いつもより低い目線に、細い身体。
必然的に短くなる髪を一つに纏め商店街を歩く男の姿は、何処からどう見ても近所の中学生である。
視界の端々に浮かぶ整に時折声を掛け魂送し、何故この姿でなければならぬのかと自問する男の脚が柔らかい物を蹴飛ばした。
緑色の丸い鞠らしきそれは蛙が潰れたような音を出し、てんてんと転がり自販機の側面で止まる。
「なんだこれ」
鞠を鷲掴み目線を合わせれば、見た目はまさしく蛙である。
丸い頭の下に四肢の付いた小さな身体があり、白い腹の中央には黄色い星があしらわれていた。
大きな丸い目はぐるぐると渦を巻いており、おちょぼ口からは絶えずゲロゲロと呻きが漏れる。
どうやら気絶しているようだとあたりを付け、男は周囲の目がこちらに向いていることに気付き舌打つ。
交わされる言葉に耳を傾ければ、緑の蛙は男以外の眼には見えぬらしく不審がられているようだ。
男は蛙の頭を鷲掴んだまま、人気のない路地裏へと足を向けた。
「ゲロ…酷い目にあったであります」
「蹴って悪かったな」
「いやいや…ゲロォ!?我が輩の姿が見えるのでありますか!」
「ばっちり。他の奴らは見えてなかったようだが…お前は何者だ?」
微笑の下に殺気を滲ませ蛙を見据えた男に冷や汗を流し、緑の蛙は小さな口からゲローと溜め息を吐いた。
「…つまり、何だ。お前は地球を侵略しに来た宇宙人で、拠点にしてる家に帰れなくなった家出中の迷子だと」
「そうであります」
宇宙人ねえと眉を顰め、男は蛙の脇の下へ手を差し込み抱き上げる。
もしや破面かと疑ってはみたものの虚の気配はなく、忍の眷族でもないようだ。
にへらと笑った蛙に小さく噴き出し、男は拠点の場所を訪ねた。
「送ってってやるよケロロ軍曹」
「ゲロ!真でありますか來海殿!」
「真、真。俺もちょっと用事あるし」
「ありがたいであります!」
ケケロケロと鼻歌を歌う蛙を大事そうに抱え直し、男は口の端を吊り上げ大切な用事がねと妖しげに笑んだ。
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死神×蛙のプロローグ的な。
なんか宇宙人が居て人間ヤバいらしいから尸魂界の為にも見てこいよ→何で俺が→お前暇だろ→ぶん殴るぞ重國コノヤロー
中学生なのは宇宙人が中学生と居た話が多かったから。
尸魂界は魂のバランスが崩れることを危惧し侵略反対派。
全力で潰しに行く姿勢を尸魂界に示す為先発として零番隊を派遣。
例によって例のごとく説明がめんどくさかった&宇宙人とかププー有り得ねーまぁウソだと思うけど確かめなきゃね的な重國の所為で何も知らない隊長。
日向家へ向かい、黄色い蛙の嫌な奴具合に骨抜きのメロメロになる予定。
黄色可愛いよ黄色。