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『死亡フラグが立ちました』読了

タイトルが気になり購入した、『死亡フラグが立ちました』。


!!以下作品の本筋に触れるネタバレ有り、注意!!














なにこれすごい。
どっからどこまで人為的なのか、物凄く疑り深くなる。
北川空は流石に元ネタが有ったものだと思うから、捏造は601号室だけだと思うけど…
最後の、通り魔+暴走車+墜落するヘリコプター+ガス漏れって………
殺る気マンマン過ぎるだろタナトスwww
ってかタナトスの本名、微妙すぎて時々見失う。
読めなくてルビの所まで引き返さなきゃいけない名前って………どうなの。

そして松重さんが死んだことに地味にショック受けてる。
昔気質の任侠者なのに犬が苦手で、ナイーブで、ピーナッツアレルギーなヤクザ。
ギャップ萌の宝庫だったおっさんが…

でも予測できなかったと言えば嘘になるかな。
送った覚えのない懸賞の賞品がピーナッツクリーム2ダースって来た時点で、多分アレルギーで殺すつもりなんだろうなと。
最後の橋元はね…犯人の弟の自業自得だし、ただの八つ当たりじゃん。
犯人の弟は橋元の妹を騙して酷いことしたんだから、お前の所為で植物状態になったんだぞと言われても…闇金の借金肩代わりさせる弟だぞ。
ヤクザから逃げて何とかなると思ってる方が可笑しいって。
普通コンクリ詰めにされるとかあるでしょ。


ううん…気付いたらみんな死んでるよ重要人物。
残ったのが、タナトス&黒谷、編集長、陣内くん、本宮さん、渥美母娘…あれ、少ないぞ。
死んじゃったキャラがどれも個性的で、“普通の 作品”では絶対死なないポジションに居るような設定だったので、あっさり切ってしまう作者に脱帽しました(笑)

これおもしろい、バカバカしさを笑い飛ばせる本です。
オヌヌメ(笑)

松永ss



眼前の男から逃れたい一心で、來海は板壁を揺らす炎の赤に目を遣った。
茶器を愛でるような、銘刀を愉しむような、無機物に対する愛撫。
剥き出にされた男の指先が顔の輪郭から首筋へと移され、弄ぶようにくすぐられた喉仏が意図せずどろりと上下した。


「卿には、」


厭だ。
厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭だ厭、だ、いや、だ聞きたくない。
蝋燭の灯を映す群青の瞳が頼りなさげに揺れた。


「とびきりの寂寥を贈ろう。なに、ほんの戯れだ」


己の中に有る何かを、男から守るように來海は身体を丸めた。
積もり積もった寂しさは時と共に腐敗し、原形を留めぬ塊となり心に穴を開けてゆく。


「いらねぇよ、んなもん」

絞り出した声は柄にもなく恐怖に滲んでいた。





―――――――――――
隊長は寂しさが一番嫌い。
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