眠れない……。
普段ならもう、眠気に襲われている時間なのに何故だか今日は頭も目も冴えきっている。
先刻、缶珈琲を飲んだのが原因だろうか……。明日は大事な日だと云うのに、此では寝不足決定じゃないか。
俺は溜息を吐いて、携帯を手に取る。ゲームでもしてりゃ眠くなんだろ、とゲームコンテンツを開く。
――ピロリロピロリロ
だがゲームを起動させる前に、突然切り替わった画面は着信を知らせる。
あまりのタイミングの良さに思わず体がビクリと跳ねた。
こんな時間に……と思いつつ画面を見れば、其此に表示された名前に自分の頬が引き攣るのが分かった。
「……もしもし?」
『おっまえ出んの遅ぇよっ5コール以内に出ろっていつも言ってンだろ!』
こんな非常識な時間に掛けてきたというのにヤツはソレを謝るどころか怒鳴ってくる。煩いし……何より近所迷惑だろう。
「悪い、で? 何か用?」
『心がこもってねぇぞ! っじゃなくてッオマエ明日、……なんだろ』
形式だけで謝れば煩くなる声。音が割れる通話口を遠ざけた途端、急にボリュームが下げられてヤツの言葉を聞き逃してしまう。
「ごめん、今何て? 聞こえな……」
『っだから! 研究発表ッ頑張れよ!! じゃなっ』
「……へ、」
あまりにも意外なヤツの言葉に俺が間の抜けた声を出した時には、既に電話は切れていて。
暫くヤツの言葉を反芻していれば、漸く脳が理解を示していく。
つまり、応援された、って事だよな……?
「……はは、似合わない事すンじゃねーよ」
余計、目が覚めちまったじゃねぇか。
―――――
眠れないので書いてみた……。
BLと呼ばなくてもいい、かもなんでカテゴリはソノ他で。