爽やかなキレッキレのラジオ体操から始まった今回.

いいねえ.

沼田家の人からしたら不気味で食が進まない光景でしょうが,ギャップ萌えといいますか,サウナのシーンや「寝ていれば可愛いのに」とつい言ってしまいそうになる愛らしい寝顔とか.

ストーリーとしての緩急も先生の感情の起伏も,こうしたコミカルなシーンがあることでより強調されて魅力が増しているように思います.

今回はいじめのシーンが多くあったため,より強く感じたのかもしれません.


先生は,敵?味方?

やはりどちらとも言えない存在だと今回も感じましたが,誰にもSOSを出せずに1人で抱え込んでいた茂之くんにとっては,やり方は別として,こんなにも正面から向き合ってくれたのは先生が初めてだと思うので,味方であってほしいなという願望も.

ただ,そういうのでは括れないのが先生ですからね.

アメとムチを使い分けて,楽しんでいるのは確かだと思いますが(笑)

でも,そんな突拍子もない先生が言う言葉はどこまでも正論で.

我々の常識の物差しで測ればとんでもない言動をする先生なのかもしれませんが,そもそも我々の常識の物差しが本当に正しいのか,そんな疑問すらも抱くほど,痛いところを突いてくるのです.

弱い者を守るだけが正義の味方だとは思いませんし,先生なりの,かなり手荒なやり方ではありますが,再生させていく手段を見出しているのかなと思いました.

それが正解かどうかは別として,茂之くんが自分の力で立ち上がって,向かっていったことは,大きな一歩だったし,少し強くなれたのかなと.

あの笑顔でしたハイタッチが忘れられません.

今回,いじめのシーンが多くて,見ながら気分を悪くした人も多くいたと思いますが,世の中の大多数が悪いことだと分かっているのになくならない.

作品はフィクションではあるけれど,いじめは現実に起きていること,フィクションであってほしい現実なのだと突きつけられました.

悪いと批判するのは簡単なことですが,現実は傍観者ばかりで.

先生の「そのいじめを黙認してたんだろ!」という言葉がズキリときました.

関わり合いたくない,自分は安全圏にいるのに口を出すことで巻き込まれてしまう.

そうして無関心を貫き,いじめという存在を隠している周囲の人間も同罪なのかもしれません.

やはり現実は思っているより残酷なのだと,痛感しました.

先生の言葉にドキッとしたり,ハッとさせられるのは,隠しておきたいことや蓋をしておきたいことをズバリ見抜かれているからで.

心の奥底に閉まっている罪悪感を引っ張り出される感覚,目を逸らしてきたその部分を見透かされている感覚,心がざわざわするのは少なからず先生の言葉が自分に当てはまるからなのだと思いました.

先生は,対沼田家だけではなく,現代社会に対して挑戦しようとしているのかもしれません.


先生が学校に乗り込み,教室で放った言葉.

「いいか?
俺はお前たちの先生でもなければ親でもない.
今度茂之がいじめに遭ったら,お前らの人生台無しにしてやるからな」

かなり強烈な言葉ではありますが,救われる言葉でもありました.

やり方は無茶苦茶でも体当たりで向き合ってくれる,そんな人が茂之くんには必要だったのだと思いました.

このまま丸く収まるのかは分かりませんが,『TV LIFE』に,5話の台本を読んだ翔くんが「絶句した」と書かれていたので,想像を超えるどんでん返しが待っていそうです.

そして,先生が抱えている闇は何なのか.

あの子供は一体誰で,先生は何に怯え,何から許されようとして,何を償おうとしているのか.

吉本荒野ではない先生は,一体何者なのか.

徐々に紐解かれていくのでしょうが,一筋縄ではいかないでしょうね.

心理戦が始まってくると思いますが,沼田家同様,視聴者である我々も先生に振り回されることになりそうです.

嫌いじゃないですね,そういうの(笑)

来週もどんな仕掛けが用意されているのか,楽しみです!