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第***次 ベジタブル大乱闘(一ヶ月ぐらい小説書いてなかったんでリハビリ)

静かになった夜、このとある厨房では戦争が始まるのであった。

「隊長! パプリカ軍が戦争を仕掛けてきました!」
「よろしい、ならば戦争だ。お前ら武器を持て…!!」

冷蔵庫から出てくる緑のモサモサ、彼等は人間の皆が見たことがある、嫌という程見てきた…特徴的なあのブロッコリーである。

「野郎共ォ! 今日の目標は我等の領土(冷蔵庫)からパプリカ無くすぞ!!」

そしてブロッコリー達は進撃し始めた。野菜達は皆、この戦いをこう呼ぶのであった。


『第***次、ベジタブル大乱闘 〜反逆のモサモサ戦〜』







ブロッコリー司令官は台所からパプリカの奇襲を監視。
隊長は部下の一般兵ブロッコリーを引き連れて、爪楊枝を持って進撃準備。

「赤色の……おい! パプリカ軍の奴等が来たぞォ!!!!」

隊長と一般兵は武器を構える。

「行け!! パプリカを一つ残らず駆逐するのだ!!!!!」

隊長の進撃合図で一般兵ブロッコリー達は一斉にパプリカの集団に突撃した。

「甘いなモサモサ!! パプリカ軍、切り込めぇええ!!!!」

パプリカ軍も進撃して、ブロッコリーとパプリカの全面戦争が始まった。午前2時のことである。
転がる仲間達の屍、こみ上げる悲しみすべてを乗り越えてブロッコリーとパプリカは追撃する。

しかし! パプリカ軍の方が多く有利だった。特徴的なモサモサが無くなり、地面に転がるブロッコリーの屍。生き残った幸運なブロッコリーに残るは、絶望と悲しみだった。

「所詮、ブロッコリーはモサモサしてるだけの野菜だな!! 残りの奴等にトドメをォ!!!」

命を散らす覚悟で正面からパプリカに立ち向かう生き残ったブロッコリー達、その時…思いがけない出来事が起こった。

「待たせたな、モサモサとシャキシャキ共ォ!!!!」

白い、先端に丸っこいモノがついてる彼奴…そう、呼ばれてない誰も待ってないのに登場したのはえのき茸軍だったのだ。
高笑いするえのき茸に対し、ブロッコリー軍とパプリカ軍のほとんどが…舌打ちをした。また厄介な奴が出てきた。

「あー……出てきたなヒョロヒョロ」
「なあブロッコリー軍、あのKYなヒョロヒョロどうする?」
「決まってるだろ…!!」

隊長のブロッコリーがゲスになった瞬間が、これだ。

「この時だけ俺等が団結して、何か腹立つヒョロヒ……えのき茸軍をぶっ潰す!!」

ゲスい考えに反論は無かった。この時だけ、ブロッコリーとパプリカは団結してえのき茸に突撃するのであった。
恐れることもなく、とびっきりのゲスオーラ全開で。







10分後、ブロッコリーもパプリカも残るは隊長だけとなった。最後まで共に戦った仲間は無残に屍となり、ブロッコリーとパプリカの謎の団結突撃でえのき茸は登場しておよそ3分で絶滅した。御愁傷様です。

「おいモサモサァ…! ここは隊長らしく、一騎打ちで勝負決めようぜ……!!」
「望むところだ…! 滅べパプリカァア!!!」

両軍の隊長は軍の誇りを守るため、己の命を賭けて突撃した。




「…っていうボードゲームが白軍で流行ってるらしいので、借りてきました。神南も呼んできてるから黒軍の皆と俺等でやろーよ」

赤軍の少年、五月雨が楽しそうに言う。

「今日は休戦してやりたいネー…切り込み隊長も息抜き必要、これテストに出るよ」
「ブロッコリーとパプリカのボードゲームやりたい!」

ちかと燕は興味に示している。一方、りみと梓音は言葉に出来ないような感情だった。

「…先輩。何故ブロッコリーとパプリカが戦争を」
「私もわかんない……ね、ねえ五月雨くん。ブロッコリーはパプリカに因縁があるの…?」
「実際には無いっぽいけど、何か面白いじゃん? なわけで皆でレッツプレイ!」

いつの間にか準備が出来ていた。
ちかと燕が好奇心の目で見てきたため、りみと梓音も渋々参加することにした。



その数日後、ブロッコリーとパプリカのボードゲームがいろんなところでヒットしたとかしてないとか。



*反省
久しぶりです。
息抜きとリハビリのために学戦の番外編書いてみました。今回も展開が迷走してました。そして短い。
燕ちゃんは本編ではまだ未登場ですが、二話ぐらいに登場させたいなーと。
Twitterで時々語ってるので創作関係はそちらを((

彼彼女の時間は止まったまま。

「…とー、や……? ねえ、私の声、聞こえてないの? …また寝たフ……リ……でしょ…? …透弥ぁあああああっ!!」

俺の身体の前で泣き叫ぶ、彼女の姿を見て気がついた。
……俺はこの事故で死んだのだと。

「……ごめん、時雨っ………!」

どうして俺達は、こんな形で別れないといけなくなったんだろうか。









それは、今日の自習の時間。

「はい! 透弥先生問題です!」
「どうした時雨? あと何故先生…」

突然前の席の時雨が振り向いた。数学の教科書持ってる…この時は彼女が漫画を隠して読んでる。透弥にはすぐにわかった。
透弥はノートを書くのをやめ、シャーペンを机に置いた。

「暗殺教室から問題、E組で初めての殺せんせーの触手を殺ったのは誰でしょう?」
「カル」
「フルネームで」
「赤羽カルマ」

透弥が答えると彼女は嬉しそうに笑顔で「正解!」と言った
透弥もつられて笑顔を浮かべた。

「おいおい、そこのリア充ー。いちゃつくなよー」
「悪かったな彼女いない歴17」
「うっぜ」

クラス中でも可愛いと評判の彼女もいて、共通の話題で笑いあったりできる仲間もいて、良い成績も一応キープできていて、彼にとって今の人生が一番幸せと呼べる時期だった。

「あー…透弥、この前借りた漫画今度返すわ。何だっけ、巨人やら奇行種やらを駆逐する漫画」
「ああ、進撃の巨人か」
「そうそれ! サシャ可愛いよな!」
「俺はミカサ」

透弥と隣の席の男子生徒(吉本)が漫画の話をしてると、時雨がバンッ! と透弥の机を叩いた。

「ど、どうしたんだよ時雨…」
「吉本くん、それは違うよ!!」
「…ああ、言い忘れてたけど時雨はアルミン派だ。しかもダンロンネタ乙」
「さすが透弥! 私のことわかってる!」
「当然だろ?」
「おーおー、さすがリア充」

吉本の一言でクラスの人達が笑う。
クラスの人達は透弥と時雨が付き合ってるということを知っても、冷やかさずに受け入れてくれた。
…もう終わりが近づいていたことに、彼と彼女は気づかずに。
そして、自習の終わりを告げるチャイムが鳴った。





「ねえ、もし願いが叶うならさ、透弥は何をお願いする?」

通学に利用しているバスのバス停での待ち時間に、時雨からの唐突な質問をされた。
透弥は微笑して、

「このまま、ずっと時雨と一緒にいられますように、って俺なら願うな」

と答えた。

「…ふふっ、私も! 一緒にいられますようにって言うと思う! あとね、もし透弥が神様になって、願い叶えてもらうなら私は……」

少しの間があって、何を言い出すかと透弥は思った。

「この世から数学を消してほしいなー……とか」

期待してた願いじゃなくてガクッとなった。そう言えば、時雨は数学が苦手だったか。そんな透弥を見て時雨は楽しそうに笑う。
そんな会話をしてるといつの間にか時間は経っていて、バスは来ていた。
バスの座った席はもちろん隣。
他の乗客は寝てたり、いろんなことをしていた。そして乗客達を乗せてバスは発車した。
しばらくの沈黙。
その二人の沈黙を時雨が破った。

「明日も一緒だよ、透弥…」
「ああ……」

そんな二人の日常は脆く崩れた。
……運、使い果たしたのかもしれない。
透弥は最期にそんなことを思いながら、何かが突き刺さったような鋭い痛みが襲う中、彼は今、息を止めた。



「あれ、エンリル出かけるの? って、ここいるのわたしとあの禁忌神だけになるじゃん」
「ちょっと出かけてくるわー。あ、禁忌神は昼寝してるからセドナはゆっくりしてていいよ。俺、すぐ帰ってくるから」
「うん…わかった」

エンリルと呼ばれた少年はセドナという少女にそう言って、その場を去った。
彼が向かった先は学校のようなところ。
人が気がつかないように高いところに登ると、窓際の花が置かれた席の写真を眺めて話しかけるような素振りをしてる少女が見えた。
写真の中では一人の少年が笑顔でVサインをしていた。
そんな少女の姿を見ると彼は自然と涙腺が緩んできたようで、知らない間に涙を流してた。そして彼は涙を拭ってフッと笑った。

「…最期の時も愛してた、今もずっと愛してるよ。時雨」




解説は追記に書いてます。
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