《世を忍ぶ仮の姿、それは……》
“フォールンレーヴの悪魔”（堕ちた夢→夢堕ちの悪魔）と呼ばれる我輩の、人間界での仮の姿のひとつにラーメン屋台の店主がある。
何でラーメン屋台の店主か？というと、まぁ、何でもよかったんだが。他にも必要に応じて化けるし。だが、ラーメン屋台の店主をしていると、店主と客という立場での何気ない会話のなかで、悪魔とでも契約したいという人間の欲望が吐露される場面に出くわすことがある。
我輩にとっての商売ネタだな。後日……場合によっては当日中に……別人を装ってその相手に近づき、相手が本気であることを確認したら契約をするわけだ。その時に悪魔としての正体を知らせるかどうかは、相手と状況次第だが。契約なので、ハッキリと命懸けであることの確認はしておく。
