐるとはらわたに溜まり、行き場のない痛みは緩やかに、けれど些かの容赦もなく目頭を苛む。
ころりと落ちた涙に、男の広く厚い肩が揺れた。



「來海、」
「小十郎、」



伝えたい、言葉にしたい。
胸の内すべてをさらけ出して、叫んで、抱きしめて、口付けて、


――あいしてる


気が付けば抱き締めていた。
あいしてるあいしてると繰り返し涙を流す男とは、なんと滑稽なのだろう。
しゃくりあげる己の背を抱き返す腕の確かな力、照れと困惑が入り混じったような声で囁かれた肯定の意に、ただぽろぽろと泣き続けた。





【飽和する感情】
(正しい愛の示し方なんて)(誰も教えてくれなかった)
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