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一体どうしたんだ。
手にしていた缶コーヒーをリノリウムの廊下に落とし、片倉小十郎は眼前に佇む來海を眺めた。
今の來海と普段の來海、何が違うのかと問われれば瞬時に答えることが出来る。


「おい…髪、どうした」
「い…イメチェンしようかなって」
「政宗様と同じくらいか」
「似合う…かな」


蒼白い顔で視線を泳がせる來海は、怯えた様子で小十郎の傍へ近寄る。
トレードマークと化していた長い黒髪が無いだけでこうも印象が変わるのか、勿体ないような気もするが、これはこれでアリだな。
一人頷く小十郎を囲うように、來海の腕が背へ回る。
公衆の面前で何をしやがると吐きかけた小言は、やけに熱っぽい群青の瞳に押し止められた。
恋人同士になり結構な時間が流れたが、未だこの手のスキンシップには慣れておらずまごついてしまう。
羞恥に頬を染める小十郎へ追い打ちをかけるように來海が口を開く。


「小十郎、一緒に風呂入ろう」
「な…ばっ…馬鹿何言って…!!」
「マジで頼む小十郎、俺の頭洗って!お前は脱がなくても良いから!入ってる間は見ててくれるだけで良いから!洗う手間かからないように短くしたし!サッとで良いから!!お願いします小十郎様風呂場で俺を一人にしないで怖いよぉお!!!!」


子が親に縋るようにぎゅうぎゅうと泣きつく來海に、そう言えばコイツ昨日怖い話の番組を見ていたな、と。


「怖ぇー…後ろになんか居たらショック死する…小十郎、頼む、一緒に入ろ。入浴剤は温泉で良いから、乳白色のバスロマンは諦めるから。上がったらマッサージつけるし、なんなら俺のビールもつけるから、な?」
「な、じゃねえだろ。お前は後で怖がるんだから見るんじゃねえと俺は昨日の晩に言ったはずだぞ。にもかかわらず、こんなもん作り話だ心配するなと笑い飛ばしたのは誰だ。挙げ句の果てに髪をばっさり切りやがって。誰が切って良いと許した」
「だって…」
「言い訳か」
「…ごめん」


うなだれた男に溜め息を吐き出し、小十郎はあやすように來海の頭を撫でる。
ちくりちくり指を刺す髪の感触に、下らない理由で勿体ないことしやがってと唇を尖らせた。


【世にも奇妙な】

(長くたって洗ってやるってえのに)
(もうダメだ俺は取り憑かれ殺されるんだ)
(ほら帰るぞ、遅くならねえ内に風呂入るんだろ)
(こじゅうろ…)
(安心しろ、お前は誰にも渡さねぇ)

誰ですかー

イ・サン最新刊まで借りてるの(-.-;)
28からが無い(*_*)
王様とソンヨンの結婚式…(T_T)

しかし愛しのグギョン様がだんだんダークサイドへ堕ちていく様子には耐えられないー…
あの妹がもうちょっと謙虚で可愛らしい性格だったらなぁ…
グギョン様があんなことにならずに済んだのに。
本当にあの冷静で切れ者の血が繋がってんのかな、妹が浅はかでバカすぎる。
チクリ魔のうえ無知だし意地悪だし性格悪いし餓鬼だし馬鹿だし…ドラマ上の演出だとしても人間性が酷すぎる。
いくら何でも酷すぎる。
韓ドラだからと言ってしまえばそれまでだけどさ。


イ・サン好きな方がいらっしゃって嬉しい限りです!
王様とかソンヨンとか三傑とかホン・グギョンとかチョン・フギョムとかチョン・ヤギョンとか…
中の人には興味ないです。
この方々が演じる役が大好きなんです。


sss

※ちっちゃい政宗様と石田兄と小十郎




「刺客でも来たのかと焦り申した」
「……面目ねえ」


伊達お抱えの忍達に腕を捕まれ、脚に縋られ、挙げ句の果てには腰やら胸やら腹やらで助けて下さい御兄様とすすり泣かれた影信がお前等の兄になったつもりはないと突っ込み、おっとり刀で来てみればそこは犯罪現場真っ直中だった。

畳にへたり込んでぎゃんぎゃんと泣き喚く裸同然の年端もゆかぬ幼子と、はだけた襟もそのままに四つん這いでうなだれる魂の抜けた竜の右目。



反射的に影信が小十郎へ絶対零度の冷たい視線を向けたことは言うまでもない。


「…漸くお休みになられたか」
「草臥れておられる様子だな」
「俺としちゃあ、何でアンタがそうも冷静で居られるのかが解らねえ」


さ行の怪しい口調で元凶のキノコ親父を散々罵り、疲れ果てて眠ってしまったちっこい主を慣れた手付きで抱え直し、影信は目尻を緩ませて柔らかく笑った。


「なってしまったものは仕方があるまい。忍に尋ねたが、幸いにもこの薬は数日すれば効力が失われるそうだ」
「松永の野郎…!」
「あからさまに怪しい書簡を面白がって開ける方もどうかと思うのだがな」
「政宗様が悪いとでも言いてえのか」
「顔が怖いと泣かれたからと八つ当たりは止してくれ、ネギを収めろ」
「くっ…」


心構えさえ幼児となってしまった政宗は、現状の把握に手間取った。
不可解としか言いようのない事態にちまっこい政宗はとうとう癇癪を起こし、詰め寄る小十郎の顔が怖い怖いとぴいぴい泣きだしたのだ。
怖いの言葉に打ちのめされ蒼白の面持ちで崩れ落ちる小十郎を横目に、小さな独眼竜の身体を持ち上げたのが影信だった。
ここで話は冒頭へ戻る。


ぴすぴすと鼻を鳴らし眠りを貪る子供の背を撫でる影信の姿は、とても良く似合っている。
慣れているんだなと呟かれた言葉に、影信はまぁなとはにかんだ。


「三成も良くこうしてあやしたものだ」


兄上兄上と雛のように慕う様が愛らしくてな。
珍しく顔をゆるめ微笑む影信に戦場での凶王三成を思い出した小十郎は、想像が付かねえと乾いた笑みを零した。



【ちゃいるど ぷれい】

「…こじゅろ」
「お目覚めですか政宗様」
「かげのぶ」
「ええ、影信は此処におります。たくさん泣いて咽が渇たでしょう、今桃を向いて差し上げます」
「…何時になく優しいな」
「何を言う。相手は子供だろう?」
「まつながぐっじょぶだじぇ…!!かげのぶだいしゅき、あいらぶゆー!ちゅーしてくれ、ちゅーぷりーず!!」

「…残念ながら中身は幼いが"あの"政宗様だ」
「…そのようだな」


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