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Fate/EXTRA×Ag ss



土の臭い、緑の臭い、人々のざわめきが聴覚を刺激する。
ここはどこだ。
瞳を見開き立ち尽くす自分の頭には、その一点だけが存在していた。



【ネオメロドラマティック】



購買で朝食の焼きそばパンを購入し、マイルームの扉を開けた自分の眼前に広がったのは、見慣れた教室ではなくどこかの町の風景だった。
図書室で見かけたことの有る極東の小さな島国のような町並みに胸騒ぎを覚え、体を反転させれば、確かに存在していたはずの扉は跡形もなく消え去っていて。

人工的でない青空を抱いた地続きのパノラマにムーンセルのバグであろうかと端末を見るも、画面に踊るのはウィルスによるバグのため緊急メンテナンス中の一文だけである。
混乱しつつも魔術回路を探れば、今にも消えそうな程に微かながら従者とのパスは繋がっているようだ。
通りすがる人たちの視線がチラチラと向けられている。

なんだこれは、
改めて頭を抱えた。

七回戦を目前にした猶予期間の後半で良かったと思う。
ガウェインのマトリクスも埋まり、残るは本番でラニの策を待つだけ。
本当に、最後だ。

震える手で拳を握り、通行人の邪魔にならないよう道の隅っこで一通り煩悶した後、踞っていても仕方がないと歩き出すことにした。
いつもカンペキ鉄面皮、あなたの隣に這い寄る蛮勇と名高い岸波白野の適応力を舐めないでもらいたいものである。
この状態がバグだと言うのならここはムーンセルの中のはずで、いずれ問題は解消されあの校舎へと戻るのだろう。
ならば少しぐらい楽しんだところで何の罰が下ろうか、いや、下らない。

……まぁ、過保護なサーヴァントの拳骨と言う名の鉄槌は下るかもしれないが。

端末をいじり、使えそうな機能を確認する。
アイテム、コードキャストは使用できるようだ。
焼きそばパンをかじりながらppを確認すると、此方も問題はなさそうである。
最も、最終決戦を控えた今となっては必要のない物であるのだが。
ひい、ふう、みいと残高を数える自分の視界を覆ったのは、あんみつと書かれた幟であった。
よく見ればそこは小さな購買の様なところだ。
赤い布が敷かれた木のベンチに、大きな赤い傘が日除けとして立っている。
店内で飲食ができるタイプらしい。

食べたい、非常に食べてみたい。

大好物を前にして自然と溢れ出た唾液を飲み下し、メニューに書かれた見慣れない通貨の単位に訝りながらも暖簾を潜る。
着物と言うらしい民族衣装に身を包んだ女の子曰く、どうやらここは「エド」の「カブキチョウ」と言う領域で、宇宙人と共存の道をたどった世界だそうだ。
改めてムーンセルの多様性に感心しつつ、あんみつを頬張る。
初めて口にした大好物は、想像以上に旨いものだった。


格子の嵌まった窓の外、1と0の無い青空に白い雲が漂っている様を感慨深く見詰める。
降り注ぐ太陽の暖かな光に目を細めると、きらりと光る何かが視界に映った。

何か、は人だった。

片袖を脱いだ着物、黒い半袖のインナー、ふわふわしたくるくるの銀髪を風に遊ばせている男が格子越しにこちらを見下ろしているのだ。


「これ見よがしに食いやがってよぉ…チクショー、あん時止めてりゃあなぁ…、俺だって今頃パフェ食い放題だったってのによぉ…」


飢えた獣のような目で瞬きもせずこちらを見据える男は、おどろおどろしい負の雰囲気も相成ってか正直物凄く怖い。
口に入れる寸前だった白玉をゆらりと揺らせば、男の青みがかった銀の瞳も同じく揺れる。
思わず、食べますかと聞いてしまったのは、男の瞳の色が何処と無くアーチャーの鋼色に似ていたからかもしれない。
数時間しか経っていないにも関わらず、有るべき物の不在にじわじわと耐えられなくなってきた自分は、いったいどれだけあの従者へ心を移していたのだろうか。
マジかよラッキーと忙しなく店内へ入ってきた男にメニューを渡し、追加であんみつを頼む。
チョコパフェやらイチゴパフェやら聞こえるが、まぁ良いだろう。


「やー、悪いねぇ奢って貰っちゃって」

……いや、一人だと落ち着かなかったから丁度良かった。


空白の隣に意識を向ければ、銀髪の男はどこぞの神父と同じ死んだ魚のような目で、あんた良いとこの坊っちゃんかと言った。


「迷子にでもなったか」


繋がっているパスを辿れども、鈍く輝く鋼と紅は見当たらない。
気づかない振りをしていたが、指摘された途端息苦しくなってくるのだから、本当にどうしようもないマスターだと自分でも思う。


多分、迷子なんだろうと思う。迎えは来るのだろうけれど、大切な友人とはぐれてしまった。


手の甲に刻まれた令呪を指先でなぞる。
最後の一画から僅に伝わる痛みと熱は、ずっと自分を喚んでいる従者の叫びのようだ。
男は困惑した顔でくるくるの銀髪をわしわしとかき回し、懐から小さな紙を取り出した。
名刺らしいよれた紙には『万事屋銀ちゃん 坂田銀時』の文字が並んでいる。
届けられたパフェの数々をせっせと口に運びながら、坂田銀時は「まぁそんなわけだからよ、」と。
先程とはまるで人が変わったように煌めいた双眸でニヤリと笑う。


「パフェの分初回サービスしてやっから、んな顔すんじねーよ」

……銀時、さん

「銀さんでいーぜ。堅苦しいしゃべり方も要らねぇよ。んで、あんたの名前は?」


随分と久しぶりに感じられる自己紹介を終えると、銀さんは良い名前じゃねーかと鋼色の瞳を緩く細めた。





(さあ砕かれた岩に祈ろうか)



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朝倉さんヤバい

トクボウのドラマ見ました。
なんだろうすごく好みにドストライク。
朝倉さんかわいい、すごくかわいい、なんだこれヤバい。なんでもっと早く見なかったんだろう、
こういうキャラだいすきです。半生なのがまた良し。
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バラガキ編で悶えなう

佐々木さんマジ森川。
異種奥州主従が格好よすぎてヤバい。
ってか真選組にエロ本の自販機あるんですね。

バスケやってる近藤さんが予想以上にスラムダンクwww

ポニ方さんは素敵だ。
とんでもなく銀魂にハマってるようです。
幼少の瞳孔開いてないトシもかわいああああ喋んな!佐々木喋んな!イヤホンなんだよこっちは!久々の森川に耳が死ぬ。

消しちゃった…

銀さん×医者設定で豆しば話一本書いたの間違って消してたよアホか。
銀しばにすりすりもふもふちゅっちゅするだけだけど。
もったいないことをした…
銀しばかわいいです銀しば。
真選組しばもかわいいけどやっぱり万屋しばが可愛い。

書きたかったとこだけ箇条書きに
・銀しばだっこ
・ひっくり返したり逆さにしたりまじまじと観察
・いじられてる最中の、やーん、とでも言いたげな銀しばのこんな顔→> <
・喋ったらぶん投げられて壁に刺さる銀しば
・救出された銀しばによるラッキーパフパフとセクハラ発言
・再度壁にめり込む銀しば
・従業員しばへの餌付け
・銀しばへの餌付け
・巣昆布とファミレスタダ券で銀しばを売る従業員しば
・お持ち帰りされる銀しば


これを、詰め込んだのに…ちくしょう…
一期一会は諸行無常だなぁ…

Fly Me to the Moon【ag】

※近藤×医者(♀)









Fly Me to the Moon



まばらな訪問客が途絶えた午後三時、女は固まった背をうんと伸ばし、小さく息を吐いた。
市中見廻りが一番隊だったからだろうか、本日はいつにも増して患者の数が多かったように思われる。
ふんぞり返る隊長さまは別格として、屈強な男たちがばつの悪そうに身を縮めている様子はなにやら可愛らしい物であるが、健康ならそれに越したことはないのだ。
打撲が三人、斬り傷が二人、バズーカによる火傷が五人、毎度毎度生傷の耐えない方達である。


日誌を閉じて、女は平たい腹を手のひらで擦った。
備品の点検をしていた助手を呼び、休憩を伝える。
小腹がすいたからおやつにしよう。
そう笑った女に、小柄な女顔の男は花の咲くような笑顔を浮かべた。


「今日は何にしましょうか先生、えっと確か、原田さんからフィナンシェを頂いたんですよ。この前の山崎さんからのマカロンも未だ手付かずですし、局長さんから頂いたチョコレートと副長さんからのおはぎ、も…」


ぎゃああああ!
きゃあああぁあきらくん痛い、眼球は痛いぞ晃くん!?
うるせぇよストーカーまた不法侵入しやがったな!?


いそいそと菓子棚を開いていた甘党の助手と誰かの叫び声となにかを殴打する鈍い音に、女は顔を上げた。
やけに可愛らしい悲鳴の癖、とても野太い、とても聞き覚えのある声だ。
女は口許を緩ませ、ぎゃんぎゃんと侵入者に噛みつく助手の後ろから棚を覗き込む。
一体どうやって入ったと言うのだろう、とても狭い菓子棚には、がたいの良い男がすっぽりと収まっている。


「こんにちは、近藤さん」


今からお茶にしようと思ってたんです。
はにかみながら頬を染め、一緒にいかがですかと問いかける女に、狭い空間にみっちりと詰まった男は身をよじらせながら快諾の意を示した。
ちょっと待ってくださいね、今出ますから!あれ、出れないな、ぬぐぐぐぐ、ちょ出れな、あれぇええええ!?
ガタガタと戸棚を揺るがしながらようやく抜け出せたのだろう大男がずるりと出てくる様は、まるでホラー映画のようだ。
夢に出たらどうしてくれるんだこのゴリラが、と。
着地に失敗し潰れたカエルの断末魔のような声を出した男を冷たい目で見下ろしながら、助手は盛大に溜め息を吐いた。
先生にも困ったものだと胸中呟きながら、助手は自らの湯飲みと夫婦茶碗へとお茶を注いだ。
貰い物の茶請けを盆に乗せ戻ってみれば、そこはすでに二人の世界である。
長椅子に腰かける男女の間には、拳二つ分の距離が開いている。
互いが互いに緊張し合っていることは一目瞭然であった。
裏返った声音で、今日は良い天気ですねとのたまう男には、窓の外が見えないのだろう。
そそそそうですね、と激しくどもる女にもまた、同じことが言えるのだろうけれども。


粗茶ですが、そう言ってそれぞれに各々の湯飲みを渡せば、面白いぐらいに泳いでいる二人の視線は二つの湯呑みを行き来して恥ずかしそうに伏せられるのだ。
独り身には辛い光景だなぁと他人事に焼き菓子をかじれば、ホロホロと崩れて優しい甘味が口一杯に広がった。


心地よい雨音が響くなか、女と男はポツリポツリと会話を交わす。
下らないことであったり、そうでなかったり。
抜け出してぇなと思う助手が今にも浮かびそうな腰を必死に押さえ付けてまでここに居座っている訳は、原因の二人にあるのだからどうしようもない。
隊士共々気を利かせて散々二人っきりにしてやろうと思っていた頃があったものだが、退席しようとする度に目の前の二人は気の毒なほどに狼狽しその場にいた人間を引き留めるのである。
曰く、気恥ずかしすぎて堪えきれない、と。
片や堅物で男っ気がなく仕事一筋で生きてきた女、片や生来の気質からか女にモテず拗らせた挙げ句ストーカーへと転身した男。
良い年の頃の男女が醸し出す雰囲気ではい、甘酸っぱくも蕁麻疹が出るような初々しさに、助手は乾いた笑いを浮かべた。
こんなんで結婚できるのだろうか。

焼き菓子を口に放り投げ、助手は気だるげに窓の外を眺める。
ちらりと視界に収めた手は、案外強く重なっているようだった。
雨は、未だ止まない。

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