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待っているよ、仕方ないから(コタ赤)

「…まだか」

「まだだよ!あーたりぃ!」

「フー」

「つかお前なんだよ、お前もプレゼンの調べもん?」

「いや、僕は終わった」

「けっ、優等生なこって!オラァ笑いにきたならとっとと帰れ」

「…邪魔か?」

「そりゃもう、目障りなくらい」

「フー…そうか……」

「…」

「なら僕は先に帰」

「赤羽ァ」

「?」

「やっぱ、待ってろよ」

「構わないが…何だ、邪魔じゃないのか?」

「っいいから!手伝え!」

「……フー」

「あと一緒に帰んぞ、判ったな!」

「そういう音楽性は好きじゃないが…待っているよ、仕方ないから」

「……いやッ手伝えよ!」

「早く済ませてくれないか?」

「てっめ…!やっぱ邪魔だ!でも待ってろ!」

「…だから早く済ませてくれと言ってるじゃないか」



手ェ繋いでいい?(水筧)

「筧」

「何」

「寒い?」

「寒い」

「鼻赤いよ」

「うっせ」

「筧」

「何だよ」

「俺ン家寄ってかね?肉まんあるよ」

「んー…まァいいけど」

「はい決定〜!じゃあついでにさ、手ェ繋いでいい?」

「は!?何でそうなる!」

「駄目?」

「……ッまァ、いいけどっ」

「ンハッ、筧〜顔赤いよ」

「うっせ!」



届けばいいのに(デイ→サソ)

「旦那ぁ」

「ンだよ」

寒ィっつってくっついてみた

(ああ畜生寒すぎるぜ、うん)

「俺から暖はとれねェぞ」

クツクツと喉の奥で笑いながら旦那は言った

「ンなこと、知ってる、うん」

「テメェも無駄なことするのが好きなんだな」

「無駄じゃねェよ!うん、多分」

相変わらず旦那はクツクツ笑っていて

(ああ畜生冷てェな、うん!)

せめて

「せめて、オイラの熱が、旦那にまで届けばいいのに」

「無駄なことだな」

「知ってるってば、うん」

ただ嗤うだけの人形の躯を抱き締めた。



雨も充分寒い(鷹鴉)

「雪を見たことあるか?」

「あるよ、何だ突然」

「へぇ…この辺じゃ雪なんざ滅多に振るもんじゃねェのに」

「…見たのは、キルヴァスでもフェニキスでもない」

「そりゃそうだろうさ」

「…外は雨か」

「こりゃ帰れねェな」

「帰れ」

「雪降らねェかなァ」

「そんなに雪が見たいならデインにでも行ったらどうだい。今なら腐る程積もってるだろうよ」

「違ェよ、もっと寒くならんか、っつぅことだ」

「無理だな」

「無理か」

「いいから帰れ」

「寒くなりゃそういう口実でお前を抱き締められるんだがなァ」

「…いつも問答無用でしてくるくせしてか」

「寒いと人肌が恋しくなるもんだろ」

「はン…雨も充分寒いだろう」

「……こりゃあ雪を待つ必要ねェな!」

「自惚れるなよ。…そうだが」



お互い判んなかったらしょうがねェって(峨円)

「何か嬉しそうだね」

「判るか」

「判るよ」

「まァそういうことだ」

「やっぱし喧嘩か」

「最後まで殺意の衰えないいい相手だった」

「いい相手だった、じゃ・ね・ェ・っちゅう話だよ。あんまり揉めるなよ、出場停止くらっちゃ本末転倒だろ」

「フン…。で、お前、その花、またか」

「判る?」

「判るな」

「力哉には悪いけど、泥門戦でもきっと力哉に最後まで向かってくる奴なんざ、いねェよ多分」

「判らんぞ、一人…楽しみな男がいる」

「判りたくもねェっちゅう話だよ…」

「俺もお前の用意周到な悪趣味、判りたくもないがな」

「お互い判んなかったらしょうがねェって…さて」

「行くのか」

「全ての敵に花束を。ってね」



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