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堕チテ逝ク……




『ヒトを、刺したんだ』



 突然俺の家に押し掛けてきた彼はひどく冷静に、抑揚のない声でそう言った。





『……それで? 俺にどうしてほしいんだ』

 そのまま無言で俯くソイツに、それじゃあ此方も、と無感動にそう訊ねれば。

『……、俺……だって、アイツが悪いん、だ……ッ』

 明らかな動揺を孕んだ声と共に上げられた顔に揺れる二つの黒曜石に、俺は内心でほくそ笑む。

『アイツがいきなり……ッ俺、に……あんな……!! っなぁもしオマエが俺だったら――』
『もしも、なんて話……無意味だろ。オマエがアイツを刺したコトは変わり得ない』

 取り乱し始めたソイツは俺の服を掴んでくるが、俺はその僅かに震える手を無情にも振り払ってやる。
 あぁ、その絶望に満たされた表情、オマエらしくて俺は大好きだゼ。その目で見られると、俺はオマエをドロドロに甘やかしたくなるし、同時に酷く傷つけたくなる。

『仮定の話をしたところで、現状はかわらないんだ』
『……ッ』

 歪められた顔に俺はゆっくりと手を添える。困惑したカオで俺を見上げるソイツに、殊更優しく語り掛け、次の瞬間、力強く抱き締めてやった。

『行こうか』

 耳元で囁いてやれば、小さくビクリと揺れる細い肩に、俺は必死で嗤いを噛み殺す。

『……け、さつに?』
『まさか』

 不安げで、けれど覚悟したような声色で、訊ねると云うより確認の色を含んだその台詞に、俺は即座に不定を告げる。

『ッ……じゃあ、何処に――っ』

 戸惑いを隠す事の無い震える声を発するその唇を、俺は自分のソレで塞いでみる。
 常より幾分か冷えているソコは、けれどいつもと同じく恐る恐る俺を受け入れた。



『もう、後戻りは出来ない。ソレが分かってて此処に来たんだろ?』

 唇を離して告げた俺の科白に目を見開いたソイツは、次には俺に抱きつく。
 その予想通りの反応に、俺は口角が上がるのを抑えきれなかった。



『地獄の最果て迄、一緒に行ってやるよ……?』





 そして、馬鹿なオマエは俺に堕ちていくのだろう――…‥。










 ―――――

 詳細設定皆無。
 何となく浮かんだのは『仮定』のくだり。
 それ以外は付け足し。

 すべてを括って一言、云うならば。

 やっぱ意味不明。

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