2020年は
ベートーベン生誕250年の年でした

全世界でベートーベンのコンサートが
無数に予定されていたはずです

でも
このコロナ禍にあって
開催されなかったものが多くありました

楽しみにしていた聴衆が
とても残念に思ったことはもちろんですが
コンサートが中止になり
お仕事を失った方々にとっては
ただ残念ということに留まらず
それは死活問題でした

収入だけでは無く
お仕事の意義を問われている気がした方も多く
精神的なダメージに繋がることも
きっとあったことだろうと思います

2020年は舞台芸術の芸術家の方々にとって
これ以上ない困難な日々だったに
違いありません



後半は少しずつ演奏会が催されるように
なってきましたが
まだまだ多くの制約があり
とても大変な日々は
これからも当面は続くのでしょう

そんな2020年の終わり
今日は第九を聴きに行きました

行かない?と一緒に
チケットを買ってくれた人がいたのです

ホールに入ると
ステージの広さに驚きました
ディスタンスを保つために
奏者の間が広くとってあるのです

ソリストは中央の前では無く
舞台下手のバイオリンの後ろ
合唱団はさらにディスタンスをとり
その前には高いアクリルパネルを設置

こういうことになるのか…
緊急事態宣言以降で
交響楽団のコンサートは初めてで
これまでとの違いが胸に刺さりました

演奏家の方々は皆さんマスク
吹奏楽器の演奏家の方も
ご自身のパートの演奏がないときはマスク
合唱団の方々もマスク

ディスタンスと
アクリル板と
マスク

交響曲はステージで
多くの音がひとつになって響いてくる
そういうイメージですが
これだけのディスタンスでは
ひとつになる物理的な点がない…

素人が聴いても
普段の第九とは印象が随分違いました

どれだけ難しい演奏だったのだろうか
としみじみ思います

音は空間を立体で伝わり
普段とは違う空気感を醸しました
聴衆を含めての不思議な一体感でした

演奏が終わっても
誰もブラボーとは叫びませんでした
スタンディングもありませんでした

ただただ
拍手だけが静かにとても長く続きました
誰も席を立ちませんでした
感涙する人もいました

この一年のことを
多くの人が思い返したことと思います
行きたかったコンサートが中止になったことを
思い出した人も多かったと思います

2020年ベートーベンイヤーの最後に
こんなコンサートに来られたなんて
幸せなことだと思いました

コンサートを開いてくれて感謝です

来年は
演奏家の方々の活躍の場が
少しでも戻ってきますように…

感染予防対策をして祈っています