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コロスケなんですねわかります



客の出入りがハンパなかった、
ぜんぜん仕事終わらない。
ならぶ並ぶ…電話は来るわ人足りないわでもう散々です。
目が渋い…眠い…昨日仁先生と東宮様に夢中になり過ぎて夜更かししたからか?
あはぁ…座布団がユートピアぁあ!
あははは…


ss

半ナマ





くぐもる悲鳴に足を止め、男はそびえ立つ白い塀を眺めた。
肉を打つ音に遅れず迸る苦痛の声。


――宮様に毒を盛った医者だと
――怖いねえ


擦れ違う人々の囁きに形の良い口の端を吊り上げ、男は踵を返した。



身体に掛かる圧迫感がふと緩み、南方は腫れた瞼をゆるりと開けた。
肺に空気を送り込み、苦しさが消えたことに怪訝さを覚える。
誰かが支えているような気配に首を向ければ、其処には一人の男が人好きのする笑みを浮かべ立っていた。

「あ…なたは、」
「なんだ、存外に色男だな医者の先生」

見知らぬ男がくつくつと笑う度、白い喉仏が艶めかしく上下する様が南方の目を焼いた。
見覚えのない男である。
白地の羽織は汚れ一つ無く、伸ばした黒髪が腰の辺りで揺れている。
恐ろしく整った顔つきの中で男の赤い唇は笑みの形に歪み、群青の瞳が満足そうに南方を眺めていた。

「そんな…どこから…どうして…!」
「あんま大声出すなよ先生、変な奴だと思われるぞ」
「興味本位か何かは知りませんが…あなたも、見つかれば捕まってしまう…逃げて下さい、」
「俺が?誰に?何故?」

息の掛かるほど近づいた顔から逃れるよう首を引いた南方の頬に手を添え、男は血の滲む擦過傷をべろりと舐める。
痛みに跳ねる肩を撫で、猫のように目を細めた男は至極楽しげな様相で医者の耳元へと吐息を吹いた。


「俺は今アンタにしか見えてない」


よく見ろよ影がないだろうと嘯く男の足下には、揺れることのない自身の影が黒々と映し出されているだけだった。

「え」
「面白い先生だな、顔が真っ青だぞ。幽霊がそんなに珍しいのか?」
「え、え…えぇえ」
「まぁ俺は幽霊じゃなく死神だけどな」

涙の膜が張る双眸を見開き、はくはくと口を開閉させる南方の額に口付け、うぶな野郎だとほくそ笑む男の手は骨格を確かめるように南方の全身をまさぐっている。
暴れようにも支える手の力の強さに逆らえず、情けない声で男に尋ねた。

「すいません死神って…私は死ぬんでしょうか…って言うかあの、わ、私そっちのケは無いんで!!」
「無粋だな、衆道ぐらい嗜めよ先生。クセになるぞ」
「いいえ結構です!間に合ってます!」
「冗談だ。ついでに言えば俺はアンタのお迎えじゃない」

やけにあっさりと離された手だが、太股を撫で回す指捌きが本気だったよなと南方は意識を遠退かせた。

「なら、どうして私に死神が…」
「あんたが欲しいから。ちょうど医者を探しててな、先生が死んだら俺の部下にしようと思った」

けど中々しぶといな先生、男は何処か残念そうに言う。
南方はひきつる頬もそのままにすみませんがお断りしますと答えた。
男は花も綻ぶような笑みを浮かべ、南方の唇を親指でなぞる。



「アンタが死ねばこっちの物さ」



【大江戸STK】



「…死んで欲しいんじゃなかったんですか」
「お望みなら今すぐ連れてってやろうか先生」
「また冗談言ってー」
「なんなら此処で襲ってやろうか?」
「すみません勘弁して下さい。…ところで、貴方は幽霊じゃないんですか?身体があるようですけど」
「ただの肉の器に決まってるだろ。無理に連れてったら恨まれそうだからな、先生が往生するまで待とうかと」
「お断りしたいんですけど」
「出来ると思うか?」
「……いえ」
「頑張って人生謳歌しろよ先生、終わったら容赦なく連れてくぞ」
「…何故私なんですか」
「餡ドーナツ美味かったから」
「はあ、」
「じゃあな先生」
「あ…あの時は支えて下さってありがとうございました……って、居ない。変な人だなぁ、」




**********************
勢いに任せたら不完全燃焼気味。
要するに吊られてる先生を負担の無いように支えてあげたいついでにセクハラしたい願望。
幽霊とか信じてないけど通行人+役人がセクハラ男を総スルーしてる様子を見てテンパる先生。
釈放された後、計ったように茶屋でばったり。
死後連れて行く発言にgkbrしながら頑張る先生と、ナチュラルにセクハラしながらSTK化する隊長のヘッドハンティング物語(違)。
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