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【学生戦争】一話

舞台は日本。
とある日に各学校のトップの争いにより日本公帝国軍 通称:白軍、大和皇国鎖環連合 通称:黒軍、インペラトル 通称:赤軍による戦争が始まった。
その戦争に参戦するのは大人では無い、学生である少年少女達だ。
人々はこの戦争を『学生戦争』と呼んだ。

これは『学生戦争』に参戦する少年少女達の話。







武器を持つ右手が震える。
攻撃が出来なければ戦場では生きていけない、と卒業した先輩から聞いたけど…やっぱり私には無理なのかもしれない。
標的はすぐ目の前なのに。

「……や、やっぱり…訓練用の人形でも…絶対無理です…!!」
「茅場りみ、失格。次」

私はため息をついて肩を落とし右手に持っていた武器を納める。

「りみにはまだ攻撃は無理かあ…卒業まではまだ時間あるし気にしちゃダメ、なのです!」
「うぅ……ちかちゃん…」

慰めのつもりで私の頭に軽くチョップをする黒髪に緋色の目の少女、玉依ちか。この学校に入学した時に知り合ってそれ以来の友達。というかほとんどサポートしてもらってる。

「でも、そろそろ攻撃出来ないと留年になるかもよ。りみは救護の腕は一人前なのにねぇ」
「うっ…」
「メイスで殴ったぐらいで人は即死しないし大丈夫だと思うよ。刃物で心臓グサはさすがに死ぬけど」

言葉の刃物が私にグサッと刺さったよちかちゃん。彼女は私が失敗する度「気にしたら負けなのデース!」と言ってくれるけど、さすがにここに来て二年も経っているのだから、そろそろ攻撃出来ないとなあって思ってる。
私の武器、メイス。新品のようにあまり傷付いてないのは、私が戦いであまり使わないから。いつもは避けるか他の誰かが助けてくれるからだ。
私はとある出来事がキッカケで人を攻撃していない。あれは、とある日…

「つぎゃあ…!!」
「りみー、別世界に行ってたでしょー?」

ちかちゃんにコツンと頭を叩かれて我に返る。辺りを見回すともう訓練は終わったらしく、クラスの人たちは解散していた。

「昼間から白軍との戦争あるんでしょー。やだなー、ちかは昼寝しないと生きていけないのに」
「あはは……」

学生戦争のルール、戦争は午後から。死んだ命は仕方ないが、救える命は救う。だから私が所属する救護班は重要。
今日は白軍から予告が来ていたから、午後からの授業は無しでずっと戦い。

「マルマルヒトマル。玉依提督は愛と友情の詰まったメロンパンを頬張る時間なのです」
「ちかちゃん、週に二回はメロンパンだよね……って、もう買ってきてる」
「朝早くに学校来て、メロンパンとっておいてって言ったら購買の人が残してくれた」
「…へえー……」

訓練場の近くのベンチに座って、私は作ってきた弁当を開ける。一人暮らしだから料理は出来て当然、なわけない。簡単な料理しかマトモに作れないし初挑戦の料理は作るのに二時間もかかる。

「このまま昼寝したいわー」
「そうだね。戦いなんて疲れるだけだか」

訓練場から私の言葉を遮るような爆音が響いた。白軍の奇襲かと思い警戒して訓練場を覗くと、訓練用の的に穴が空いていて、その前にはバズーカを持ってる赤茶色の髪の人がいた。
その人は私達に気づいて笑顔で手を振った。黒軍でも無いのに普通に敵の訓練場を使う度胸が凄い。

「ちーす。りみりん、ちかりん」
「こりゃー、また派手にやってくれたなあ」
「いやー、ちかりん褒められても困るわー」
「いや褒めてないから。褒めようとも思ってないよ」
「今日はどうしたの? 五月雨くん」

彼こと五月雨くんに問う。
彼は赤軍の一般部隊所属で白軍の人とも黒軍の人とも友好関係が広い。楽天的な性格だから、友好関係が広いんだと私は思ってる。

「暇だったからねえ。で、黒軍の今日の予定は?」
「…午後から白軍との戦争、かな。はあ……戦争とかやだなー」
「良いじゃん。好きなだけ武器使えるしさ」
「私の鞭剣威力は強いけどさー、長いから超引きづるんるん」
「ちかりん、牛乳買ってこよっか?」
「五月雨くん絶許ギルティ!! 身長高すぎてもデカ女って言われるだけだし、お前はソロモンの悪夢でも起こしとけ!」

私は二人の話に着いていけずあはは……と、苦笑いで答えた。
艦これの話はわからない、うん。

「今日は五月雨くん一人?」

もう一つ質問すると五月雨くんはクスッと笑った。意味深だ。

「わからない。もしかしたら神南が来てるかもね」
「 かっ…神南さんが!?」
「つーか赤軍暇人多すぎでしょ」
「暇人じゃねーよ、あまり予定の無いフリーダムな組織だよ!」
「=暇人なのだよ」
「ちかりんの自由気ままな性格には着いていけないや」

この二人の会話は何かわからない用語も飛んだりするけど和むなあ……と思いながらぼーっと聞いてると、ケータイの着信が鳴り出した。

「……もしもし、救護班三年の茅場りみです」
『奇襲班一年小城です』
「あ、シオンくん。……どうしたの…?」
『諜報部から白軍の襲撃予定時刻の情報を受け取ったから。確か十三時過ぎぐらいに襲撃予定らしい。だから昼食が終わり次第、ちかと一緒に第六部隊の会議室に来て』
「わかった、ありがとう」

通話を切る。
ちかちゃんに伝えようと二人のいる後ろを向いた時、武器有りの地獄の鬼ごっこが始まっていた。
ちょっと待って、一体何が。

「購買の人の愛と友情の詰まった私のメロンパン返せぇええ!」
「よし、ソロモンの悪夢見せてやる!!」

…何しているんだろ。

「ね、ねえ! どうしたの?」

私が聞くと二人は

「五月雨くんが私のメロンパン盗った」
「ちかりんが鞭剣振り回して追いかけてくる」

と言った。
心配した私が馬鹿だったかも。

「えっとね…ちかちゃん、シオンくんが昼食が終わり次第会議室に来てって」
「メロンパン盗られた。腹が減っては戦は出来ぬ」
「私の卵焼きあげるよ」
「やったー」

私がちかちゃんに卵焼きをあげると、ちかちゃんは五月雨くんに「ざまあ」と言いたそうな顔で五月雨くんを挑発した。この二人仲が良いのか悪いのかわからない。

「りみりん達はこれから会議?」
「…うん。そうっぽい」
「へー、俺は観光か何かしてくるわー。またね!」

そこに置いていたバズーカを持って壁を乗り越えて五月雨くんは観光に行った。

「しっかし、あいつはギルティ。食べ物の恨みは恐ろしいっつーこと教えてやらねーと」
「…五月雨くんに盗られたの何回目だったけ?」
「今日で十五回目」
「さすがにそれはギルティだね」

私もさすがにやりすぎだ思った。

「よし、りみ! 出撃するよ!」
「もういいの?」
「うん。シオンの奴、男のくせに時間に煩いし」

さあ行くかー、と言ってちかちゃんは背伸びをしてすたすたと歩き出した。私はそれを追いかけるように着いて行く。
ちかちゃん、歩くスピード早い。







「…来た。今日は遅刻無し」
「男のくせに細かい」

ストップウォッチを持って会議室の椅子に座ってる少年、彼は小城シオン。帰国子女でしかも頭脳明晰、頭の良さは黒軍で一番。
無愛想だけどさすが帰国子女、というべきなのか、人に対して優しいし頼み事したらやってくれる。

「ねー、数学の宿題教えてー。まだ時間あるでしょー?」
「今から第六部隊の作戦会議。戦争が終わってから」

チッと舌打ちしてちかちゃんはロッカーにどこから持ってきたのか謎の数学ノートをしまう。

「えと、白軍は十三時襲撃予定だよね…?」
「ああ。白軍の奇襲班は毎回変わった戦法で来るから…こちらで新しい計画立てようと」

シオンくんがばさっと校内マップを広げる。
赤いペンでバツ印を書いてるところが今までの奇襲位置。白軍の奇襲班は、正門以外のところから攻めてくるから…

「ちょっとカンケー無いこと言うけど、りみのリボン解けてるよ」
「あ……ホントだ。どこかで引っ掛けちゃったのかな…?」

ちかちゃんに指摘されて髪を結んでるリボンを結び直す。

「てか、あいつから貰ったそのリボンずっと付けてるよね」
「うん。宝物なんだ……」
「まあ…"あいつ"は裏切って逃亡中だからな……」

私たちの言う人物、去年ぐらいに黒軍の司令官に重傷を負わせて逃亡した裏切り者。私が付けてるリボンはその人から貰った。

「捜索して何故裏切ったか尋問するって、トップの人言ってたしねえ。しかも私たちも裏切り者の行方を追えって…めんどくさー」
「大変だよね……」
「…話を戻す。だから今回は俺たち三人それぞれの持ち場に着いて、白軍が来たらケータイか何か使って伝えろ」
「おーおー、さっすが黒軍学力トップ・シオンくん」
「「「っ…!!」」」

突然窓側から声が聞こえて私たちは身構えた。
そこにいたのは窓から入ってきたのか、バズーカを持った五月雨くんがいた。

「さ、五月雨くん…!?」
「いきなり失礼。…んー、そっちが援軍呼ぶまで黒軍は三人、こっちは十数人」

その言葉で私は悟った。
私の表情を見た五月雨くんはニヤッと笑った。

「各部隊、配置につけ!! 標的は黒軍第六部隊!!」

廊下側から足音が聞こえてくる。
ちかちゃんとシオンくんは警戒して、武器を持つ。

「驚かせてごめんね、これは赤軍奇襲班の作戦なんだ。さて、戦争始めようか!」

赤軍の奇襲により黒軍と赤軍の戦争が始まった。







同時刻。
焦げ茶の長い髪をポニーテールにまとめた少女が同じ部隊の仲間を連れて、赤軍の奇襲を眺めていた。

「ざっと十数人ぐらいですね〜。バズーカでドーンっと殺っちゃいましょうか」
「…ライフルの弾丸、準備完了」
「で、いつ出撃するんですか星先輩」

後輩と思われる少年がポニーテールの少女、星に言う。

「そうねえ……黒軍と赤軍の戦争もう少し見たいわ。どちらとも弱った時に襲撃するの。…ふふっ、とーっても楽しみだわ」

星は狂気を秘めた赤い瞳で黒軍と赤軍の戦争を観覧した。



あとがき。
学生戦争ったーで診断して私や友達をオリキャラにした小説。
一応シリーズです。イラストとかはTwitterに載せてたりするので茅野のリンク集から、茅野のTwitter開いて見てみてくださいな。
さて次回は、全面戦争勃発!?

……とかね((
そして小説の腕がさらにガタ落ちした。

【学生戦争】キャラ紹介 黒軍

*茅場 りみ(かやば りみ) 三年


黒軍に所属する救護班三年生の女子生徒。使用武器はメイス。臆病で内気な性格だが、怪我の手当てについては詳しい。実は誰にも言えない秘密を抱えている。実は隠れ腐女子。

容姿…こげ茶のおさげ髪を紫のリボンで結んでいて、目は碧色。黒軍の制服に黒のニーハイ、ベージュ色のブーツ。


玉依ちか(たまい ちか) 三年
黒軍に所属する切り込み隊長を務める三年生の女子生徒。使用武器は鞭剣。自由気ままな性格で、軍のムードメーカー。艦これの話とアニメ(ノラガミ)が好き。りみのフォロー役だったりもする。

容姿…もみあげに飾りを付けている黒髪セミロングに、目は緋色。黒軍の制服に紺のハイソックス、茶色のローファー。左耳に赤色のピアスを付けている。


*小城 シオン(おぎ しおん) 一年
黒軍に所属する奇襲班一年生の男子生徒。使用武器は残馬刀。男前な性格で、不器用だが頼まれたことはやる。頭の良さは軍で一番。日本と外国のハーフだが日本語は普通に喋れる。

容姿…焦げ茶の髪に目は金色。黒軍の制服に茶色のローファー。左耳に紫色のピアスを付けている。
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