〈2024/2/7(水):捨て猫ラブストーリー0〉

《捨て猫ラブストーリー》

──出会いは突然に──

「どうしてだろう? ぼくたちは初めて会ったはずなのに」

『なんで? わたしたちはさっき会ったばかりなのに』

「ずっと前から知っていたような、ほっとする空気感」

『なつかしいような、胸がぎゅっとして切なくなるこの感じ』

「どこかで会っていた?」

『どこで会っていたっけ?』

「だとしたら、それはいつなんだ?」

『それは何日? 何週間? 何ヵ月? 何年前の出来事?』

「考えても、答えは出てこない」

『考えたら、答えを作り出してしまう』

「きっとこれが運命的な出会いなんだろう!」

『ただの偶然を必然と思って、運命だと感じちゃう』

「これはぼくが思ってるだけ? きみはどう思う? どう感じた?」

『これはわたしが感じているだけ? あなたはどう思う? どんな答えを望むの?』

これは偶然出会った捨て猫に一目惚れした、デジャブから始まる男女の物語。

※※これはフィクションです※※