なかなかパンチの効いた瓦版が回ってきた。
………………………確かに育てたには育てたけど………………………
………………………そんな語尾教えてねェわ。
これがチンピラ警察24時のセンスですよ。
『公安の私服ってとにかくダサいんだよ！』って言うから、
警察が＋ダサい＝………《同期の桜Ｔシャツ》とか………？
胸に《TRF VICTORYS》って書いてあるとか（実際売ってるし）、
金魚草が雄叫びをあげてるとか（鬼灯Ｔシャツも知り合いが着てる）、
《猫と和解せよ》とか、
どんな予想の斜め上を行くテクニカルなイタさかと期待したんだが………………………
ただの襟つきのポロシャツ………………………
なんだ、そういうドストレートなダサさか………………………がっかり。
『そういう時はちゃんと《イタい》って言う。《ダサい》としか言いようがないんだよッ！』
………………………念を押された。
《ダサい》と《イタい》のレーンは、最初は並走してるように見えるが高校生くらいから超ロングストレートコースとスーパーテクニカルコースに分岐すると思った。
アインシュタインも『常識とは18歳までに集めた偏見のコレクションである』って言ってたし(-_-;)
《ダサい》か、《イタい》か。
中間は、ない。
ファッションヲタクのギャルとかは《イタい》レーンですね。
良くも悪くも確固たる信念を持ってこだわり抜いてるヲタクが《イタい》系ですから、アパレルヲタクもコスメヲタクも映えヲタクも立派なイタい求道者達です。
逆に訊きたい。何のヲタクでもない人生なんて、何が楽しくて生きてんのさ？
フォレスターウィンドブレーカーだってビクトリーズパーカーだって調査兵団パーカーだって、アレけっこう高いんですよ！？
正直普段着にしてる骨董市で拾ってきた絹織物なんかより高級品の勝負服です。
代々の総長に受け継がれる伝説の白ランみたいなものです。
たとえ初音ミクの痛車で走ってても、そのスーパーテクニカルコースを選ぶ高きプライドの何を恥じることがあろうか。
車高が高い分ワゴンのほうが側面にキャンバスが大きく取れてキャラクターを大きく描きたい場合は乗用車としては最も利に叶っている。
キャンバスの大きさだけで言えばデコトラには負けるけど、乗用車としての実用性とキャンバスの大きさを両立させるにはワゴンベースは賢明な判断だ。
君は完全なる勝利を手に入れてるじゃないですか。
………………………わたしの好みとは合わないだけで。
そして本人にとってはどんなにこだわり抜いた逸品でも、『わたしの好みに合わないだけ』のとき人は《イタい》と感じます。
それがどんなにその人にとっては完全なる勝利でも、興味のない人間が場外から無責任に放つ言葉が《イタい》なのです。
本当に無関心な人間はイタくすらならない。ただ埋没していくだけ。
だいたい痛車って生半可な覚悟では乗る資格のないカスタムですから。
たとえ新車でオートクチュールしてても、塗装を変えてるだけで納車された瞬間から扱いとしては《事故車》で、二度と通常の中古車市場には出せないマシンになります。
ウィングが独特とかそういう次元ではなく、塗装をイジってる時点で手放す時は廃車にするしかないシロモノなんです。
………………………よほどの物好きが是非譲ってくれとでも言ってこない限りは。
そんなガッツあるカスタムを施してる連中が勝者でないなら、この世に勝者など存在しない。
俺達の世界では如何に命燃やしてネタに走れるかが誇りだぜ？(-_-;)
3298（ミニクーパー）ナンバーのミニクーパーなんてかわいいものです。
ナンバーなんか何をどうしようと登録できさえすれば売る時はフツーに売れますから。
何かに取り憑かれたようにママチャリで藤岡〜館林間を毎日２往復し続けた男の4989（四苦八苦）ナンバーはさすがに笑ったけど。
………………………なんかそんなサークルあったな！！ その強迫神経症をもってすれば京都〜四国間なら賞金出るらしいぞ。
ママチャリしか使わないことに誇りを持っているならちょうどいい、そのマユミ（仮）で完全なる勝利、及び賞金を手にしろ。
ネタとしては最高だ。本当にマシン性能を全面的に切り捨ててママチャリのスペックだけで制覇したら、まさしく革命の瞬間だ。
『さあ、革命の瞬間だ！』を言うためだけに普段伸ばしっぱなしで放置している髪に厳重にトリートメントをかけて高見さん作監回くらいの無駄なハイライトを入れて冷やかしに行ってやるよ。
まあどう考えてもフツーはマシンスペックで勝負ですよね。
ソレイユ脱落組はそこに思い至るまでに無駄な体力と時間をかけすぎていることのほうが問題だと思います。
たとえ相方が生き物でも、１レース走ったらどんなに早くても２週間の調整期間を経ていなければ出走資格がないくらい人間より実際に路面のコンディションを捉える相方のほうがレースの要ですから。
極論、タイヤがブリヂストンかピレリかだけで既に勝敗は決しているＦ１のようなものです。
いくらジョッキーが武豊でも、サラブレッドのレースにばんえい馬で出走しろと言われても困ると思う(-_-;)
レースと名のつくものは大抵レーサーのコンディションよりそのレースに対応したマシンスペックのほうに重心が傾くようにできてる。
牛車１グランプリだって本当は北アメリカからバッファローを引っ張ってくることよりバッファローの走りにオフロードで耐えられるシャフトのほうがよっぽど問題なくらいで。
その点スバル360は国道の９割がオフロードだった時代に魔法の絨毯と呼ばれた奇跡のサスペンションを実現している伝説の神マシンである。
スバル360のトーションバーに幻のピンクファイアークォーツをくくりつけたらそれが一番テンションアガる魔杖、すなわち最強装備だということだ。………………………物理的にも（鉄だから）。
試しに極力歩きたがらない２歳児に棒っきれを１本持たせてみろ。北海道の大平原を走り出す程度には無限の力を与える増幅器となるだろう。
逆を言えばマシンコンディションさえ完璧なら、なんならレーサーは多少ハラ下してるくらいのほうがコンマ01でも速くチェッカーを目指す必死さが出ていんじゃない（鬼）。
ジャパンカップに出るためにミニ四駆追いかけて走る体力作りから入る人はあんまいないと思います。
マシン性能を全て切り捨てて敢えてママチャリで勝負に出るというのは、つまりはそういうことなのです。
そういう意味のないことに無駄な情熱を燃やせる手の施しようのない阿呆、嫌いじゃないです。
無駄な情熱なくして革新はありえないので。
………………………扇風機を50m往復６秒台で走らせる大人げない大人達に、よりエゲツねェ〜〜〜バンク角ありＳ字カーブありキッカーフラップありオフロードありのコースを用意したくなる程度には、特に意味のないジョーネツ、好きです。
まあそもそも扇風機を走らせることを想定したキッカーフラップの過重域に参照データが足りなすぎではありますけど、設計しろと言われればがんばってみます。
悪意に満ちたコース考えるの、好きなんです。
あらゆるコースに完璧に対応できてこそ完全なる勝利なのです。
故にわたしはイカレ………………………いや、イカシた町工場の技術革新に完全なる勝利をもたらすために、全力で悪意に満ちたコースを提案します。
こう見えて勝利の女神ですからっ！
どうやったってあなたはママチャリで走り続ける強迫神経症になっちまうんだ。ならそれは《才能》に転嫁してしまったほうがいい。
いずれにせよわたしはあなたに会って全力であなたを空回り気味なレーサーにします。
我々は運命のビークスパイダーの糸で結ばれているというわけですよ。
