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One of Dead-man's Galaxy(臨也(+伸二))

もしもDRRRの臨也とMPDサイコ(11巻)の伸二に何かしらの繋がりがあったら
※客に対する臨也の一人語り
※伸二出てきません


 お薬、と言われましても、守備範囲外なんですよね。申し訳ないんですが。ルートも幾つか知らないことはないけど、最初からそういう人を当たった方がいいんじゃないですか? え、違う? ……やっぱり、ここに来るってことはそれだけじゃないですか。へえ、家を出た息子さんが悪いお友達に引っかかって連続強姦殺人。引っかかってってレベルじゃない気もしますが、深くは聞きませんよ。吸血鬼とか呼ばれてるあの一連の事件ですよね。犯人の名前とか顔とかも殆ど出てないはずですが? いやいや聞きませんよ。親子の愛ということにしましょう。
 警察も知らない殺人犯の居所とか、殺人犯の使った麻薬の出所とか、そういうのは分からないですね。むしろ後者は貴方の方が詳しいでしょう? いえいえ俺はまだ死にたくなんかないですよ。だから薬に手は出さないんです。俺はね。
 そんなことは置いておきまして。俺より……いえ、この街で誰よりもそういうことに詳しそうな男を紹介しましょう。殺人とか強姦とか。後者は……関係ない、かな……? 肩書きは一応探偵で、探偵に相応しくないくらいの金を取られますが、どんな事でも解決してくれますよ。誰を追っていても誰を始末しようとしていても、それが家を捨てた息子でも組から物を持ち逃げした男でもね。
 ほら、この男です。ああ、この人は探偵じゃない。探偵に会う前にこの男に会わなくちゃいけないんです。符丁はルーシー・モノストーン。その男が西園伸二に会わせてくれるはずですよ。多重人格探偵に。



伸二と臨也なんて百合にしかならない気がしました

あくまでも人の範囲の中で(銀時+臨也)

Ag Soulの万事屋さんとdrrrの情報屋さんがうっかり出会っていたら


「お前らちょっと待ってろ。俺が情報仕入れてくっからよ」

 新八と神楽に言い残して、外に出た。雪の降り積もる冬の江戸。年末年始の準備で騒がしい大通りを避けて、静かで奥まった暗い道へ。残飯を貪る猫がこちらを見ようともせずに細い身体を揺らしていた。
 辿り着いたのは住宅地になりそこなった空地と廃虚の集合。今年の春、飲みすぎて酔い潰れて空地の一つに迷い込み、地面でくたばってすやすや寝ていたら、そいつの家に迷い込む事になったのだった。
 周りに誰もいないことを確認して、その男に初めて遭った時のように地面に伏せた。足の甲だけは地面につけないように、爪先をつけるようにして、うつ伏せのままノックする。地面が内側に開く。内側、と言ってもこの体勢から見ると下に開いたような格好になっているのだが。落ちることはない。爪先の位置まで身体を引っ張っていた江戸の重力は、扉をくぐった瞬間に足の裏から垂直に下へ伸びる東京の重力へ。地面のドアが開いた瞬間に、雪を積もらせてうつ伏せになっていた俺は起立の姿勢になって足元に雪を落としていた。

「二ヶ月と五日振りだね。坂田さん」

 そして、情報屋の寝室に招かれた。


 歳の割に信用できる情報屋であるということ。妙な性癖があるということ。江戸ではなく東京の新宿に居を構えているということ。名前は折原臨也であるということ。片手の指でもまだ一本余っているが、これがこの男について知っている全てだった。

「相変わらず嫌な目してるねえ坂田さん。そんな人間もアリだけど」

 前言撤回、もう一つだけ知っている。折原は死んだ魚の目が嫌い。どこかのニコチン中毒患者みたいな事を言いやがる。歳上に対して失礼極まりない。

「この写真の男について、これに書いてある以外の事を聞きたい。具体的には、今の居場所な。言うまでもないが、こっち側の男だ」
「ねえ、挨拶も無し? 相変わらず冷たいんだから……」
 折原は一葉の写真と二枚の書類を手にとって、目を伏せて笑んだ。
 こっち側とそっち側。江戸と東京。折原は方法は何一つ言わなかったが、「人外のものを弄くってたら、そちら側に繋がっちゃったよ」と言ってのけた。最初に俺がこの寝室に落ちて、お互いに色々喋った後に悪びれもなく。

『俺が愛すべき人間はどう頑張ってもこの地球上の数十億人だけだと思っていたのに、何と言うことだパラレルワールドは無限に存在する! ああ堪らない! 人間もそろそろ俺を愛し始めた頃かなあ?』

 ああもう、今思い出しても、どうにかしてるんじゃないかと思う。

「今は女の所に転がり込んでるみたいだよ。悲しくなるね。でもまあ女の一人や二人たぶらかしておけば最悪転がり込んで寝ることも出来る……みたいに言ってた人もいたしね。歌舞伎町に最近出来たキャバクラあるじゃない、そこに雨曽常星の天人の女がいるんだけど。ああ、一見人間に見えるけどあの星の住民は耳の奥が青いし、手と足の指先が常に微妙に濡れてるから分かりやすいと思うよ」
「この一年足らずで、俺より天人に詳しいんじゃないのか」
「そちら側でちょっとうろうろしてたら優しいおじさんが教えてくれたよ。こちら側でだって、自分が知りたいことしか情報は集めない。勝手に集まっちゃうんだよね。それが人間を愛するのに都合がいいからこんな仕事もしてるわけ」

 折原は聞いていない事まで喋る。俺の数倍は軽く超える。情報屋がそんなことで良いのかと思うが、情報になっていないのだからいいのか。

「はい、女の住所。部屋番号も書いたから。いざとなったら壊しても大丈夫だと思うよ。その腰のそれとかで。そう言えば、木刀は持ち歩いてて良いんだ? 廃刀令には詳しくないんだよね、俺」

 何が面白いのか、折原は肩を震わせて小さく笑っていた。そして小さな紙切れを差し出して、笑声を止める。にやついた唇はそのままに。俺が手を伸ばすと、ひらりとかわされた。

 何が面白いのか、折原は肩を震わせて小さく笑っていた。そして小さな紙切れを差し出して、笑声を止める。にやついた唇はそのままに。俺が手を伸ばすと、ひらりとかわされた。

「渡すんじゃなかったのかよ」
「そんなことは言ってないよ」
「代金はツケといてくれや」
「そんなことも言ってない。……ねえ、仕事の話は終わったんだから遊ぼうよ」 住所を控えた紙を握りつぶしたその手で俺の腕に直接触れてきた。雪の中にいた俺より冷たい。江戸と東京は半年くらい時差があるからこっちは夏のはずなのだが、冷房が効きすぎている。

「折原、お前は俺が物珍しいかも知れねーがな、俺は使えるモンは使うってだけの理由でここに来てんだ」
「そう言わないでよ本当に冷たいなあ……そんな風に殺しをしたの? 白夜叉は」
「……何のことだ」
「こんな俺でも一応情報屋だよ。今は銀さんとか呼ばれて親しまれてるんだってね。銀ちゃんだっけ?」

 背伸びをして俺の首を抱いた折原は、初めてまっすぐ俺の目を見た。

「ああ……俺さ、その目をしてるアンタなら、愛してあげられるよ?」



雨曽常はうぞつねと読んでいただきたい
特徴は勿論、名称も捏造です
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