楽しいかと聞かれたら楽しくない、面白いかと聞かれたら退屈だ。

楽しげな宴の輪に入ることが出来ないのは何故なのだろう。


人が苦手、それもある。
コミュニケーション下手、それもある。
けれど、明確な理由、と尋ねられると少し困る。


楽しそうにはしゃぐ皆、その一瞬の隙を縫って現れる壁が私は苦手なのだ。
ふと余所見をした刹那、高ぶっていた気持ちがブツリと途切れ、随分と無慈悲な壁が現れる。
私と世界を阻むソレは分厚く、強固で、融通が利かない。
一切の音と自らの感情が世俗から遮断され、まるで下手な三流映画を誰も居ない映画館の客席から一人眺めるような具合になるのだ。


強烈に『一人』を意識し、途端に居心地が悪くなる。

寂しいのは、こりごりだ。
胸の痛みも、必要ない。