改まってペラいアニメを見せられると、自分は自分で思ってたより硬派なような気もしてくる。


『シブ………? や、しょたこんでおおきいおともだちのみんなから見たらレツゴーはAVっスよ?』とか言ってすんませんでした。


なんだこの古代墳墓アメンティみたいなまったりした実況は。


これは本当にレーシングアニメなのか?


なんならまったりしたボスに至るまでに一定のアクション性を要求されるだけアメンティのほうがまだいいリズムで走ってるくらいだ。(主にトラップに弾き飛ばされた時のコンボ音が)


………………………


牛車1グランプリくらいの速度カナ?(  ̄▽ ̄)


いや、でもたしか先週500km超って言ってなかったっけ………………?


俺の聴き間違いでなければこれだけイカしたマシン使っていてこんなお通夜みたいなレースになるのは100%《音》に問題がある。


絶対にレースのペースに追いつけなそうなターン制のポケモンバトルにも劣る呑気な実況と、スピード感溢れるサウンドを極限まで削ぎ落としたえもいわれぬアンバランスさ。


マシンはレースの主役ではあるが活かせるレーサーに恵まれなければただの粗大ごみ同様、デッドヒートを十二分に引き立てるサウンドといやがおうにもテンションを上げてくる実況があって初めてレースは最大限盛り上がる。


これだけのっぺりした音で走るならもはやアニメである必要すらなくなる。むしろリアルに世界ラリーでも観ていたほうが手に汗握る。


やっぱTーSQUAREのTRUTHは名曲だよな。これぞモータースポーツのBGMってスピード感だ。


アニメーションでレースを盛り上げる鍵は言葉通り、『NAアストロレンジャーズの勝利の方程式、《ミュージック高鳴る》必勝パターン』。


それがないせいだな、やたら加速エフェクトが派手なわりに全体的に牛車1グランプリみたいな長閑なスピード感になるのは。


すいませんでした。


今初めて星馬豪の気持ちがわかりました。


たしかに





『マシンが可哀想じゃねぇか!』





としか言いようのない場面はありました。orz


すんまそん。


レース展開とせいぜいリザルトまでの絵面だけならマシンデザイン、加速エフェクト共に素晴らしい。


しかしキャラデザはおそろしくペラく、他のことをしながら音だけを聴いているととてもそこでデッドヒートが繰り広げられている感が微塵も感じられない。ヤル気のな〜いレーサー、ヤル気のな〜い実況、マシンのかっこよさと視覚から感じるスピーディさを、それ以外のあらゆる要素が総力をあげて潰しにかかっている。実にもったいない。


けど………………他に何か………………まだ足りない。


………………………………決定的な何かが。(しょた以外の)


やっぱり何度観ても《音》なんだよな。


この違和感、なんだろ。


………………………SE、かな。


カメラワークとドップラー効果の距離感、………………かなぁ?


これくらいカメラ寄ってたらはっきりギューン!てなるでしょフツー?みたいな距離のタイミングでドップラー効果効いてなくて、在るべき音がない感覚。


全くの無音ではないけど平べったく厚みがない音。視点とマシンとの距離感分の厚みが平坦に聴こえる。


当たり前だけど定点カメラで観測する視点に高速走行する物体が近くを通ったらそこには動力に関係なく必ずドップラー効果が発生するので………………。


むしろエフェクト強すぎるくらいのドップラー効果を強調しないと、言われないとタイヤ交換の必要がある競技なのかもわかんないくらいなので。


いや、今までにない新しいレースだって言うから、もしかしたらよく見たらバックトゥザフューチャーのデロリアンみたいに若干浮いてんのかなぁーとか………………………摩擦がなければ摩耗はしないから。


よく見ても轍は残ってたしタイヤ交換もフツーにしてたけどねッ!!


浮いてたら少なくともタイヤの摩擦に対しては音は発生しないけど、そこに空力が働いてる限り何のドップラー効果もないことはないかなと思って一応その可能性も検討はしました。すぐポシャりましたが。


絵面だけは一見素晴らしいデッドヒートに見えるのに不自然なほどレーシング感が感じられないのはもしかしてこれのせいかなぁ、と。


ゲームクリエイターはよく『ゲームにおいて《BGMを切る》というのは《不安感を煽る演出》』だって言うけど、そういうムンクとかキリコとかみたいなゲシュタルト崩壊系精神攻撃なんですかね、これ?


さすがアニメイズム枠、期待を裏切らないクオリティだと思います。(悪い意味で)