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ねこの日を終えて

思うがままにざかざかと短文を上げましたが、何故ねこの日。
クリスマスもバレンタインもウン周年もイベント事ほぼスルーしての、ねこの日ssでした。
今まで書いたやつ揃ったかなーと思ったら最後の最後で狛枝思い出した。
ごめん狛枝。
そしてごめんアーチャー、君の話は無いんだ。


・歪みの国のアリス
Android版がタダだったので再度プレイしたらガッツリ泣かされました。
ラストは涙なしには語れないと思うの。
中でも好きなのがチェシャ猫です。
赤い猫と僕のアリスendはジャスティス。


・むくちなひつじ
クリスにネコミミ…?いいじゃない!とたぎった結果、リバカップルになりました。
むちむちなクリスと主人公、良い年こいたケモミミおっさん2匹がくんずほぐれつニャンニャンしたら、素晴らしいですよね?ね?


・放浪鬼
ネコミミなんてそんなもの小十郎に生やすしかないじゃないですかやだー。
ガチムチの猫耳は小さめが良い。
ショタに着くような大きめのものじゃなく、割りと小さめにピルピルしてると素晴らしい。
この二人は深刻な顔で向かい合って下らない話をする姿が似合うと思う。


・誰も知らない彼女の話
誰が良いかなと考えた結果の越前くん贔屓。
ふと浮かんだのが格闘ゲームのカットみたいに対峙し合う猫耳装着の女主と猫じゃらし装備な越前でした。
焼き餅やきな皇帝はかわいいと思うの。


・動物擬き
忍たまと針ポタをセットで虎主もふもふでした。
一応セブルス落ち前提、ちらっとネタに出しただけの小話


・奇術師
あざとい猫がいても良いじゃないとオチ担当な狛枝の話。
奇術師はちゃんと狛枝が好きです。
これでおわりーと思ったらこいつだけ残ってたので慌ててガリガリしたのは内緒


お付き合いいただきありがとうございました、コメントも拍手も嬉しいです。
これからもよろしくお願いします。

ねこの日ss

※奇術師







真っ白な猫耳に同色の尻尾を着け、あからさまなあざとさでにゃあんと媚びるように鳴いた狛枝へ、奇術師はゴキブリでも見るような視線を投げた。
女豹のポーズでベッドを占領する青年は、悲しいかな奇術死の恋人である。
誠に残念なことだが、無情にも、恋人である。


奇術師は両手を塞いでいた書類をサイドテーブルへ放り、ジャケットを脱いだ。
ネクタイの結び目をゆるめつつ狛枝を盗み見れば、先程までの勢いはどこへ消えてしまったのか、膝を抱え隅の方でぐずぐずと鼻を啜っている。


「狛枝」


大袈裟なまでに青年の肩が跳ね、薄く細長い身体はますます縮こまる。
溜め息を吐いた奇術師がもう一度呼び掛けると、だんごむしだった青年は涙と鼻水で汚れた顔を恋人へ向けた。
汚ないな、意図せず漏らした呟きに、狛枝の涙腺は決壊する。
ごみくず、やら、喜ばせたくて、やらと途切れ途切れの言葉を受け流し、奇術師は片腕の無い狛枝を抱き締めた。


「お前がいれば他には何も要らない。誰に何を言われたのかは大体見当がつくが、もっと俺に愛されている自信を持て」
「十八くん…」


すき、すき、と拙く繰り返しすがり付く狛枝に、奇術師の唇が弧を描いた。



にゃんにゃんにゃん!



後日談として、狛枝にマンネリ解消方法を吹き込んだ葉隠とジェノサイダーが三日ほど行方不明になった事については、別に知らなくていいことなので割愛する。


ねこの日ss

※動物擬き主









せっせせっせとブラシを往復させるセブルスに痛くないかと問われ、喉を鳴らして否定の意を述べた。
セブルスのブラッシングは的確で、とても気持ちが良い。
終わりだ、と告げたセブルスに背を向ける。
毛繕いのお礼である。
艶の増した毛皮は陽の光を浴びて空気を孕み、極上の柔らかさをもってセブルスを受け止めた。
ふこふことした毛に顔を埋め、滅多に変わらない鉄面皮が優しい笑顔でとろけるこの瞬間がたまらなく好きだ。


「お前の世話をするのは僕だからな」


完全に動物として見られているが、己は同級の男である。
喉元へとぶら下がり、胸元の毛に埋もれるセブルスの頬を不満を込めてべろりと舐めれば、痛いだろうと満更でもない囁きが返された。
セブルスが幸せそうなら、それでいい。




【にゃんにゃんにゃん!】



「終わりましたよ!」


微睡みから覚めれば、横たえた身体にかじりついていた少年は爽やかな笑顔で自慢気にそう言った。
ぐるぐると鳴き感謝を伝えると、とろけたような笑顔が返され、些か戸惑う。
ぴかぴかだー、ふわふわだーときゃっきゃする水色の装束の子供たちに一つ頷き、橙色の巨体をくるりと向けてやる。


「え、い、良いんですか!?」


好きにしなさいと言わんばかりに地べたへ伏せれば、わっと歓声を上げた子供たちが一斉に群がってきた。
誰も彼もが嬉しくて仕方がないといった様相である。
遠慮がちな上級生の腕へ太い尾を絡ませ引き寄せる。
初めはおずおずと、やがて幸せそうに胸元の毛皮へと顔を埋めた少年の頬をべろりと舐めた。
何だかとても懐かしい。
あの偏屈な男は無事で居るだろうか。
幸せなら、それで良い。


遠くから聞こえるいけいけどんどんの声に抑えきれない溜め息を溢し、澄んだ青空に流れる白い雲を目で追った。

ねこの日ss

※誰も知らない彼女の話






よりによってこの日にと思わないでもなかったけれど、出会ってしまったのなら仕方がない。
私は目前で一言も発せず此方を凝視する青いジャージの軍団に内心で乾いた笑みを溢し、あまりあまる羞恥心を捩じ伏せて、にゃあと鳴いた。
その瞬間の、なんとも言えない、空気ときたら!
スカートの端をぎゅうっと握って誤魔化すように口を開いた。


「い、いらっしゃ」
「ねぇ、何してるの」


越前!
触れてくれるなオーラに気付いてくれた上級生のたしなめが入るが、唯我独尊のスーパールーキーには全く通じなかった。
じろじろと観察されて顔の温度が上がっていくが、越前くんは容赦なくこの情けない姿をこころゆくまで堪能したらしい。


「…学校の、行事でね」


端的に言えば別名【生徒会の悪ふざけ】で猫の日は猫耳を着けることと相成ってしまったのである。
詳しくは行事じゃなくお祭りなんだけれども。
私だけじゃないから楽なんだけどねと呟き、後ろへ視線を飛ばせば、猫耳を着けたジャージ姿の体育教師が同じく猫耳の保険医と歓談している風景が目に入る。
うわぁと言ったのは果たして誰だったのか。


「ふぅん、似合ってるじゃん」


トレードマークの帽子をつい…、と上げた越前くんは、喜色を孕んだ瞳で私の頭上を見据えると、バックの中から猫じゃらしを取り出し、生意気な表情で、ねぇと問い掛けてきた。


「遊んであげようか、オネエサン」


年下とは思えない凄味に結構ですと私が答えると同時、越前くんの頭には手塚くんの拳が落とされましたとさ。



にゃんにゃんにゃん!


後日、何処から漏れたのかは知らないが、猫耳ジャージ軍団と化した青学テニス部メンバーと同じく猫耳な私の写真を見た弦一郎が激怒したことは言うまでもない。
ちなみに今の私の待受は、胡座をかいた足の上に白い猫耳を着けた私を抱き締め、酷くご満悦なドヤ顔を晒す黒い猫耳の弦一郎だ。
柳くんが爆笑して、切原くんは恐怖のため失神した。
ちなみに幸村くんは呼吸困難になっていた。
失礼な話である。

ねこの日ss






此方を見据える右目の鋭い眼光に、男は息を吐いた。
まだ日も高いと言うのに閉め切られた室内は薄暗く、膝を付き合わせて座る人影二つが酷く不似合いに見える。
重苦しい空気が間を流れた。


「なんとか、しろ」
「むり」


地を這うような恫喝の声に、同じ様な深刻さで男が即答する。
原因が判るような事象はなんとかなるのだが、右目の異変は男の所為ではないので如何ともし難い。
ぴる、と右目の頭上で漆黒の猫耳が揺れた。
不機嫌そうに畳をぱしりと尾で打ち、男は強面を歪ませる。


「テメェじゃねぇなら、誰だ」
「…知るか」


男はそっと右目へと腕を伸ばした。
そのまま擽ってやれば、ごろごろと喉が鳴らされる。
ふにゃりと相好を崩し、かわいいなと笑った男に、尻尾をピンと立てた右目は唇をへの字に曲げ、馬鹿野郎と小さく呟いた。



にゃんにゃんにゃん!
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