今日:2 昨日:6
合計:1877
2023/01/19 09:03
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○生チョコのアイスのごとく勧めたい恋するじかんを味わうひととき

○向かいではチョコのソフトに舌を出すもうたまらないこれが恋する

○チョコふたりバニラふたりのチョコソフト爪はピンクの挑発負けない

○薬膳のきのこスープをのむおんなピラティスかヨガわたし水炊き

○大石の彼女のしっぽが出て来ないわたし猫なのニャンとかしないと

○なかなかに彼女のしっぽが出て来ないわたし猫なのニャンとかしないと

○ドーナツの穴に聞けなき恋のことチョコになんだかどちらを選ぶ

○ドーナツの穴は地球の大きさよあなたが決めるのこれからのこと

○ハニートーストというアルバムを少しめくって頬に手を添ふ

○別れたる人は大学四年生注文したのコーヒーゼリー

○コーヒーと彼のたのんだアップルパイ文学の坂けふのぼりけり

○私たちトーストしたりパンのようたまにかまってバター乗せてね

○お互いをのぞいて見てるチョココロネいま食べないの春にゆられて

○ケンカしてふたりならんでカンパーニュ君買われるのこの春ひとり

○武骨なるパンの季節のうまそうなイケメン君とふぞろいの君

○胃袋の女王に届くこだわりの君やじかんの声と聞くなり

○自家製の青い器の上のカフェ春ふんわりと君アイブロウ



2023/01/19 09:02
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○ハロウィンの菓子待ち灯すランタンに月給取りの父待つ娘
----- Original Message -----



11:03
○ハロウィンの街のやさしく蜜柑の色匂う夕陽に赤トンボ飛んだ

○ハロウィンの街のやさしく蜜柑いろ月給取りの父駅にをり

○仮装して父待つ駅の蜜柑色昇る階段荷物の増える

11:04(これはきょう)

★メッセージヒマなとき軽く更新(age嬢/ホスト)
https://icecreamicecream69.seesaa.net/?from_sp/

【マイケル若水のblog】

○鎌倉の駅のホームの青き海わすれてもよき心地よき風

★大石短歌會

○百点や九十くらいは取れるけど億万一点なかなか取れない

○受け取った言葉なんてどうでもよくわたしはけふもメイクをしている




○ゆび元の恋も重さも月の下そういえばけふアイコンかえたの

○今どきの彼女のように繋がりてときどきなにか不自由となる

○雨の日のだれも届かぬ傘をみて汚れたくちをすすぐ雨の夜

○雨音のリズムに愛のあればこそわたしの中の雨を知ってる

○春おはる恋はダリアの君に似し窓辺の雨にいまわかれ来て

○駅にまつあるのは空と夏草のたおれて雨のあとの知るらむ

○君とぼくアニメのやうな線を引く踏み切り海のふたり下車せり




○いまに散る人びとの染む山桜その幹ふとくひとりたたづむ

○空萌ゆる桜の道のこのごろの雪も桜も残るこのごろ

○その身をば武家の甍にあと少し契るは君の枝垂れ桜の

○風の吹く田畑の染むるエドヒガン君名の桜下に待たるる

○霞む日の花の色そむ山桜祠の他になんぞ語らづ

○せせらぐは桜並木のそのままの曲がる思いの向こう岸かな

○いにしえの春風さそふ山桜越ゆるも道の命なりけり

○下萌ゆる空に残るは雪の陰見渡す山の春は今より

○幾重にも桜の道の霞たる列車に君の姿はななく

○風つよく桜並木の霞たる花さそはれて君おぼろなり

○忘られぬ人の名前のさくらとは花はしらねど身にまとひけり

○君の見つ桜のおくの島々の戻る桜の大木の下

○馬も見ついまは根元のやはらかくゆく人の見つ大山桜

○やまの田のなにを思ふか山桜朝霧にたちその身うつして

○君のいぬ今年のけふのしだれたる桜の花の春をながめむ

○ちる春をただただ白き眸にて花のレールに君も霞て

○約束の武家に染むらん山桜かすみも春のきみをのこして

○石垣のさぼりて近し若楓すはれて雲に風となりまし

○青葉ゆく五月の風も六月の風もいつぞや秋もちかしか

○月かげて肺の病の辺に咲ける愛薔薇色の青銅となり

○ただ白く朝日にせまるつむ山の気圏の底に夕日澄み染む

○コンクリの五月の風の漂泊の病の空に胸痛みあり

○愛切の目に新しく身は遠くしづくの湖に郭公の鳴く

○痛みあり遠くわれより囀りの近くも空に郭公の声

○青春の小路の径の語り合い野ばらの花の道をまたゆく

○瞳には崩れる砂の白浜のいのちの沖に鳥騒ぎをり




○散る花の大きくゆるる雪山の笑いし君の姿なくとも

○花色の互いに春にほろびける想いもいまもかわらずに咲く

○東北のふりてつもれる冬月夜灯すあかりのレモン道なれ

○どこまでもつづく涙は月の山秋なれば君鹿のいふなき

○南国の浜に暮づむ防波堤われゆく道を眺む人など

○ちはやぶるわれを思いし伊勢のすぎて思ふはけさのもとの波かな

○洩る月を心の空ですくいあげ三十一文字の花で色つく

○さびしくもこころの月を空にして三十一文字を花と思えば




○さびしくも瞳の黒を空にして汲む星星のひとり春の日

○さびしくも瞳の奥を空にして汲む星星のひとり春の日

○寝て覚めて夢かうつつか君の涙磯にうちつく伊勢の波かな

○寝て覚めて夢かうつつかわが思ふ涙も月も伊勢の波かな

○寝て覚めて夢かうつつか伊勢の波こぼるる珠も月と見しかな

◯この空を書斎がわりにキスをして好きというには知っておきたい




◯一房のぶどうを受けてそよぐ風招待状は好みの香り

◯頭上には花に島ゆくはちみつの船に青さのわたしの自分

◯城壁と聞いた諸島に立つ広場あの日にもどすこの宝島

◯旅人の胸に輝くブローチがひまわりも咲き目を細めてる

◯夕立の賑わふ店をふりぬけて濡れてもほんとに夏をしている




◯みな悲しだれもが下のけふの雨ときどき恋にレモンを落とす

○あの夏の仕掛け花火もくちびるの形ことばも胸に残れる

◯彼のこと好きだったけど感覚の好きは黙って君を見ている

◯あなたものこれはわたしの目が覚めて恋して誰も悪くないのに

○夕顔の花にビキニの浜の風肩に背の向く隠す背の実の

○浜風の吹き抜く軒のしたの妻の抱え枕に開く夕顔

○手にとりし栞に残るのら猫の君待つ駅に芽吹くたらのめ

○白つめの君恋おもふ春の雲少し消えゆきいつ文の頃

◯風しげるそらに残せり雲はまたわれのこころの知らぬひとかな

◯つつましく箱根に咲けり梅の花その君もとに参りけるには

◯目のまへの川にかかりし人の世のながれの跡も夢のゆくへも

◯青葉ゆく光の渦もすみすみてほころぶ人の触れて花かな

◯朽ちて尚たづねる人の筆をおくうつろふ花の花をみるべく

◯朝鳥の声に旅立ひともいるきみはいづこの散る花のした

○よき歌は語りかけたる月のよにただひと足を照らすことのは

○行くひとも行かざるひともながむるは霞みたなびく初桜かな

○一年の中にこそあるこのイヤミちょうどいっぱいのカクテルグラス

○ローズマリー身は星空の海底の父故郷の青ゆられいく

◯おみくじが良くなかったとしても私の手の中の大吉

◯朝の林檎をむねの高さまであなたの恋は確かめてないけど

○十六才を抱きしめて青空電源をいれちょっぴり泣いて

◯ボーイフレンドと聞くたびに数少ない激しい夏にあなたがいる

◯髪の毛を切ってやっとインスタにいいねがついた甘い夜が好き

○泣いたよるキライキライといったでも好きだということ

○プレゼントは何もないけれど私の前を彼も歩いて行く

○いまのこと大好きなひとに大好きと二十二歳の水を汲む朝

○いまのこと大好きなひとにありがとうと二十二歳の水を汲む朝

○誕生日にケンカをしていた今年も彼は名古屋に来ない冬の日

○誕生日がつづく十二月春は恋を鏡に映った自分

○いいそびれたうちが東京に出てきた誕生日の空色のした

○いいそびれたうちが東京に出てきた誕生日に見た空色

○誕生日に小悪魔になりたくて寝て起きたらやっぱりダメだった朝

○君を呼ぶこの身は春のやうな冬の朝の誕生日

○十二月の誕生日冷たいケータイに好きだよの文字

○冬の朝の誕生日恋は春に寄りかかってみたいと思ったの

○雪の朝の誕生日恋した帰りやっぱりわたし好きだといおう

○ご機嫌斜めの君の誕生日彼がよんでる春雪のように

○好きだと言われるのはなんどでもいいエクレアを眺めながら待つ

○癒しがあるとすれば去年の夏も君はそんなことを言った

○挑戦していたキライといったあの夏も君の声好きだった

○夕方の鉄道ケーキつぶれちゃったけどあなたを見つけ走った

○発車音言いそびれたあの夏いつも立ち寄るカフェの前で

○三つ編みにした親友の手が彼の手ならいいと思った春の日

○照れていた彼の黒も青と白の風もあの夏がすべてだった

○息白くページをめくる頬に風やっぱり君を考えてしまう朝

○言葉では表せないこともあるでも愛してるが聞きたいの

○目玉焼きにクレソン苦かった珈琲の思い出


このあたりは20156?なにか挑戦してマッス^^

○器の向かうに君がいて手を伸ばすと涙が落ちる

○茶器を包んだ手に涙ポタポタまた君を思い偲ぶこの吹く風に

○紫の野に君をみたあの日から立ち止まりまた振り返りみる

○透過する涙の色はきつとあなたを抱きしめた時のガラスの光

○美術館の帰りの電車は夏風あの風景が君の声

○おねねと呼ぶ花落つ音の幾程かこの身の果てに思ふ花あり

○コタツを出したよるいつの間にかに寝ていたひみつの恋は朝の光

○親友が投げキッスをしたあの夏の海はきっとすべてが青色

○アイドルや女の子とやり取りする彼わたしは誕生日を迎える

○はちみつにパンケーキ親友が大阪に帰ったスポンジに負けない勇気



2023/01/19 09:02
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切れ

○小麦のようにどこまでもつづく青太陽のように彼は立っていた

○アルルの空を絵画で知った彼はわたしを連れてタイムマシーン

○あの夏の心を満たす村で見た葡萄の瞳君酔いしれて

○心を満たす葡萄と君の瞳を見たあの夏のカフェテラス

◯二人で買った皿に乗っているオムレツの物語

○絵の具で線を書いた人はパステルカラーカフェの誘惑にケーキを取って

○絵の具で線を書いた人はパステルカラーカフェにまた待たされて

○好きだと言う人を抱きしめてそれはまるでキャラメルを包んだ

2023/01/17 15:20
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寒酒

○寒酒や長居は野暮と心得し
○そうもいかぬ付き合うほどに寒の酒

2022/12/31 06:58
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良いお年をー^^

2022/12/30 23:56
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海鼠

○世の中の意気がりを背に海鼠かな
○忘れたる恋に冷たき海鼠哉
○あざむきて海の王子の海鼠かな

寒蜆

○白砂に物脱ぎ捨てて寒蜆

海胆

○電磁波のムラサキウニや月に立つ



○酔ふほどに蛸や口より漏れでたる

牡蛎

○生牡蛎や肌のこぼれて服装師
○生牡蛎の胸元しろし四十路かな
○生牡蛎や襞のドレスに彼ふれる

寒鮃

○外海のここは最果て寒鮃



○本枯のひと削りして鰹船

秋刀魚

○口元の苦み処女のさんまかな
○細い秋刀魚ばかりの君逢ひし道



○御普請の新吉原も鰆かな

ずわい蟹

○山陰の化粧鏡やずわい蟹
○コロツケの脚つらぬいてずわい蟹



○亡き母や妻うつくしく蝦夷鮑



○黒鮪ミイラのごとく泳ぎけり
○おまかせを素朴なけしき鮪かな
○海流を具現化したる鮪哉

桜鯛

○端正の面はやして桜鯛
○桜鯛すてて帰るや許嫁

初鰹

○舌上にひと削りして初鰹



○松の重めくる暖簾のうなぎ哉
○料理屋の娘年ごろ鰻食ふ



○聖獣の勇魚なげだす天の森
○なげだした勇魚せいなる天のつの
○奥州に鯨跳ねたる平泉

海豚

○人数の限られてをる海豚かな
○尻の岡われ出港の海豚かな

ずわい蟹

○北陸の湯に癒されてずわい蟹
○湯あかりに甲乙つけづずわい蟹

桜鯛

○まな板に進路おふなり桜鯛

河豚

○愛嬌のふくと好みの末期かな

栄螺

○不登校生徒のごとく栄螺寝る

若布

○新若布男女や顔の照れかくし

海苔

○焼海苔の変換ただし光かな

海鞘

○塊りて介護保険のごとき海鞘

昆布

○万葉の黒髪の女や昆布狩
○鍵をして恋のうまみや昆布長し
○献上の昆布なによりも好ましき

秋刀魚

○宮古よりとどく秋刀魚や恋の歌
○大量の秋刀魚のあぶら綾里崎

螢烏賊

○まついかや流れて網を青白き

白子

○天上の風に吹かるる白子かな

初鰹

○胃袋に白浪たつや初松魚

鹿尾菜

○定食ののれんの浜やひじき狩

若布

○櫂こぎるゆらで小舟の若布かな
○青春の櫂うつくしくわかめ飯
○もの作る日本の朝やめかぶ汁
○叩きたる和布蕪の朝や工場群

保立貝

○やぼなこと聞かづ先ずくえほたて飯
○陸上の選手のごとき保立貝
○具合よき荒波くぐる保立貝

栄螺

○ほのぼのと肝の太さやさざえ飯
○戦争のごとく栄螺や膝を打つ
○戦せりごとく栄螺や膝を打つ



○蛤や一手一手の犬吠埼

桜蝦

○平和なり富士の噴火や桜蝦




○暁の鮪あかりやもたれ見る

白魚

○白魚や白神の水あつめけり
○白魚のすくふながれや白神山
○白神の主すり抜けり白魚漁

白魚

○白魚を女上手のゆうべかな

海蘊

○海人のうでのもずくやながれけり

飯蛸

○飯蛸に恋の仕掛けもなかりけり

鮟鱇

○鮟鱇に結納の儀を伝えけり
○政治家のごとく鮟鱇吊し切り



○はたはたや上目づかいに神の山
○はたはたや漕ぎ手も恋の鍋あらひ



○鄙びたる宿の自慢や鱈の汁
○大関のあらぶる海や鱈料理



○立山のなみだの如く鰤や氷見
○鰤網の声に横綱足むける



○真鰯や姿をかえてさつま揚



○銀色の面おどろきぬ鮭しぶき



○蛸むいて海ホルモンの噛むや月

海鞘

○海鞘の身の風塊や海の殻
○オレンジの乳房かくして真海鞘かな
○複雑な数式をしる海鞘の殻

岩牡蠣

○岩牡蠣や金づち叩く顕微鏡

田螺

○世捨てたる田螺に月の明かりかな



○むらさきのあかつきの鮎水まろし

落鮎

○落鮎や火ごとに群れて夜の闇



○流れゆくバナナの皮や鮎の留守
○萬葉のかほる姿や囮鮎



○集落のまな板上るさくら鱒



○那珂川や鮎邪魔せずに立ちこめる



○北限の猿やかがやく鮪崎
○氷水の鮪のこして恐山



○越中の国府飽かずや寒の鰤

栄螺

○南蛮の兜のごとき栄螺かな

桜鯛

○湯の浴びて一際の瀬や桜鯛

穴子

○真穴子やころものごときめしの上

赤貝

○赤貝や海の果実のうら若き

馬鹿貝

○馬鹿貝や愛嬌もあり舌をだす
○馬鹿貝や上総の波の渚ゆく

牡蠣

○むき牡蠣の腹にいそしむ手持感



○銀の背の岡にのぼれば伊豆の海



○全国の鮪よせたり恐山

太刀魚

○太刀魚や素朴な君を愛しけり

花烏賊

○花烏賊や夢にまことを差す赤酢



○あはれやな蟹のグローブ締まりけり

蝦蛄

○上品な采配に義や蝦蛄捧ぐ

河豚

○虎河豚の神やならまし豊後富士



○メドウサの美しきころ鱈白子



○ドローンの画素白長須鯨かな
○小鯨の都市あたらしき暮しかな

寒鯉

○寒鯉をすすめる佐久の男かな
○寒鯉や米沢の女性すすめ来る

寒鮒



○鍋底の蟹つきだして十勝川



○仇物の肝をひやすや鰻めし
○特上の芝居ひらくや鰻めし

落鮎

○落鮎や温故知新の水の中



○ふんわりと雲かはらずの鰻かな



○何事や鮭に味なし一大事

穴子

○唐物の朱やぬけだして穴子丼

秋鯖

○秋鯖や近江番所の目にとまる
○秋鯖や京の遠ても十八里
○秋鯖や足の速くて十八里
○秋鯖や京の包みの木版画

2022/12/30 23:50
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春の星

○春星のながれてゆくや水鏡



○凩の炒るものなにや音すなり

雲海

○雲海やなみ裏島の何やかも

青嵐

○青嵐に問いただすことなかりけり
○青嵐やもふあたらしき我のこと

五月雨

○退屈な音の窓辺や五月雨

秋の空

○耳の裏ものさびしくて秋の空

雪催

○乳癌にマスターの声雪催
○お土産の角のつぶれて雪催

梅雨

○下校時とどける梅雨をしのびけり

春の雨

○ビニールの透けて男女や春の雨
○綺麗事ほんのならべて春の雨

春の虹

○束の間を一歩またぎて春の虹



○奉還のゆるる心にあられ哉

虎が涙雨

○嘴を真直ぐに立て虎が雨

時雨

○春日野の鹿に宿かす夕しぐれ

秋風

○大和路や近江の人と秋の風



○降る雪や黒髪の切る人しづか



○木枯の大河の北は蝦夷地かな

北風

○北風や富士をみちびき反時計



○東北を過ぎし崩れて霰かな



○指のあな臥して雪ふる音もなく
○稚拙なる一句そえたる雪の奥

○舟につむ峯動かざる比良の雪



○大空の音やくまなく霜の朝
○神々の気息の月や霜の声

夕凪

○夕凪や夢一門の波の底
○夕凪や兵どもが夢の君
○夕凪や歯黒の君と参りける
○夕凪に歯黒の君や夢のあと

春の夕焼

○地上には春の夕焼毛越寺



○こけしこの形のちがいや雪の夜
○こけしこの雪や稲庭うどんとす
○こけしこや雪の寝あけぬ湯沢かな
○稲庭の雪にこけしこならびをり

雪華

○舟に抱かれ古河の名残の雪華かな
○利位の雪をうしろに顕微鏡
○天保の朝一巻に雪華かな



○一枚のゆきや完全予約制

春の雷

○春雷にうつ船の背や伊勢の海
○春雷に数珠もたしかに今宵かな

初雪

○初雪や貸してほしいと彼のこと

春の雨

○春雨や硝子の玉のやはらかし

初雪

○初雪や見知りの居なき月の穴
○初雪や居並ぶ面に白き穴
○新雪や弓刀に満つうす明かり

春日和

○竹林や人あらはれて春日和

春の日

○春の日やうまい菓子あり犬会議
○春の日や一言そへて菓子合戦

名月

○名月やのれん汝の金のこと

後の月

○落書きや女小便のちの月



○酒買ひに月に猫出や揚屋町

稲妻

○いなづまや夜のほのかに江戸の耳

寒波

○電線に漆たれけり大寒波



○降る雪や朝鮮に居る人のこと
○新潟の雪半島に降りにけり
○降る雪や今年の祝ひいたしましよ



○凩や憎しみをこむ石や飛ぶ

時雨

○翁病んで静かをぬらすしぐれかな



○雪踏むや明かりの中の土踏まず
○美しきあかつき厨ゆきの原

初雪

○初雪や笑いかえしてはにかみぬ
○初雪やわらいかえして一重なり

名月

○名月や南都北都の関還らず

春の風

○匿名に一首のこして春の風

春の雨

○平壌の傘落としけり春の雨
○代行にソウルまきこみ春の雨

冬の空

○韓国や一発あてて冬の空
○平壌の美しき君冬の空
○身心や大和の君に冬の空
○身心や大石くんに冬の空

夏の空

○読み書きをモスクの青に夏の空

春の雨

○すつぽんの語らぬものや春の雨

2022/12/30 23:50
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新年

○新年をわがものとする梢かな

初春

○初春やききしはじめの歌枕

正月

○正月やさかのぼりけり衣川

今年

○ささやかな五輪塔の今年かな


2022/12/30 23:50
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牡丹

○ぼうたんのつかでかさなる岩絵具
○ぼうたんのうちかさなりし岩絵具
○ぼうたんのさよかさなりて岩絵具

万作

○万作や詮索もせず恋のみち

山茶花

○山茶花や身を焦がしたる杜の下

紅梅

○紅梅や風に与一も花の下

枯芒

○おざなりに狐施工や枯尾花

南天

○南天やみどり児の眉出たりけり
○南天やたたまれてをり唐衣
○南天やパトロンの茶のぬるみけり
○南天や添へて主人の語呂合はせ



○切橋のねぶかのひげの早さかな



○据風呂に水落としたり藤の棚


蓴菜

○蓴菜のこぼれて罪や空の碧

水仙

○水仙やみちこの帰る路地細し



○朝夕の衣や風の透く茸
○茸持しかつてや君の道を踏む

松茸

○松茸の声もらしけり絹を裂く

枯蘆

○枯蘆や一杯をのむまた一杯

大根

○大根や白湯かんばしく煮えたぎる

枯芒

○枯尾花風や千里の影法師



○闇すかす京のあたりや韮畠

林檎

○カタカナのリンゴや下に置いてヲリ
○猫つこに花こにめんこりんごかな
○限りなき世界の部屋に林檎哉
○林檎星落とすひと針こぎん刺し
○蒼空に林檎うかべてこぎん刺し
○丸盆に林檎かわいや津軽塗

杉の花

○虐待の数かぎりなく花粉症
○喫煙所マッチすりたる花粉症
○すんなりと若々しさや花粉症
○すくいあげ黒きレースや花粉症
○部屋干の黒きレースや花粉症
○部屋干や手すりをなでて花粉症
○想像を膨らませをり杉の花
○午前二時ゴメンとおくり花粉症
○一本の老樹のゆれて花粉かな
○人間のかなしき性や花粉症
○すれ違ふふたりつぶやき杉の花
○素足する女の恋や花粉症
○先客や缶をのこして花粉症
○アパートの鍵わすれたり花粉症
春の薔薇

○隙のある男の好きや春薔薇

夜桜

○夜桜や遺言のなき美貌也

2022/12/30 23:49
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大晦日

○米沢の駅前にをり大晦日

除夜

○年の夜に米沢織や弓の張り

秋の夜

○指垢のつきて遠しや夜半の秋

余寒

○本懐も江戸にこれはと余寒あり

春めく

○春めいて若旦那さま遊びけり

花時

○花時や猫のしろけて綱渡り
○コツトンの少しちいさき花支度
○花時の静に拾遺や水の月

夏の夕

○東京の19時の音や夏夕べ

夏の夕

○礼拝の礼儀ただしく夏の夕

涼し

○大福や皇居もけふの涼みけり
○うな竹の上野の鐘を涼みけり
○涼しさや切子糀のかぶら寿司

夏の夜

○大正の手摺おもたく夏の夜

早春

○早春の道道をゆく北奇貝

晩夏

○墨烏賊のねつとりと濃く晩夏かな

春近し

○ミル貝の浜遠からず春近し

一月

○一月の水深のおく金目鯛

涼し

○海老おどる手桶の門の夕涼み

夏の色

○白海老や雨晴しけり夏の色

夏深し

○印籠の烏賊のかつてや夏深し



○相州の月そそぎをり寒の酒

小寒

○小寒や道場に塵一つなき

大寒

○大寒や生けるるものの美しき
○大寒に鱗の端や暮れのこる

寒の入

○電線に素性知らぬや寒の入

如月

○如月や持続可能をブロツコリー

清和

○ピーマンや肺蒼穹に清和せり

神無月

○松島につまらぬ人や神無月

師走

○ころげたる芋やしはすの京雀

去年今年

○坊主酒を琵琶にむさぼる去年今年

春の宵

○すれ違う面は狐や春の宵

短日

○短日や狐の面の街の中



○容貌をつらぬく冬の景色かな



○盆栽や夏のけしきのおそろしき

春を待つ

○魚ひれを炙りし友や春を待つ

冬の朝

○長靴のもうぬれてをり冬の朝

九月尽

○東京の体臭もはや九月尽

春の夜

○雨傘をとどけてくれた春の夜
○芳しき店素通りし春の夜
○春の夜や傘のわすれて妻読書
○春の夜や傘のわすれて恋盗む
○春の夜や傘の忘れて別れゆく

朧月夜

○朧夜や傘のわすれて専門店

秋深し

○石山の月の硯や秋深し

春の宵

○春宵や下駄を貸したる神の顔

秋の夜

○秋の夜に懐さぐる狸かな

寒さ

○石ころに眼うごかん寒さかな

夏の色

○国荒るるたび琉球や夏の色

小寒

○小寒や銭も電子もなかりけり

寒の内

○身を売るも落ちて水のむ寒の内

肌寒

○春秋やけむ長城に肌寒し

冬の暮

○平壌を未来の都市や冬の暮
○冬の暮ソウルの灯りきえぬけり
しばれる

○しばれるや朝鮮汁に天日塩

春の暮

○ピンヒール一つのこして春の暮

魚氷に上る

○諏訪の湯や魚氷に上る所々

炎昼

○炎昼や絵図面の端胸にあり

短夜

○楼たかく女人のまちの明易し
○短夜や宴に一人を演じけり

獺魚を祭る

○札おさめ棚や東に獺祭
○御仏を獺の祭や三具足
○弁当に獺祭る騒ぎかな

秋近し

○盃に夜をのこして秋近し

短夜

○短夜や網にもれつつ大津京

2022/12/30 23:49
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熱燗

○燗酒や肩うつくしき語り口

門松立つ

○松かざり東海道を伊勢路かな
○松かざり動物園の昼餉どき

冬の燈

○冬の燈に何々人のいくさ哉
○冬の燈を夜間飛行や二千年
○冬の燈や原野の赤く置去に
○冬の燈や技師の手のもう見えぬけり

相撲

○月代の髪やはらかに大相撲

葡萄酒醸す

○葡萄酒の醸す履歴書きみの手や
○葡萄酒の醸す口癖服飾よき

焼酎

○焼酎や手垢ののどをお湯割に
○西郷も三流となり芋焼酎
○焼酎や父から孫に芋焼酎

餅つき

○餅つきや襷かけたる馬の脚

春の夢

○二度三度肘衰ろひし春の夢

春意

○カブールの壁画の前や春意あり○アフガンの水路春思を足早に
○手をつなぐ水路の溝や春心

登山

○冥界を濾過し逆さま登山かな
○ひれ伏した神うけとめて登山せり
○登山せり大障壁の声ばかり

豊年

○豊年の秋田の夜もふけにけり
○豊年の秋田美人のよもすがら

きりたんぽ

○きりたんぽどいつもこいつも馬鹿ばかり
○米一升くふてたのむやきりたんぽ
○よき酒にこしを据えたりきりたんぽ
○もてなしのきりたんぽなり米一升
○きりたんぽしめにせまるやもう死ぬわ

猪鍋

○仕留めたるこそいとしくて牡丹鍋
○猪鍋や火の用心の参拝客
湯豆腐

○湯豆腐の滑らかなるや書き心地
○湯豆腐のとらわれなおし愛宕さん

今川焼

○家すてて今川焼の夜ふけかな
○裏表かえす米寿の今川焼

菊膾

○好物のひとつといへば菊膾
○清新の紅ひとしをに菊膾
○一言にもってのほかやおもてなす
○洗練の花のうつわや菊膾

鞴祭

○渡来人神を鞴にかくしけり

歳暮

○スマートにペンを持ちつつ歳暮かな
○ポケ電話みくらべてをり歳暮海老
○服装を鏡うつして歳暮かな
○バイトくん小物そろえて歳暮かな
○横一列美人ぞろいの歳暮かな

ボジョレーヌーボー(季語なし)

○軽やかにボジョレーヌーボーの解禁日
○妻の手にボジョレーヌーボーの絵画有
○妻つまむボジョレーヌーボーの余韻かな
○子沢山ボジョレーヌーボーや遠慮がち

冬帽

○ねえさまの長くつしたや冬帽子
○仰天す十一階の冬帽子
○一年間のぞいてみたし冬帽子

サングラス

○都会派に鄙の風なるサングラス
○テンプルに明媚な君やサングラス

ゼリー

○病弱のほほろ崩れてゼリーかな
雑煮

○太陽の海につき出て雑煮かな


登山

○遠ざかるいまは少なき登山靴
○十字架に若き絆や登山杖
○若き日の食らふ絆の登山かな
○将来の骨格として登山小屋
○拒絶して未来に遠き登山かな

ケルン(積石)

○しづかさやケルンの雲に手を伸ばす
○営みを拒絶の未知にケルン立つ

牡蛎飯

○牡蛎飯や娘の愚痴を聞きながら

新巻

○新巻や話こぼるる母の側

外套

○長髪の外套の裏たどり着く

水涕

○水涕や少しのこして駒ヶ岳

冷奴

○民族の衣装かほるや冷奴
○オリーブの油かなたに冷奴
○冷奴オリーブの油の見事なり

湯気立て

○うつとりと横顔しろし湯気たてて
○湯気たてて坊主頭の美しき

スキー

○スキーヤー餅一枚の箸つまむ
○暁の宿紅にスキー板
○丈ちがき並ぶ親子やスキー板
○あたりまえのこといふなかれスキー板
○何ごとも可愛いといふスキー服
○告白の好き何度目のスキー服
○つどい待つ関係浅きスキー板
○満天の声にスキーの女子大生
○無人駅の朝にぽつんとスキー服
○親友のスキー列車や傾ける
○少年の夜汽車のいまもスキー板
○靴下のうまくはけぬもスキー履く
○スキーに肘豪華客船タイタニック
○愛するやスキー列車の英国船
○できるならニューヨークまでスキー列車

スケート

○王様の傷きざまれてスケート盤
○携えてゆだねて氷すべりゆく
○恋愛に違和感あるもスケート場
○王様の椅子いたずらに氷すべり
○スケート盤汗もなみだも水の紋
○真白に傷きざまれてスケート場
○スケートの妃のさきや音の鍵
○足元の奏でる傷やスケート場
○足元の傷のこしけりスケート場
○スケート盤傷起立してピアノかな
○雨おとの硬く音なるスケート盤

アイスホッケー

○アイスホッケー連日や夢の傷

2022/12/30 23:49
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初鳩

○初鳩やはとバスの初バスガール
○初鳩や東京タワーのみやげかな



○まんまるのシャッターを切る蛙かな

春蝉

○春蝉や廃校のまど空にみゆ

初鶏

○はつ鶏の闇のはじめや暁ぬ

初鶴

○丹頂やただ一度きり鳴きにけり

嫁が君

○嫁が君いやけもささず棚の番

初鴉

○山神を背にのせてをる初鴉

簑虫

○簑虫や一刀石のゆめ袋

邯鄲

○邯鄲のその計略や月の出て



○敷石や月にしばらく旅の雁
○かりがねや整然として飛鳥京
○かりがねや石のならびて飛鳥京

秋の蚊

○秋の蚊の堕ちし魔性のたえがたき



○蜩や水に打たれて熊野灘

秋の蝉

○秋の蝉よ首塚ふせてかへる

蜻蛉

○蜻蛉や一首一句の仏道
○蜻蛉や吾妻かがみを衣川

茶立虫

○西行に親しきひとや茶立虫
○風にまかせこころの風や茶立虫

簑虫鳴く

○待つといふ簑虫の鳴く裕福に
○簑虫や鳴く晩餐に父のなく

蚯蚓鳴く

○宇治川のいくさかかりて蚯蚓鳴く

螻蛄鳴く

○鈴鹿越えていせの宇治橋おけら鳴く

秋の蜘蛛

○秋蜘蛛や明けて雫を背に背負ふ


2022/12/30 23:48
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遍路

○あしあとや雲に隠れて遍路笠
○うつくしき笠にみだるる遍路かな
○やはらかく島につづくや遍路笠
○うら波の船のあと行く遍路かな
○はらはらと遍路あはれや島四国
○ほろほろと菓子のこぼるる遍路笠
○句遍路のふ菓子枕や月円し
○幾番の心もとなき遍路笠
○遍路笠道のべに咲く菓子の花
○御内義の仏のごとき遍路笠
○藪寺を覆ひかくすや遍路笠
○岬みて長丁場なり遍路笠
○こぼれたる花の雨なき遍路笠
○充分にすすむ遍路や土佐日記
○簪を覆い被せて遍路笠
○黄の花や西に東に遍路笠
○新しき国道や五里遍路笠
○雨垂れの御陵つづきや遍路笠

小豆粥

○よそおいの色のつくなり小豆粥

破魔矢

○破魔矢挿す京を小脇に男山

初薬師

○初薬師くちをむすんで薬壺

初金比羅

○窓開けて金比羅大将初まひり

初場所

○初場所や長左衛門の名前勝

常陸帯

○うたよみの読み人知らず常陸帯

七福神詣

○七福の江戸をわたるや角田川
○七福をまわる九つ浅草寺

初護摩

○初護摩や團十郎も江戸かほる

初天神

○似たようなかほの牛よぶ初天神

初不動

○下総に雲かかりけり初不動
○咄家の三日枕や初不動

野沢の火祭

○火祭のやれや野沢の一人前
○髪みだれ野沢火祭すすだらけ

玉せせり

○陸浜の龍に目玉や玉せせり
○筥崎の清め木霊や玉せせり

湯かけ祭

○お湯わいた湯かけ祭や午前五時

七日堂裸参り

○鰐口に餅も飾るや七日堂

西大寺大茶盛

○美人やな顔もかくるる大茶盛

毛越寺延年の舞

○毛越寺舞に残りの息をのむ
○一墨の舞ふ基衡の毛越寺

すみぬり祭

○なで猫の顔もすみぬり祭かな
○勤勉な顔やすみぬり祭かな

西大寺会陽

○山陽の餅やもみたる西大寺
○出番待つ玉締め上がり西大寺

黒川能

○床を踏み黒川能や五百年

奈良の山焼

○山焼や裁く化け物奈良奉行
○坊主らの水にながしてお山焼
○境なき奈良の都やお山焼

太占祭

○手心も骨をる作事ふとまに祭
○収穫や信じるが吉太占祭

三河花祭

○ここ奥三河釜に沸きたる花祭

鞠始

○権力の落とさぬ空や鞠始

出初式

○出初式おもちゃの車みがかれし
○梯子乗のきになる処女赤面症
○下町の看板つなぐ梯子乗
○東京の空かはらずに出初式

七種

○ななくさやほんの陽気に前屈み

七種爪

○七草の爪うつくしくやはらかく
○ときめきの模様にしたり薺爪

達磨市

○よき眉に転ばぬさきの達磨市
○よき眉にふくに困らぬ達磨市

十日戎

○商人の念をおすなり初えびす
○福笹やようけあります宝物
○人情も十日戎の小判かな

鬼夜祭

○玉垂れの竜に鬼夜の祭かな
○火の吐いて吹いて久留米の鬼夜かな

四方拝

○おいそれとお含みくだされ四方拝

初詣

○明るさのなかを歩きて初詣
○平成も昭和もおわり初詣
○曾祖母の代理をかねて初詣
○神仏の垣根のなくや初詣

クリスマス

○物干やスパイのようにクリスマス
○母さまの欲しかつたものクリスマス

クリスマス

○北国に進路つづくやクリスマス
○クリスマスキャロル荒いき鼻の穴
○クリスマス家族の白き窓の上

バレンタインデー

○愛の日や恋とは花のようなもの

空也忌

○空風に傘骨めくれ空也の忌

三島忌

○よろめきて師のとなりなり三島の忌

原爆忌

○選択やなにをおそるる原爆忌
○ユニークな型の涙原爆忌
○愛しをるとひとこと添えて原爆忌

初午

○初午や田園に入る数十歩
○初午に無役の家の煙かな

秋祭

○ちびつこのふんどし締めて秋祭

里神楽

○よき拍子あとは胡座や里神楽

熊祭

○静かさを仮面に落とし熊祭
○蝦夷より石斧青し熊祭
○酋長や倭人鬼なる熊祭

蕨餅

○いろ黒く嵯峨の地をふむわらび餅


鹿島祭

○道すがら鹿島祭のけはひかな

金比羅祭

○金比羅の祭舵とる諸役人

おくんち

○おくんちの曳きもの満ちてモツテコイ

御難の餅

○上人のもちやのびたり御難餅

牛祭

○黒牛のうしろの馬や牛祭
○魔多羅神ままのまだらに馬まだら
○四天王こんじりの果て牛祭
○祭文のまだらのまだら牛祭
○わが国やはるばるきたれ牛祭

吉田火祭

○命産む吉田火祭闇のなか
○火の海の薄祭や命うむ


クリスマス

○餃子しか勝たん花音の聖夜かな
○異教徒の貧しき家も聖夜かな
○牛もつを串にさしけりクリスマス

クリスマス

○特別の薪うつくしきクリスマス
○金銀の糸ママの手にクリスマス
○くだものの真赤に点つ聖樹かな
○金銀の髪かきあげし聖樹かな
○永遠の命みあげし聖樹かな

酉の市

○けたたまし女をつけて酉の市
○迷子人さがしあてるや酉の市

神在祭

○神在のひとり揺らして耳飾り

義士祭

○遊蕩の子息かへるや義士祭
○一升に米はかりけり義士祭
○一服の茶に義理もたつ義士祭
○絵図面の川渡りけり義士祭

寒垢離

○寒垢離や墨の肉体についてをり
○寒行や龍の昇りて尻までも

芭蕉忌

○芭蕉忌のまこと気楽や男旅

漱石忌

○金之助名前がいいや漱石忌
○金之助金太郎でも漱石忌
○とぼけたこというな名前や漱石忌


2022/12/30 23:48
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○うみ柿や近江の人のゆたかなり



○うみ柿や日の本一のみずうみよ
○やま柿や捨て置かれけり蔵の奥
○土物の厚くかかるや柿一つ
○まぼろしや柿をもとめて東北路
○柿の実や吊しのなくて再面接

○柿みのり近江の人の琵琶湖かな

山桜

○たずねたや一木造りの山桜

夏草

○夏草や隣の家の富めるなり

紅葉

○ながれをりあと一抹の紅葉かな
○紅葉編みて世のためとなるひとりかな

紅葉狩

○文学は言葉にしなき紅葉狩
○クレヨンのすこし短き紅葉狩

菖蒲

○賃貸のまどに都会の菖蒲かな
○占いの本や枕に菖蒲さす

冬紅葉

○銘仙のかけて足利冬紅葉

大根

○大根の葉の落としけり濁水
○大根の白に惹かれて濁水
○大根の息吹く遠くや濁水
○大根や二泊三日となりにけり
○大根の葉やながれ行く風雲児



○一文字や川を挟みて敵味方

白菜

○白菜や微妙にちがふ屋根の形
○白菜や降りつむ屋根の所々



○黒熊の色気づきたり森の下

人参

○人参の空遠かもつと休む
○人参や照れくさくあり初デート

セロリ

○待ち人や青信号をセロリかな

通草

○あけび熟れて街にきへたる婦人かな

紫陽花

○紫陽花や引手のしめり呪わるる

毒茸

○毒茸や命の絶えん愛ほしさ
○衣脱ぎし乳房のあかき毒菌

○毒茸のかげによそ見し恋路かな○毒茸のあざむく成や月の下



○里芋のようけとれたや七本槍



○そよぎけるさてもありなん花一首



○武蔵野の身の最期なる萩の花

紅葉

○つかのまの思ひ絶えたる紅葉哉

菜の花

○菜の花やおけに盛り込むちらし寿司

葡萄

○大鉢にこぼれ落ちたる葡萄かな
○ベロ藍に頬づえをつく葡萄かな



○梅が香やたんに茶をのむ日本なり

松茸

○松茸に橋をかけたる織部焼
○松茸をのせて景色や釉溜まり

茸狩

○茸狩に土瓶の白きまるみかな
○亀甲の疵の白さや茸狩

牡丹

○馴初めの紅かさなりぬ白牡丹
○紅の差すゆびたそがれて牡丹哉
○白牡丹心もとなき女有

青葉

○神宮のあな抱き締めて青葉かな

夏草

○夏草や陸奥と出羽とにわかれけり

枯尾花

○目前の花のさかりや枯尾花

冬木立

○帰路に立ち髄のほのかに冬木立
○冬木立越さず濁さず寝る夜哉


落葉

○事切れることに親しき落葉かな

紅葉

○一門の絶へ悠久にもみじもへ

パンジー

○パンジーを駅にのこして伝言板

マーガレット

○ステージの門を出づるやマーガレット
○ステージの音の驚きマーガレット
○マーガレット己の価値や静まり
○花束に苦難の道もマーガレット
○振り向ける奏でし音やマーガレット



○好きといふ言葉を足して蘭の花

ガーベラ

○ガーベラやそのひとことの命とり

水仙

○三角墓ぬれマスカラや水仙花
○水仙や書物に白きバスローブ

スノーフレーク

○道草も尽きなき想いスノーフレーク

雛菊

○デージーや画家の筆先あらひけり

2022/12/30 23:31
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○青春の花白線の向こう側



○共学の白線となる桜哉


朝顔

○朝顔や甍の波をあくび顔


若葉

○不二山の花吐かんとす若葉哉

茄子

○なすび抱き紫の君膝のうへ

合歓の花

○しのはらを白に染めたりねむの花

南天

○南天や一声ありし侘住居

メロン

○熟知した水平線のメロン哉

枯蓮

○枯蓮限られてよき命かな

山吹

○山吹や歌にこぼれて好きな花

金木犀

○うつろいの一年前や金木犀
○友人のあしあとさみし金木犀

芍薬

○芍薬やあらがふ君に夕陽さし

2022/12/30 23:27
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凍つ

○一室の氷なめたる鼠哉

秋の暮

○恋文を片恋文や秋のくれ
○大石の関や南に秋のくれ

雨水

○整地されビルは都会を雨水哉
○いったいの地主門出ず雨水かな

清明

○清明の歓声ひびく設楽原

夏浅し

○あお鷺や姉川のうつ夏浅し

秋の暮

○朝廷の秋の夕べや鬼の城

二百十日

○爆買の街も二百十日かな
○村の子や二百十日の雲しろし
○しづけさの家に隠れて風祭
○白壁の家二軒なり風祭

冬至

○しつかりと首まで浸かる冬至かな
○冬至なるビキニ女の誕生日

遅日

○窓枠にそそぐ婦人の遅日かな
○職質の公園せまき遅日かな
○川沿の駐車場ゆく遅日かな
○駐車場無機質のまま遅日かな
○避妊機の駐車場寄り遅日かな

早春

○早春の山のごときや掬鋤
○早春を一定にして掬鋤
○早春の稜線なじむ掬ふ量
○早春に文字もポップな軍手かな○早春の自転車はこぶバスケツト
○早春のエプロン丈のながめなり

2022/12/30 23:22
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冬夕焼

○冬あかね肌もうるおい金波楼

冬の雲

○石仏のたたずみむすぶ冬の雲
○名将のいまやむかしも冬の雲

初雪

○初雪やはなれられなき間柄
○初雪やあしたに何を着るのやら

春一番

○春一番鬼のはじめや恋わずらい
○春一番首短めの背のまろみ

春塵

○春塵や都に帰る間柄
○春塵や生まれながらに暗き陰
○春塵や丸壺のただひとつのみ
○春塵に里の神社の余韻かな
○春塵や下の名前の書信あり

春の雨

○春雨やのぞまぬ人にのぞむ人
○春雨や名をのこすことなかりけり
○春雨に互いを偲ぶ茶会かな

十五夜

○十五夜や鼠の子のひとつ盗みけり

十六夜

○十六夜のため息の間の明かりかな

春一番

○定番の女子高生や春一番
○待人のあらわれなくて春一番
○社会女子の尻に貼り付く春一番
虎落笛

○おほなるの飢饉始末やもがり笛

薫風

○手仕事の色伺いし風薫る


2022/12/30 23:19
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去年今年

○去年今年きれいになりし耳の穴

秋めく

○秋めいて箱の中身やなに器

秋澄む

○土物の四方唐草秋の澄む

夏の夜

○夏の夜や人に合ふてもおそろしき

早春

○早春にあたたかみあり乳白色

初春

○朱の椀に金の鶴舞ふ国の春

盛夏

○大皿に踏み出す藍の盛夏かな

冬の朝

○常滑の都市の土台や冬の朝
○肉詰の只一本や冬の朝

行年

○行く年や都会の猫の賃を上げ
○行く年や猫に都会の窓硝子

年の暮

○いつに咲く止まり木ひろし年の暮
○都鄙たがはづに泣く年の暮

寒の入

○一人入りまた一人出でて寒の入

小寒

○小寒や母亡霊となりにけり

元日

○元日を心得たるや皆の衆
○元日やあいさつのなく眠りけり
○元日や壁に錆たる物理的

寒さ

○平社員自由になれど寒かな

冬の夕べ

○おもひがけづ風呂焚きし香の冬夕べ

冬ざれ

○冬ざれやカナリアのくち狭き宿

日脚伸ぶ

○人形の顔もいささか日脚伸ぶ

秋麗

○めれんげの秋うららかなレモンパイ

晩秋

○晩秋の喫茶店なりプロマイド
○生はむの晩秋なるやすけ具合
○晩秋や箱詰めされし黄金芋

秋の暮

○街灯やワインならびし秋の暮


五月

○しほがまの五月の風や佐浦店

寒し

○寒石や水たたえけり酒づくり
○寒石に神ながれたる酒づくり
○酒造る庭白妙に空さむし

弥生

○信州の牛に引かれて弥生かな

秋深し

○秋深き針に時計のわれを知る

寒さ

○手足もむ寒さとばして古河祭



○おもかげの洩れて山鹿の秋の知る

秋の夜

○秋の夜やひとそれぞれに吾子の顔

初夏

○知床のけものほのみゆ夏始

夏の朝

○黒い森をただ真直ぐに夏の朝


夏の果

○樺太に一本道や夏の果
○北につづく宗谷岬や夏の終
○戸隠の神に路面や夏の果



○吊るされて長きみじかき里の秋

秋の暮

○魚店の焼き物のこし秋の暮
○留紺にとどまる人や秋の暮
○灯台に引かれてゆくや秋の暮

秋深し

○小説のそのままとして秋深し
○時計屋の子息の恋や秋深し

行く秋

○行秋に友もゆくなり影ながし

秋麗

○閉じられた窓も女子寮秋うらら
○秋麗も女子寮の窓閉まりけり
○工具場のくぎ真直ぐに秋うらら

2022/12/30 23:10
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野焼く

○野に焼くる万葉集や奥の山

団扇

○絵団扇や耳もとに聞き口うつし

秋の燈

○秋の燈にしづむこころの楓かな



○埋火の老かきおこす宝珠かな



○筑紫路の粽兜や歳五十

春燈

○春燈やなつかしき玉はじきけり

年賀状

○おもいがけず女文字なり年賀状

初電話

○初電話こころの込めて受話器取る
○携帯の指紋知るなり初電話
○愛猫を添えてあけおめ初メール

初刷り

○初刷の鍋底浅し平成版
○初刷や俳優人の揃ひけり
○初刷の右手にのこる期待感
○初刷やカラー女優のことほきぬ
○初刷や掃かれて清き玄関前

初暦

○乳液に肌はりにけり初暦

初写真

○道のべの壁のハートや初写真
○社交場の興じる椅子や初写真
○積みあげし美の正門や初写真

読初

○読初の一首やかけて銀座線

乗初

○乗初や塔の高きを鍋のつる

襟巻

○マフラーや夢に破れて紫禁城


茶摘

○文人や摘むならではの茶の甘み

湯豆腐

○湯豆腐や曲がりくねりし北陸路

新巻

○新巻に喉もと紅き女かな

凍豆腐

○子を抱く毛空の蒼し凍豆腐

冬館

○冬館翁小さきこえの主
○冬館いくさを前の暗殺劇
○歯触りの満足げなり冬館

甘酒

○甘酒やあまくて熱き夏の恋

水着

○エネルギー波の静かに水着かな

鋤焼

○すき焼きや鍬すく指の黒鉄ぬ

氷水

○老舗してホテルに崩す氷水

水涕

○水涕や黒猫の鼻窓暗き



○平成におはりを告げる砧かな



○投げ入れてつかまつりたる粽かな

釜揚饂飩

○釜揚や胸のつかえの顛末記

鋤焼

○すき焼や卵二つを割にけり
○すき焼や割下かるく長廊下

歌留多

○なだれたる夜もながれて歌留多式
○恐ろしき男はじめや歌留多式
○飛ばしける縁のかかりや恋歌留多
○尻軽の声の漏れたる歌留多かな
○すさのをの姫に手合わせかるた取
○なにごとやよりどりみどり姫歌留多

鏡餅

○奥様の先に張り出す鏡餅

福笑い

○もともとといへばもともと福笑
○大福の食うた指あと福笑
○きつね目の娘たぬき目福笑

双六

○すごろくの電車とすればまた楽し

正月の凧

○正月の凧うけとめて空ひろし

若水

○若水やかおの叩いて社会女子

書初

○おおげさに美人かかげて吉書かな
○ダイエット小さく美人吉書也

獅子舞

○獅子舞やもらい受けたる柘植の櫛
○獅子舞やむすめ指折る歯の並び
○獅子頭都会派の娘をひとつ呑み
○村里の笛や富士なり獅子頭

雑煮

○西に東したての違ふ雑煮餅

門松

○門松や若妻のまた角にみつ

鯉幟

○色紙の鯉やみずいろ額のなか
○籠玉を先に大河や鯉のぼり

武者人形

○厚紙の折り目ただしき兜かな

柏餅

○新築をまるくつつみし柏餅
○愛情を一カップなり柏餅
○賃貸の五階の空や柏餅
○レンチンの響く都会派柏餅
○加熱してながむ母娘の柏餅

花見

○山神の花見たちよる団子かな
○工芸の箸入のよし花見かな
○風呂敷の色に重ねて花見かな
○野点する人のだれぞやよき花見

初夢

○初夢や波のりの船のりのみな

豆撒

○豆撒くも声の小さき年男
○豆撒きや声ひそめたり隣人

月見

○そのものをへだてて薄き月見かな
○藍染の布をひきたる月見かな

御用始

○はなはだに御用始の女子気分

初市

○初市の手締めおわりや鶏飼ふ

初糶

○初せりやあれの妹チアガール

新年会

○新年会女男の数あわず

山始

○山びこや斧一休み山始

鍬始

○黒猫やせわしき女くは始
○鍬はじめ犬を叱りてあまやかす

鏡開

○鏡開く犬もまことにすまし顔

門松

○事務方の机せましと松飾
○墨のする袖の隅より松飾

初水手

○水道の水に石入れ初水手



○更衣室女子の尻むく飾かな
○給湯の角にちいさき飾かな

初ゴルフ

○浮世絵の富士の裾より初ゴルフ
○甘えたくてプロを横目に初ゴルフ

鏡餅

○据わりよき女子社員なり鏡餅
○一畳のたたみの上や鏡餅
○一畳の休憩室や鏡餅

初芝居

○なんともや初春狂言わらひ声
○初芝居こころ打たるるさばきかな

初釜

○初釜に召し物のよき夫人かな
○初釜やおつしやるとおり色を映す

2022/12/30 23:01
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○神紋の桜いくたび人恋し

桔梗

○裏庭の鉢に桔梗や花鳥文



○ぜんまいや志野に素描きの如くあり

紅葉狩

○ずんぐりの徳利のこして紅葉狩


○奥州の椀や粗略も花の下



○ありのみのウエスト狭き女子大生



○焼栗のはねて遠くに金閣寺
○焼栗のはねて山河のはじめ哉



○ボート部の柿はうまいし雲の上
○渋柿のしぶきはぎれや銀閣寺
○柿の実のわすれて今日の道すがら



○橙や雲の上なり山の寺



○白菊や美男士のきみ僧と也

蜜柑

○蜜柑むく強者の士や白き綿

紅葉

○高麗犬の映す白磁の紅葉かな
○透過してもみじや硬き釉薬

葡萄

○甲斐だなに黒き葡萄の御本尊

初紅葉

○みちびきの鼻のながきや初紅葉

紅葉

○火も置かず烏天狗の紅葉かな
○撫でかたに御利益かわる紅葉かな
○顕微鏡ながむるごとき紅葉かな
○ふるさとに遠き堤を紅葉かな
○東京の紅葉の谷のけもの道
○秘仏らの開けろ開けろと紅葉かな
○中天の朱雀大路を紅葉かな
○髻をふたつに結し紅葉かな
○二童子の和む忿怒の紅葉かな
○二軒めのたそがれ横丁紅葉かな
○メンソール咥え深みの紅葉かな


○しら梅や帰る場所なきおどろきぬ
○松島やあづま夷に梅の花



○ため息の麦や動かぬ音すなり
○麦の間の語らぬままに音聞かん

山桜

○あくせくと日の西に落ち山桜

歯朶

○裏白やふるさとをゆく鹿の親

福寿草

○しずけさの小間しつらえぬ福寿草

唐辛子

○中国の大動脈や唐辛子

新緑

○新緑を総面積にパンダかな

蓮の花

○十億の見聞録や蓮の花

アスパラガス

○洋皿のアスパラガスやいとおかし
○箱入りの娘の肌や松葉独活

レタス

○初恋を妊婦にちさの重みかな

蜜柑

○愛国の蜜柑の皮や幸福駅

蜜柑

○浮気せり男の爪やみかん剥く


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