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ねこの日ss

※むくちなひつじ(ねこ)
※リバカップル、クリ主クリ
















「クリス、落ち着いて聞いてくれ」


耳が生えた。
光の差さない虚ろな双眸で恋人を見遣り、項垂れた男は大きく諦観の溜め息を吐いた。
ウィルスの保菌庫である男の体内で、何らかの化学反応的現象が起きてしまったらしいと首を傾げた研究者に乾いた笑みを向けたのは一時間ほど前のことだ。


「ワクチンは作れるそうだが、時間がかかるらしい」
「そうか、戻れるのなら良かったよ」


男は先程から微動だにせず耳の毛皮を堪能している恋人の手を叩き落とし、窮屈なジーンズの尻部分を擦った。
長く艶やかな毛並みの尻尾が押し込められているせいで、やけに苦しい。
不満を表に出した唸り声はぐるぐると獣染みていて、男の苦笑を誘った。

…なぁ、良いだろう?
熱に浮かされたような相手の懇願に、男は首を横に振る。
先程少し擽られただけで背筋は泡立ち、あられもない声が出そうになったのだ。
完全に撫でくり構い倒す気で襲い掛かってくるであろう熊に、みすみす餌を放り投げてやるつもりは毛頭無い。


「ダメに決まってんだろ」
「少しでいいんだ、な?頼むユーゴ、触らせてくれ」


いつになく詰め寄ってくる恋人にひくりと頬を引き吊らせ、男は後ずさった。
頼む、嫌だの応酬が続き、やがて追い詰められた男はベッドの縁に足を取られ体勢を崩す。
男の身体を受け止めたスプリングが耳障りな音で軋んだ。


「先っちょだけだから、な?」
「ふざけんなお前それ絶対最後までヤるフラグじゃねーか…ひんっ!?」
「あー、ふかふかだ。つやつやのふさふさでモコモコだ。
凄いぞユーゴ、可愛いなぁネコミミは」
「や、めろクリス、ばか、耳、ひっぱん、なァ!」
「ああユーゴ、凄くこりこりしてる。ネコミミはニホンの名物なんだろう?この間ニュースで見たぞ」
「やめ、いやだ、あ、ァっ、い、やだ、痛いって、いっあ」


明らかに色の混じり始めた声に、のし掛かった熊はぎらついた捕食者の瞳で、もがき喘ぐ猫を射竦める。
力任せにひっくり返された男は、ずり下げられたジーンズに文句をつけることも出来ず、与えられる刺激にただその身を震わせた。




アッー!
(暗転)






「よしクリス大人しくしてろよ」


わきわきと両手を不気味に蠢かせながら、男は恋人へ蕩けるような笑顔を向けた。
青ざめた表情で床に正座する恋人の頭には三角の獣耳がへたり、髪と同じ茶色の尻尾は力なく揺れている。


「すまない、まさか感染するとは…」
「まぁ、ウィルスだからな。そりゃ感染るだろうさ」


あんだけ発散すればな、と微笑む男の目は全く笑っていない。
むき出しの耳を甘噛みされされ、ネコミミの熊は堪らず喉を反らし身悶えた。
男は付き出された熊の胸筋を厭らしく揉みしだく。
甘くなる吐息に、B級のホラームービーさながらの悪役面で「次はお前の番だ」と言い放ち、男は恋人の喉元へと食らい付いた。



【ニャンニャンニャン!】

ねこの日ss

※マイナー
※猫アリ派は回れ右

















おなかがすいたのかい、と問われた男は、これ以上無いほどに顔をしかめ、眼前の物体を見遣った。
僕をお食べ等と呑気に抜かすのは、顔がパンでできたヒーローではもちろん無い。


「食えねーよ」
「二つ足の猫は美味しいんだよ、アリス」
「俺は男だ」
「そうだね、アリスはアリスだよ」
「だから!…いや、もういい。それよりお前誰だ、ここはどこだ」


ニヤニヤとした笑顔のままこくりと頷いた灰色の何かは、その顔のまま不思議そうに男を眺める。


「僕はチェシャ猫だよ」
「どう見ても人間…人間、だよな?」
「猫は猫だよ」


ぐるぐると喉を鳴らしながら自らを猫だと嘯いた相手は、手足を折り畳んで踞っているが、はっきり言って猫には見えない。
猫成分はどこだよと脱力した男に、チェシャ猫は小首をかしげた。


「ネコセイブン?」
「猫ってアレだろ、もふもふしてる」
「僕はもふもふだよ」


いつのまにか立ち上がっていたチェシャ猫が目前に現れ、男は息を飲んだ。
ずずいと近寄ってくる大柄な身体を押し退けようとチェシャ猫の胸に手を置いた刹那、男に衝撃が走った。
なにこれ、凄いもふもふしてる。
恐る恐る灰色のローブをまさぐれば、チェシャ猫はニヤニヤ笑いのまま擽ったそうにぐるぐると鳴いた。
鼻を擽る獣臭と、くにゃりとした柔らかい癖に適度な筋肉の着いたチェシャ猫の身体に、なぜか強烈な悔しさが沸き上がり、男は苦し紛れに口を開いた。


「み、みみとか、」
「ミミミトカ?」
「ばっ、違っ、耳だよ耳!」
「耳ならあるよ」


にょん、と。
顔を覆うフードから三角形の山が二つ現れる。
世間一般に猫耳と呼ばれるであるだろうそれを摘まむと、こりこりした感触が指に伝わった。
力を入れすぎてしまったようで、猫は、痛いよアリス、と、何でもないような声音で男をたしなめた。
こうなれば、もう、自棄である。


「チェシャ猫」
「なんだいアリス」
「出せ、あるんだろ、尻尾」
「僕らのアリス、君が望むなら」


みょん、と。
灰色の、わりかし細い猫尻尾がチェシャ猫の尻辺りから生えたので、男は諦めた。
もう何も言うまい、これは猫である。


「煮干し食うか、猫」
「猫は煮干しを食べないよ」
「じゃあ何食うんだよ」
「アリスはおいしいよ」
「性的な意味で?って冗談言えない空気だな」
「セイテキナイミ?」
「…何でもない」


頭を抱えた男に、さあシロウサギを探しに行こう、と。
猫らしくない猫は、見慣れてしまったニヤニヤ笑いでお決まりの科白を吐いた。



【にゃんにゃんにゃん!】



チェシャ猫可愛いよチェシャ猫。

突発小噺 ksj





好きなんだよ、と。
震える声が青年を呼んだ。
すがるように背に回された腕が、痛いほどに身体を締め付けている。


「すきだ」


同姓である筈の幼馴染みは、ポロポロと涙をこぼしながら、少し高い位置にある青年の唇へ己の唇を重ねた。


【レッツゴー地獄街道】


突如襲いかかった柔らかい肉の感覚に身体を石化させた青年は、幼馴染みの行動にぶわりと脂汗を滲ませた。
何故、どうして、と、そんな言葉ばかりが頭の中をぐるぐると回る。
放課後の教室を夕陽が茜色に染めていた。

誰も居なくて良かった。
ゆっくりと幼馴染みを引き離し、青年は途方に暮れる。
剥がされたことを拒絶だと受け取ったらしい幼馴染みの顔は、それはもうひどい有り様だった。
太めの眉は情けなく垂れ下がり、男にしては丸い瞳には涙と絶望に彩られている。
不味いことになったと思いつつも、青年は幼馴染みを己の胸に閉じ込めた。


ここで青年の話をしよう。
青年の名前は平々凡々なものである。
背丈と体格は同年代の友人らに比べたら恵まれたものであったが、容姿は中の中ぐらい。
街角で見かければ次の瞬間には曖昧になってしまいそうになるような、何処にでもいそうな、よく見れば格好いいかも、程度の人間であった。
幼い頃から空手を習い、大会で何度か優秀な成績を納め、今となっては日本一強い男子高校生との呼び名もあるが、至って普通の人間である。
ただ一つだけ、前世の記憶があるという事を除けば。


青年は幼馴染みへと不器用な微笑を向けた。
悪い感情は抱いていませんよと言うパフォーマンスだ。
幼馴染みはほっとしたように引き締めていた唇を緩ませ、再び青年の背へとその腕を回した。


「…いいのか」
「今更の台詞だな」


そーなんだけど、と。
拗ねたような声で額をグリグリと押し付けてくる幼馴染みの頭を撫で、青年は内心溜め息を吐いた。

ここで幼馴染みの話をしよう。
幼馴染みと青年と、あともう一人の女の子は小さな頃から何をするにもずっと一緒だった。
青年と幼馴染みに至っては、新生児室でおぎゃあと泣いていた頃からの付き合いであった。
高校に入って女の子が恋人を作り、二人と少し距離が開いても、変わらずつるみ続けた二人である。
やたらめったら手先が器用な幼馴染みは、昔からよく面倒なことに巻き込まれたり、自分から面倒を巻き起こしたりと忙しい子供だった。

青年は生まれる前から幼馴染みを知っていた。
とある筋では有名な祖父の血を色濃く継いだ、特別な幼馴染みの名前を青年は知っていたので、取り敢えず身体を鍛えたり、何においても身体を鍛えたり、常日頃から身体を鍛えたりしたのである。
ボウガンと拳銃に負けない人間になろう、と。


「今日から俺達恋人、か」


不動高校二年、空手部主将の青年は、頬を真っ赤にした同じく不動高校二年、ミス研と演劇部を掛け持ちするポニーテールで、スケベで、やる気の無い、けれどやるときには誰よりも何よりも格好良くなる可愛い幼馴染みの手をするりと絡め取り、これからも己の身に降りかかり続けるであろう理不尽な現実をしっかり受け止めようと覚悟を決めた。

おかしいな、とはずっと思っていたのだ。
例えば二人の間に青年と言う異物が混じり混んでいたことだとか、女の子が積極的に幼馴染みをけしかけてきたことだとか、それこそ一桁の年齢の時分から後を着いてきた幼馴染みのふにゃふにゃとした笑顔や熱のこもった視線だとか、異常な頻度で事件に遭遇するのが幼馴染みと青年のコンビだったりだとか、隣町の米花町に帝丹高校があったり新聞に高校生探偵の文字が踊っていたり大会で仲良くなった女子高生の名前が毛利…否、止めておこう。
お腹一杯である。
いっぱいいっぱいである。
キャパが崩壊間際で、なんだかちょっと漏れちゃいけないものが漏れている気もする。
帰り際、足元をちょろちょろと走っていった眼鏡の小学生を視界と意識と記憶からシャットアウトして、青年は幼馴染みの手をぎゅっと握った。
これ以上アレらについて考える事は、精神衛生上とてもよくないと理性が警告を発している。
死体も血も苦手なのだが、とひとりごち、青年は困ったような笑みを浮かべた。






(なんて解りやすい片道切符なんだろう) 
(突き放すと言う選択肢は見ないフリ)


title by 207β

忍たまネタ

忍たまネタ


大家族の長男(五男三女)だった男(35独身、彼女にフラれたばかり)が過労死して忍たま世界に転生。
一人っ子人生を謳歌していたら10で世間勉強して来いと忍術学園へ入学することに。
問題児ばっかりの六年生と同学年。
お兄ちゃんスキル発揮して、なつかれるなつかれる。
そこから始まる第二の長男ポジションライフ。
ことごとく潰される個人の時間だったが慣れていたので異常なことに気づかず六年間過ごしてきた。
生物委員会の幽霊委員長。
いつのまにか仕事を終えてるので、下級生とはあまり関わり合えない。
ついていきたくなる漢の兄貴じゃなくて、甘えたくなる方のお兄ちゃんな主。
生粋の甘えたと上に兄弟がいる忍たま、甘えてみたい一番上にも大人気だが、六年生に悪気なく独占されてた。

ここからが本番。

天女登場からのポジション強奪。
六年は全員天女へつきっきりに。
ぽつねんと一人残され、寂しくなるかと思いきや、


「寂しくない…だと…!?」


驚愕する主。
何日かしたら寂しくなるかな…とか思いつつ今までできなかったことを満喫。
委員会に精を出して後輩と思う存分戯れ、不運に合わず、無茶な鍛練もなくて暴走を止めることも振り回されることもなくなって六年ぶりに目が覚めた主。
一月経ちましたが、何の感情も浮かんできません。マジかいな。

俺あいつらの兄貴じゃないんだから世話焼くこともねーんじゃん。

目から鱗。
俺がしっかりしなきゃという意識がもろっと抜けて忍たま生活を満喫。
オチは竹谷。
お兄ちゃんじゃなく憧れの先輩としてずっと慕ってた竹谷から告白されて赤い実弾けた。
そんな忍たまの話。

むくちなひつじ

※野良熊
※差別用語注意
※なまぬるえろい
※病んでる。誰がとは言わないけど病んでる。

















私の根幹は軽薄な人間であるので、縛り付ける愛情がとても好ましいのです。
何処へ行くんだ誰と行くんだ何をするんだどうしておいていくんだあれは誰此れは何浮気は許さない俺だけを見ろ俺のことだけ考えて俺だけを愛せ、アルコールの臭いを撒き散らしながらそう言った恋人に骨が軋むまで抱き締められると幸せになります。
満ち足りた優しい心で、そうかそうかそんなにも俺を愛しているのかと私は大層愉快な気持ちになるのです。


【おもいあい】


クリス・レッドフィールドが姿を消したとの報告を受け、男が取った行動は実に簡単なものだった。
有給消化の願いを提出し、自身もまた姿を消したのである。
居なくなったαチームの隊長と違い、デスクワーク中心の上役であった男の、失踪にも近い長期休暇に、BSAA極東支部日本支局の誰もが意識を払うことはなかった。


痕跡を辿り、探り当て、酒浸る男の懐にするりと入り込む。
くたりとカウンターへ突っ伏す巨体を優しげな態度で丸め込み、たらし込み、男の存在を刷り込む。
曰く味方であり、理解者であり、お前には俺しかいなく、俺にはお前しかいないのだ、と。
毎夜毎夜狭くて小汚ない酒場のカウンターで顔を突き合わせ、毒を染み込ませるように愛を囁いてそれだけを真摯に伝えた。
すると元から恋人であった者同士、大した障害もなく男は野良熊と呼ばれる厄介者の恋人の位置へ収まったのだ。
酒代が足りないと請われれば与え、怖い怖いと怯える熊のような男を抱きしめ、慰め、本能の赴くままにセックスをして、惜しみ無い愛情を注ぎ、際限なく甘やかす。
記憶のない男が恋人を思い出すことはなく、思い出されない男もまた思い出さない相手へ何一つ教えてやらなかった。


太い首筋へ噛みつくと堪らなくなったのだろう男から息が漏れた。
モスグリーンのタートルネックで隠されたそこには大小様々な所謂噛み跡と呼ばれるものが点々と散らばっている。
あるものは瘡蓋になり、あるものは赤く腫れ上がり、見ているだけで痛そうであるのだが、当の熊のような男は増える所有印にただただ嬉しげに、野太い声で切なく喘ぐだけであった。
むっちりとした胸の筋肉へ指を埋め込ませる。
女の胸を揉むようにやわやわと、強弱をつけ愛撫すれば、飾りでしかない筈の頂がぷっくりと芯を持ち始めた。
色素の沈着したそこを舌でねぶる男の片手が、組み敷かれていた男に捕らわれる。
どうした、と尋ねれば、頬を上気させた熊面がとろんとした瞳で男を睨んでいるではないか。


「…お前、あれだ、あー、昼間の、」


だれだ、あのガキ。
苦々しく呟かれた言葉に男が首を傾げると、業を煮やしたらしい巨体が素早く身体を反転させ男を組み伏せた。
セーターを脱ぎ捨て、ベルトのバックルを外し勢いよく引き抜く。
馬乗りになった巨体の重量を堪能していた男は、唾液でべたべたに濡らした自身の指を後孔に突き立て掻き回し始めた恋人に我知らず喉を鳴らした。
場末の安宿の粗末なベットでは大柄な男二人を支えきれないようで、あ、あ、と蕩けた声でだらしなく啼きながら尻孔でくちゅくちゅと自らの指を貪り、腹に付くほど反り返った逸物から先走りを迸らせる熊面が腰を揺らし跳ねる度に古ぼけたスプリングがぎしぎしと悲鳴をあげていた。


「あんたみたいな、ん、変態ジャップに…わざわざ股開いてやる物好きは…っ、俺、一人で十分だ」


さっさとそのおったてたブツを突っ込みやがれ黄色猿が。
聞くに耐えないスラングで相手を罵り嘲り笑う巨体へ、男は触れるような口付けを落とした。
威勢の良い口とは裏腹に、暴言を吐いた筈の男の方が傷付いた表情をしているのだから可愛くてしかたがない。
熱く絡み付く腸内に感嘆の息を漏らし、巨体の腰を鷲掴む。
探らずとも体に染み付いた恋人の良いところだけをがつがつと突いてやれば、男らしい厳つい顔が快感に濡れた。
そこ、いや、いやだ、ゆるして、と嘯きながら、乱れる男の丸太のような腕は逃がさないとでも言いたげに恋人の背中へと回される。
じわ、と。
言い表し様の無い喜色が男の胸を覆った。


無法者には勿体無いと評判の魅力的な恋人が、いつ自分に愛想を尽かしてしまうのか不安で仕方がないらしい記憶喪失で乱暴者で厄介者で嫌われ者の野良熊は、こうしてたまに八つ当たるように恋人とセックスをする。
お前に構うのは俺だけだ、だから俺から離れるな。
気持ちいいだろう堪らないだろう具合が良いだろう俺は良い男だろうお前みたいなジャップを愛してやってるんだ同じように俺を愛せ俺だけ見ろガキなんて相手にすんな俺から離れるな何処にも行くな死なないでくれ俺を俺だけを俺だけを俺の傍に。
ユーゴ、ユーゴと己の名を呼びすがり、泣いているんだか啼いているんだか判らない口調で酔ったように繰り返し繰り返し慟哭する恋人を、男は心の底から愛している。






こころのそこから、あいしている。



【重い愛】



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