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BASARA→白黒sss


「お前さん、これに乗るのか…」


ぽかんと口を開けたカンベエと言うらしい大男に、ブラックは首を傾げた。
目の前には下が霞んで見える崖、横に並ぶのは体格の良いポケモンが二羽。
どちらもブラックにとって自慢の相棒であるのだが、どうやらカンベエは納得がいかないらしい。


野生のポケモンのレベルが軒並み高く、トレーナーのレベルも同じく比例するため滅多に人が訪れない洞窟の奥、目の前へぽんと現れた男に特段驚きもせず、ブラックは相手を引き連れ外へと穴を掘った。


見晴らしの良い丘の上でおいしい水を飲みながらよくよく話を聞けば、どうやら男は途方もない迷子らしい。
行く宛もない、帰る場所はあるが帰り方が判らない、お金もなければポケモンの事も知らない、取り乱すカンベエはまるで赤ん坊のようだとブラックは思った。
年かさは父親と同じか其れより若い、山男か作業員のような体格に、何故か枷を付け鉄球を引きずっている。
此処で放り出せばこの男は良くて餓死、最悪野生の肉食ポケモンに襲われて一巻の終わりだろう。
見殺しにする…それは流石にイヤだった。



頭を抱え込むカンベエの腕を取り、ブラックは枷の部分へとレパルダスの爪を走らせる。
音も立てず細切れになった木片を一瞥し、擦れて赤くなっていた手首を消毒して包帯を巻いた。


狂喜乱舞の様相で何か騒いでいるカンベエに再度首を傾げ、ブラックは腰のボールに手をかけ、カンベエの体重ならばと空中に二つ放り投げる。
光と共に現れた雄々しい猛禽の羽ばたきに目を細め、翼の美しさに見とれながらウォーグルの背に跨がった。


「いや小生は重すぎるだろう、鳥が落ちちまう」

「俺の段蔵は非力じゃない」


珍しく口にまで出したというのに動こうとしないカンベエを眺め、まぁいいかと号令を出す。
僅かな手の動きに忠実に従ったウォーグルはカンベエの肩を大きな脚で鷲掴み、危なげなく翼を動かす。
遠ざかる地面に、まずはショッピングモールへでも行くか、と。
背後で響く男の絶叫を聞きながら、ブラックはタウンマップをひらいた。



(なぜじゃぁああああああ!!!!)
(腹減った…)




―――――――――――
ブラック君は極端に無口。
口に出す前に考える、いつの間にかタイミングがずれて言えず仕舞い。
殆どベルとチェレンが言ってくれるので喋らなくなりました。



会話のみ班長sss


「俺のこと誰だと思ってんの」

「イケてる鑑識員でしょ…友達が居ない」

「貧相なタンクトップ」
「新さんのだけ悪口だよな確実に」

「ごめんねあらたくん、苺ミルク作ってくれないかな」

「用意してあります」

「ありがとうあらたくん」

「新さーん、俺ジンジャーエール」

「ほらよ」

「これ水道水!!」




「賑やかだねぇ君達」






―――――――――
三上さん役の方が素敵でした。
冴子さん刺したときの悲壮な表情が素晴らしかった。

相も変わらず班長ラブです。
いつかラブラブな甘い話書いてみたい。
遊園地で観覧車とか。
冴子さん絡みとか。

班長sss




「あれ、珍しいな…新さんなら『班長が署内の全員から嫌われてるだとぉ…!?許さない…抹消してやる!!』…なんて言いそうだけど」

「それがどうしたD」

「うん、まずはそっから変えていこう。俺は久遠、リピートアフターミー…いっだあ!!」

「喧しい」

「耳引っ張らないでっていててて…!って言うかっなんで!さっきのは怒らないのっ!!」

「…別に良いだろ、俺だけが好きでいれば。他の人間は必要ない」

「ふぅん、……冴子さんもそうだった?」

「…あの人が居なくなれば、班長は悲しむ。泣きそうな顔も好きだが、進んで見たいとは思わない」

「…あんたもさ、大概嘘吐きだよね。何時だって物騒な目で見てた癖に」

「…だからどうした」

「喰えないね、新さん」

「お前に喰われたいとも思わない」

「うわ、連れない返事」

「俺にはあの人が居ればいい。伊達さんがいれば、俺は生きていける」

「もう病気だね」

「いいから貴様はさっさと班長のために働けタンクトップ」

「あ、Dからランクアップだ」




今の手持ち


携帯獣、白
ただいまの手持ちです。
名前は厨臭いですが、最近読んだ本から付けてます。



レパルダス♂【夜叉丸】Lv:48・いじっぱり

バオッキー♂【弁天】Lv:59・むじゃき

ウォーグル♂【段蔵】Lv:55・うっかりや

ゼブライカ♂【才蔵】Lv:58・れいせい

ゼクロム【零】Lv:53・てれや

ダイケンキ♂【青藍】Lv:56・すなお


ミジュマルは人型のイケポケになると思ってたんだけどな。
まあいいか、可愛いし。

白黒→BASARA懲りずにクロス

穴を掘ったら別の場所だったなんて、一体誰が信じるんだ?



木製の機械…の様な物を眼前に、ブラックはきつく瞠目した。

修行の岩屋で己とパートナーを鍛え、さてソウリュウシティヘ戻ろうかとバオッキーが地面に穴を掘った、のだが。
見えるはずの日光はなく、相も変わらず湿った土の臭いが鼻につく。
どう見ても洞窟の入り口ではない上に、あの機械は何だか動き出してやいないだろうか。

足下に跳ねる小石、揺れる地面、耳障りな金属音を反響させ回りだすドリル部分。
嗚呼厄介なことになった、

轟音を鳴り響かせ土竜のように突進してきた機械が、抉り取った岩を小柄な人影にぶつけんとした刹那。
ブラックは、溜め息混じりで腰のボールに手をかけた。



白い煙が晴れて視界が良好になる。

結果オーライで良いんだろうか。

ブラックは青白い電流を迸らせる黒い竜、伝説と称されるゼクロムへ労いと感謝の言葉を述べ、屈んだ頭を撫でる。
満足げに一声吠えたゼクロムは粉々に砕け散った…そう形容するしかない機械だった物を鼻で笑い、周囲に殺気を飛ばした。

見れば、薄汚れた格好の大人達が物騒な物を手に持ち、恐れ混じりに此方を威嚇している。
パートナーを場に出しているトレーナーと目を合わせていると言うのに、この場の誰もが己の手持ちも出さず殺気立ち武器を構えている。
不可解な大人達にブラックは眉を顰めた。
何かがおかしいと脳みそが警鐘を鳴らしている。


高まる無言の緊張感にゼクロムをボールへ戻すことも出来ず、どうしたものかと困り果てたとき、珍妙な格好の一人が当惑するブラックへと脚を進めた。



「お前さん、豊臣の人間か」


2メートルは有るかという巨体が、同じく巨大な鉄球を鎖で引きずっていた。
長い髪を後ろで縛り、やけに堅そうな服、以前何処かで見た鎧に似た物を身に纏い、両腕を拘束された男がブラックへと問い掛ける。
雰囲気的にこの男がリーダーなのだろうなとアタリを付け、ブラックは膠着した状態の打開策を求め口を開くことにした。


「俺は…カノコタウンのブラック。何故…貴方達はポケモンを出さない」

「かのこたうん…、ぶらっく、ぽけ…なに?お前さん南蛮人か?頼むから小生にも判る言葉で話してくれ」


…なんばんじんとは、何番の人間なのだろうか。

ブラックは頭を抱えた。
思えば最初から可笑しな事は沢山あったのだ。

まず空気が違う。
相手の対応も、トレーナー法に触れてしまう犯罪だ。
生き物の気配が違う、ゼクロムも何処か焦っている。
腰にセットしたボールもかたかたと不安げに揺れている。
穴を掘る技に失敗はない、やはり此処は修行の岩屋を出た場所なのだ。


ブラックはあまりの衝撃に白く霞む意識の中で、この世界はポケモンを知らない、即ちポケモンが居ない何処かであると結論付け、そのままガクリと力を抜いた。


「ゼクロム、みんなの回復とかどうしよう」


沈み込んだ侵入者に慌ただしくなる周囲とリーダーの大男を思考の隅に追いやり、ブラックはリュックの中にどれだけポケモンフード入れてたっけ、と、静かに涙を流した。



英雄くん、世界を救う旅に出る
(今回も望んでない)
(しかもハードルが高すぎる)


陰を背負い黄昏る主人に一体何事かと心配した手持ちが、勝手にボールを出るまであと少し。
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