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お寿司やなう

父親のお見舞いがてら駅ナカで回転寿司もきゅもきゅ。
早く地元のかっぱ寿司が開いて欲しい。
そしたらまた一人で縁側ぱーりぃするんだ!
寂しくねーよとかウソだしめちゃくちゃ寂しーわ

ss




「なにしてんのお前ら」


住み慣れた青葉城の中庭で繰り広げられていたのはB級任侠映画だった。
眉間に皺を寄せる政宗を庇う形で愛刀を手に仁王立つ小十郎は、穏やかな日差しを受けぬらりと光る白刃を一人の少女の喉元へと向けていた。
向けているというかちょっと先っぽが刺さっているので、少女の首に一筋の赤い筋が伝っている。
あれは地味に痛いだろう。


「…気にするな、単なる草だ。すぐ始末する」
「草ァ?どう見ても…」


細くもなく太くもない白い足を投げ出し尻餅を着く少女は、そこはかとなくキレている小十郎の殺気をまともに浴び声も出ないようだった。
ぼろぼろと零れる涙が頬から顎へと落ちている。
浅い息を繰り返し嗚咽を漏らす少女は見るからにひ弱で刃物など持てそうもない。
ならば暗器の使い手か若しくは毒を使う輩かと勘ぐってみるものの、馬鹿らしくなり思考を止めた。

溜息を一つ落とし少女へと歩み寄る。
ばちりと蒼白い雷を走らせた小十郎からあからさまな棘を頂き、この子は一体どんな登場をしたのだと内心苦笑し手を差し伸べた。


「大丈夫か」
「あ…の、わた…わたし…」
「あんま近寄んな、物の怪かもしれねぇぜ?それか…」


苦虫を噛み潰したような政宗は少女から目を離す事無く、妄言ばかり吐きやがる頭の可笑しな奴だと鋭い敵意を飛ばす。


「嘘じゃない!!」
「黙れ」
「っ!」


少女の傷口から鮮やかな赤がじわりと滲み、珠となった血がまた一筋流れた。
冷ややかな眼差しの二人に頬をひきつらせ、突きつけられていた刃を手の甲でそっとずらす。
しゃがみ込み微笑みながら安否を尋ねると、少女は己の襟元を強く引き寄せ堰を切ったように喋り出した。
少女の顔が近づいた刹那、小十郎のこめかみに浮いた青筋は見なかったことにした。


「わたしっ、私学校帰りでっマックによって、お小遣いなかったからフルーリー諦め、シェークっと、ぽて…アップルパイとビックマック頼んっ…お、なかすいたからっラーメン食べてから31でキングのトリプル頼んで、歩いてたら、穴ん中おっこってぇ…」
「いや食い過ぎだろ」
「聞いただろ?空から落ちてきてずっとこの調子なんだからな…Ha、意味がわからねぇ」
「政宗様の上に落ちて来やがった。何処かの刺客かもしれねえ…」
「危うく圧死するところだったぜ」
「わたし四角じゃないしそんな重くない!!標準より軽いから!」
「口の聞き方に気をつけろ小娘…」
「ひっ…わたしはっ…!ただの女子高生です!!」


白さの眩しいセーラー服に身を包んだ未来の女子高生は、間に入った己の身体を盾に使い凶悪な様相の小十郎に威勢良く見得を切った。
大した度胸だと思うが、未だに襟を掴んだままの小さい手はガグブルしているので要するに虚勢なんだろう。
893パネェマジこええガチで死ねると繰り返す女子高生に、今時の子だなぁと和んだ。

おかしな気配もしなければ、容姿も普通。
猫を被るわけでもなく素で取り乱しているのだろう様子が痛々しい。


「…おい女、そいつからさっさと離れろ」
「すみません退かないで下さい!海外に売られちゃう!」
「落ち着け女子高生」
「お前は落ち着きすぎだろ…」


猜疑が悋気にすり替わっている小十郎を宥め、女子高生に笑いかける。
そのまま己はマックよりモス派なんだと告げれば、まん丸い目をかっぴらいた女子高生は某バーガー屋の店名を絶叫し力強く抱きついてくれた。
役得だと思った瞬間背筋に怖気が走り、小十郎に刀の柄でブン殴られたことは言うまでもない。




【天女(仮)さま泰平記】
(空から落ちてきたから、女子高生って、天女様なんじゃね?)
(うわちょ、止めて下さい貴方だけには天女とか呼ばれたくないです)
(え、)
(え?いや、だって…)
(…あんま見るな、恥ずかしいから)
(チクショウ無駄に高スペックだなこの美形め!!)
(おいテメェ)
(あああああごめんなさい片倉さんもう二度と悪口とか言いません!!)
(…悪口か、アレ)



**********************
女子高生降臨。
隊長は元々現代に生きる(?)死神なので、元の世界に帰りたい女子高生は現代の雰囲気を懐かしがり隊長に良く懐く。
鳥の雛のごとく後ろをくっついてくる女子高生に親の心境な隊長。
隊長を盗られたようで面白くない双竜。
シュガーレスな日常になりそうだ。
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