※毛利元就の乱ネタ
※短い
【毛利の家】
司令・毛利元就の息子を、長男から順に撃破せよ!
答え: 隆元、元春、隆景の順
「お手柔らかに御頼み申す」
「手加減は無用でございますよ」
「歴戦の勇士殿の御相手、及ばず乍ら果たして見せましょう」
口許が、目元が、雰囲気が、謀神と畏れられる父親によく似た三人の男に、黒狼の獲物を握る手がかたかたと震えていた。
ねぇ本当に?
本当にやるの?
やんなきゃダメなの?
ともすれば酷薄に見られがちな整った顔をこれでもかと困らせちらちらと父親を窺う黒狼に、助け船を求められた元就はとてもいい笑顔で一言、行っておいで、と。
「できるかぁああああ!!!」
黒狼、撤退!
どん、と腹の底に響く太鼓が晴れ空へと吸い込まれ、戦況が法螺貝と共に知らしめされる。
歴戦の勇士、撤退。
戦局を任されていた軍師は頭を抱え、遥か向こうへと小さくなる黒狼の背中へ絶叫した。
「ちょ、はたらけー!」
【ムリなものはムリ】
(毛利を手に掛けるなんて…できるわけがない!)
(俺が言うのも何だけど、働いて黒!)