俺のことが好きだと言ってのしかかってきた金色獅子は俺が嫌だっつってんのにも関わらず更に抱き締めようとしてきやがった
「離せ、離せっての慶次!」
「照れなさんなよ」
「照れてねーよっ、嫌だって言ってんだろ」
「いいじゃないか、何でそんなに嫌がるんだい」
「暑いし重いし、何より野郎にのっかられ抱き締められそうなこの状況に耐えられねェんだよ!」
「あんたはもう少し我慢ってもんを覚えた方がいい」
「あんたに言われたくないね。それにこれは我慢じゃなくて、俺の上に乗っていいのは女性だけっていう…うあ?」
俺の腰あたりで格闘していた俺の手と慶次の手
慶次の手が突然俺の手を握り返してきた
驚いて動きが止まった俺の一瞬の隙をついて、慶次が首筋に顔を埋めた
「う、わわっ、やめ、やめろって慶次!」
抵抗しようにも俺の手はがっしり握られてるわけで
慶次の力に対抗出来る奴なんか、多分本多のおっさんくらいなわけで
それをいいことに慶次は俺の首筋を舐めてくる
女性なら大歓迎なのに、生憎この厚く大きな舌は正に獅子そのもので
「けぇじぃ…」
自分でも気持ち悪い甘ったれた声で名前を呼ぶしか出来なかった
「なんだい?」
「…くすぐってェ」
苦笑混じりにそう言うと、更にべろりと舐められる
優しく丁寧に舐めてくる舌先とは裏腹に握られた手はきつくきつく掴まれて
(ったく、)
俺のことが好きだと言ってのしかかってきた金色獅子が執拗に舐めている俺の首元を食い千切るのはいつなのだろうと考えた
黒い羽も優しく折って、大きな手で捕まえてて(離さないで)
―――――
何気に初獅子×鴉(なのにちょっとバイオレンス)^^←