スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

没にした新年帝臨冒頭

 実を言うと、パソコンの起動を待つ間に年は明けてしまっていた。冬休みに入ってからバイトのために電源を入れっぱなしにしていたのを、作業が一段落ついたところでようやく電源を落とした。暖房も必要ないくらいに熱を持ったそれがよく熱暴走を起こさなかったものだと感心しながら、冷却を待っていたら、年の変わる一分前だった。何をするでもなく、ただただ苦笑しながら電源を入れ直す。
 あっけない、とは思うが、一人の時点であっけない。新年につきものの初詣に行く予定もないのだ。
 ふと、思うところがあっていつものチャットルームを開いた。一緒に過ごす人のいそうな人はいないだろうけど、甘楽さんならどうだろう。いや、あの人はこういう時だからこそ、人間観察をしているかもしれない。……いや、そんなのは言い訳、単に会いたいだけだ。でもそれを自覚したまま期待して、会えなかったときに落ち込む自分が容易に想像できて少し笑った。
 結論から言うと、甘楽さんには会えなかった。
「明けましておめでとう。帝人君」
 臨也さんには、会えた。


オフの友人の為にここまで書いていましたが、没。
1月ですので…

来良の教師陣涙目(波+臨)

 家主に頼まれて郵便物を投函しに行っていた波江は、情報屋の住処に帰ってきた。珍しいことに臨也は慌ただしく動き回っており、姿の見えない臨也を探してデスクへ近寄ってきた波江を見つけると、上階のソファから身を乗り出して、お帰りでもお疲れでもなく「どこやったの」と言った。
「何の事?」
「今日の為に買ったやつ一式。ほら、選んだとき波江ってば、似合わないって笑って……」
「あなたの部屋じゃない?」
「え、俺の部屋入ったのエッチ」
「…………今日の夕飯を楽しみにしていなさいよ」
「怖いなあ。毒ならシズちゃんにどうぞ」
 パタパタと足音を立てて自分の部屋へ臨也は戻る。ごそごそと頭上で動き回る音を聞きながら、波江は一杯だけコーヒーを淹れる。暫くして階段を降りて来た臨也を視界に入れぬまま、波江は声をかけた。
「見つかった? そもそも持っていったのはあなたなんだけど。あと、どうせ紅茶だと思ったから何も……」
「ああいいんだ。もう出るから」
「あら、今日は仕事を入れるな、って言ってなかったかしら」
「そっちこそ俺から聞いてなかった? 仕事を入れるな、妹達の三者面談に出席するから。って」「……え?」
 波江の呟きは臨也の言葉と服装に向かって飛ぶ。覚束ない手付きでネクタイの位置を整える臨也はスーツを着込んでいた。
「聞いてないわよ」
「じゃあ今言った。留守よろしくねでも俺の部屋には入っちゃだめだよっ!」
「気持ち悪い」
 波江はコーヒーを一口飲み下し、上着を脱いでシャツの襟を立てネクタイを結び直す臨也の背中に声をかけた。
「親御さんは?」
「両親は海外にー……ってそれなんてエロゲ? って感じだよねえ。それで中二病が増えるんじゃないかな折原家は。やりたい放題だもん」
「知らないけど」
 ネクタイをほどいたときに床に落とされた上着を拾ってやった波江は閉めた玄関の鍵を開けた。臨也は不満げな表情でそれを受け取る。片手ではまだネクタイを弄っている。見かねた波江が口を開く。
「……結んであげましょうか?」
「ありがとう。でも、ただ単に首が苦しい気がするだけだから」
 臨也は上着を羽織って、扉を開けた。
「この格好なら先生も安心するんじゃないかな……?」



臨也と部屋はアニメ、波江は原作イメージで

魚と(波+臨)

「波江、ちょっと任せたい仕事があるんだけど」
 日も暮れかけた時に、雇い主はそう言った。時計を眺めて、椅子に貼り付いているんじゃないかと思うくらい動かなかったパソコンの前からようやく腰をあげた男はすたすたとキッチンまで歩いていく。
「冷蔵庫開けて魚出して。頭ついてるやつ。出したら捌いて頭捨てといて」
 キッチンの隅に小さな椅子を置いてそこに腰かけた男は言った。手際を監督するのかと思ったら、そうではないらしい。こちらを直視しないように目を逸らしながら、時々私の手元を盗み見る。
「……終わった?」
「終わったけど、次は?」
「ありがとう。後は俺がやる」
「……え?」
 確かに簡単な料理くらい作れるのは知っていたけれど、コートの代わりに着たエプロンに違和感がありすぎる。
「この目が、どうしてもね」
 一先ず私が三角コーナーの中に投げ込んでおいた魚の目を包丁で一突きして、男は笑った。
「たまには自分の思うままのご飯にしようかなーって」

長雨と退化にやられて死ぬだろう(静←臨)

(※小学校教師パラレル)


 朝から雨が降っていた。春雨は校内に満遍なく降り注ぎ、桜の花びらを叩き落とし、プールに波紋を広げ、運動場をぐちゃぐちゃにしていく。シズちゃんの声が雨音に混ざって聞こえた。忌々しいなあ。

続きを読む

ノーペインノーゲイン(静←臨)

 神様の話をしようか。似合わない? 笑わないで欲しいなあ。平和島静雄という男と暴力とを等式で表せる根拠のお話だよ。何で神様なのかって? シズちゃんは人間じゃなくて暴力だからだよ。
 神様は人間の思い上がりを正す為の罰として暴力をお造りになられた。力を持つ者を絶望させる為に。それは力を持つ暴力自体も例外でなく、暴力という一つのモノに絶望させる為に暴力に人の入れ物をお与えなさった。それで辻褄が合わないかな? だってシズちゃんは、これじゃあ人を愛せないって絶望するんだ。これはもう、神による罰だよね。
 俺がシズちゃんに愛されようとするのは全知全能たる神とかいうものに逆らってみたいからなんだ。結局、平和島静雄という名の暴力を通して神に罰を与えられているけれど。
 でもね、最初に俺が笑われたように、俺は神なんか信じちゃいないんだ。シズちゃんの暴力で神はいないと確信したよ。

個人的静←臨イメージ暫定版

嫌い嫌い大嫌い。似合ってない名前も嫌い。一見優男な容姿も嫌い。常識人ぶった若者敬語が嫌い。全部嫌い。だから死んでよ。
シズちゃんがいなかったらもっと俺は人間を愛してた。でも、シズちゃんがいるから俺はもっと人間を愛してる。シズちゃんが死なないから殺すし、シズちゃんが死ぬから殺さない。だってシズちゃんは死なないし、でも死ぬだろ? いずれ死ぬ人物に深く関わっていたくないの俺は。人間を愛してる俺は人物に縛られない。シズちゃんは俺のことだけ考えててよ。縛られるのは俺じゃない。
嫌い嫌い大嫌い。シズちゃんの全部が嫌い。だから簡単に死なないでよ人間らしくならないでよ。

Sultry Night Mind(ワゴン組+臨)

(※前二つの続き)
(※狩沢さん寄り/blもいける臨也注意)

「ひゃぁああっ!?」
 何か大きなものが窓から飛び込んできた。思わず悲鳴を上げてしまう。
「狩沢さん大丈夫っすか?」
「う、うん、平気」
「っぶねーなあ……」
「何だ? つーか誰だ?」

続きを読む

Sultry Night Wind(静+臨)

(※一個前の続き)


 取立てが終わって建物から出ると、和服の男が立っていたが考える間もなく臨也だった。
「シズちゃん遅い。どれだけ手間取ってんの」
「臨也……何でここに」
「この服装に気づいてほしかったな」

続きを読む

Sultry Night Sound(波+臨)

 出勤したら雇い主がいなかった。この隙にプライベートな部屋を覗いてやるかと思ったのに、セキュリティが堅くてどうにもならなかった。

続きを読む

サニーデイ(静臨♀×♀)

(※先天性女体化注意)
(※シズちゃんと甘楽ちゃん)
(※下着ネタでキスとか@来神)

「あれ、シズちゃん珍しいね。可愛いのつけてる」
 自分の着替えを途中放棄して近寄って来た甘楽のじっとりした視線に目潰し。避けられた。舌打ち。どうしてこいつはいつもこうなんだろう。

続きを読む

<<prev next>>