「おい、茶が入ったぞ、冷めねぇうちに飲め」
「わ、ありがとな小十郎。ありがとついでで悪いんだけど、お茶請けある?
腹減っちゃって……」
「ああ、煎餅で構わねぇか……今は昼か……いいか、なるべく早く喰え」
「(早く……?)せんべえ好きだけど、」
「Hey來海、それくれ。
眠くてたまらねぇ……」
「ままままま政宗様っ!!??」
「あれ、政宗、お仕事は終わったの?」
「おふこー……す、」
「あはは、欠伸混じりだな、ちゃんと寝てるのか?」
「Ah……今から寝る、の前に茶、くれ」
「いいよ、俺はあとで煎れてもらうから。
小十郎、政宗にあげ……」
「うらぁっ!!」
(庭に向かって全力投球)
「「何してんだ小十郎ーーっ!!!」」
「(チッ)……いえ、羽虫が浮いていましたので…」
「ああああああ俺の湯飲みぃいい(骨董市の掘り出し物)!!!」
「(何か入れてた何か入れてた絶対入ってるよな小十郎っ!!)OH……気にすんな」
「湯飲みぃっ!!」
「Ah〜、買ってやるもっとイイの買ってやるから落ち込むなよ來海……
美味そうだなこの煎餅、一枚貰、」
「なりませんぞ政宗様ァアア!!!」
(穿月で煎餅真っ二つ)
「Nooooooo!!!
髪、髪っ…頬掠ったぞ小十郎!!」
(頬っぺた流血)
「どこの馬の骨が持ち寄ったものとも解らぬ代物を口になさるとは何事ですか!!小十郎は悲しゅう御座います!!」
「今まさにその馬の骨に真っ二つにされかけたんだけどな小十郎、何してたんだお前って言うか俺また邪魔したのか小十郎、」
「……俺、何食わされそうになったの、」
昼飲んで夜に効く、
怪しい商人から手に入れた、死神仕様の媚薬、兼、催淫剤。
己が下とか上とかはもうどうでもイイ、とにかく何らかの変化が欲しかった。
淫らによがる相手に跨がってみたいが、無理矢理暴かれるのも嫌じゃないかもしれない29歳。
何処かの魔王じゃないけれど、人間50年らしいから、そろそろ色々焦り始めた29歳。