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友人帳人外主

【龍神】

・夏目が小学校低学年の際身を寄せていた家(村)の近くにある、大きな祠の主
・見た目30ぐらいで流水のような長髪に、瞳の色も水色。頭には角。
・いじめっ子に追いかけ回され崖から落ち、足を折った夏目を見つけ治療
・自分の名前を覚えていない
・レイコとは無関係
・好物は桃
・三日間ぐらい一緒にいた。その間の夏目の食事はだいたい果物
・三日経っていじめっ子が罪悪感に押し潰され夏目いじめを告白→山中捜索に→無傷で桃を抱えた夏目帰宅
・村のジジ様が龍神様の御加護だと南無南無。
・記録的な大雨でこのままだと土砂崩れやら何やら大災害でヤバい
・夏目が龍神様に助けを頼みに行った
・なんとか出来ないこともないが、儀式とか生贄とかがあって初めて何とか出来るレベルだよと困惑
・夏目が承諾
・生贄にするのは嫌なので嫁入りの形を取った
・神々から婚姻の祝福に豪雨ストップ
・その後夏目は別の親戚宅へ、数年後、龍神は後釜を山に据え夏目の後を追った
・龍神間では中々に偉い人
・伸び縮み可能、夏目と一緒にいた三日間は夏目ぐらいの年齢に化けていた


sss夏目-捏造男主-

視界の端に映った人影を目線で追い、青年は首を傾げた。

青年よりも頭一つ低い背に、ちゃんと食べているのかと心配になる程に薄い身体。
色素の薄い髪がきらきらと日に輝き、女顔と揶揄される中性的な雰囲気に神秘さをプラスする。
同じクラスのその相手は、何もない空中を怯えたような目で眺めていた。
何かを払うように動く細い手足が、砂埃を立てる。

青年は、ご近所の藤原さん夫妻に頼みごとをされた先日のことを思い出した。
遠縁のこなの、と紹介された少年は、とても儚く脆い印象だった。
ふれてしまえば消えそうなその少年に、細いなぁ、と。
青年は目を細めた。
青年の年頃は誰も彼もが成長期なのだ、細過ぎて枯れ枝のような彼はもっと肉を付けなければいけない。
年が近いのは貴方だけだからと、藤原夫人は眉をハの字にした。
少年と青年は同い年な筈なのに、青年の母は豪快に笑いながら、搭子さんの頼みなんだ、しっかり面倒見るんだよと強く背を叩きながら言った。
その時は、果たして藤原さんの奥さんと己の母親は同じ生き物なのだろうかと延々自問自答したことを覚えている。


水道につっこんだ所為でびしょ濡れた短い髪を乾いたタオルでがしがしと擦り、青年は未だに独りでばたついている夏目の下へ脚を向けた。
青年は生来世話焼きな性格である為、藤原夫人に頼まれたその日以来ずっと夏目に気を配っていた。


「夏目」


素っ気ない呼びかけに、夏目の肩が面白いほどびくんと跳ねる。
色素の薄い綺麗な瞳がこちらを向き、絶望に染まり、唇が戦慄くように見えた。
情緒不安定だなぁと青年は苦笑したが、高校デビューしたばかりだからしょうがねーよなと一人頷く。
焼却炉から流れてきたのだろうか、ふわりと漂う黒煙をぱたぱたと片手で払い、青年は日焼けした精悍な顔に人懐っこい笑みを浮かべた。


「一緒に帰ろーぜ」


もやしな夏目に肉まんをおごってやろう、ついでに買い食いの共犯になってもらおうと画策する青年は、夏目の表情に鋭い双眸を丸くする。
整った美貌を間抜けに歪めた夏目は、青年を指差し、辺りを見回し、口をぱくぱくと開閉させ、唖然と立ち尽くしている。


「つ、くも…君」
「おう、何だ夏目。変な顔だなぁ」
「何で…」


眼前を覆う煙にうざいなぁと呟き、青年はまたぱたりと手を振る。
ついでに夏目の腕あたりで絡み付いているビニールテープをべりりと剥がし、掌で丸めて屑籠へ捨てた。


「何ともない…の?」


恐る恐るといった様相で己を見上げる夏目に、青年は向日葵のような笑顔を向けた。


「ん?別に何ともないぞ!」


呆けてしまった夏目の腕を引き、青年は鼻歌交じりに歩を進めた。
途中、何か踏んだような気もしたが、気のせいだろうと忘れてしまった。




【みえないひと症候群】
「あの…九十九君」
「…それ、君っての、止めろよ。なんかキモい」
「えっ、ご…ごめ!」
「九十九で良いよ、俺も呼び捨てだしな。なんならトーヤでも八ちゃんでも良いぜ」
「あ、うん。じゃあ、九十九…」
「おう、何だ夏目」
「今日、九十九のおばさん達出掛けるから、搭子さんの所に泊まるようにって言われたんだ」
「搭子さんから?」
「いや、九十九のお母さんから今朝聞いて…」
「いや、俺に言えよ母ちゃん…ああ、いいや。うんすまんな夏目、母ちゃんお前のこと滅茶苦茶気に入ってたから…」
「え…」
「まぁ俺もお前のこと気に入ってるからな!」


何かあったら俺に言えよと笑う青年に、夏目は俯き耳を赤らめた。

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