TSUTAYAで衝動買いした「黒い家」がむちゃくちゃ面白かったので、同じ作者を図書館で探し見つけたのが「青の炎」「天使の囀り」です。

「黒い家」はモロに職場の話でしたので興味深く読むことが出来ました。
保険の仕組みや盲点の説明を交えた日常から始まり、テレビでたまに聞く保険金詐欺に犯罪論、サイコパスの定義やら色々混じっていて勉強になりました。

「青の炎」は倒叙型の推理小説で、最初から犯人が判っている状態からのスタートになります。
むろん視点は犯人のみ。
与えられる情報も犯人側の部分しかないので、警察の動きや自分がやらかしたケアレスミスなんかも判りません。
完全犯罪をめざしながら決して完成させてはいけない、矛盾に満ちた形だと思います。


主人公は高校二年生の男子、家族を守るためと言う目的のために完全犯罪を目論みます。
専門知識…今回は法医学や物理の話が浅く出ました。
…が私は根っからの文系なのでその辺は斜め読みです。
電流の仕組みなぞ知らんがな。
そんなこんなで二人を殺した主人公ですがお約束通り警察にバレ、最後に妥協案を採用します。


読後の感想としては、動機も動機だし感情移入できる犯人だったので最後まで見つからず居て欲しかったのですが、見つからなかったとしても精神的に耐えられなかったんじゃないかと思いました。
罪悪感とはまた違う感情ですね、難しい。
最後のシーンで、お昼には帰るから一緒に食事をしようと言う箇所、後から思うにもう帰るつもりは無かったんでしょうね。
少しでも事故に見せかけるために吐いた嘘だったんだろうなと寂しい気持ちです。


面白かった!
次は「天使の囀り」だ!