生きることが大事.
どんなことがあっても死んではいけない.
こんなにも平和になった世の中なのに,命の重さや死に対する考えが希薄になっているように感じます.
国のためにと,たくさんの方が亡くなりました.
彼らが守った日本は,彼らが望んだ平和な日本は,こんな姿なのでしょうか.
実際に体験して生き抜いた方だからこそ伝えられるあの日の光景や感じた思い.
私は中学の時,修学旅行で沖縄を訪れ,戦争を体験された方からお話を聞く機会があり,壕にも入らせてもらいました.
みんなで懐中電灯を持って壕に入り,中で一斉に電気を消しました.
真っ暗で,光なんて全く入ってこなくて.
足元はぬるぬるしていて,中は湿気でとてもじめじめしていたのを覚えています.
ロウソクを1本灯した中,お話をしていただいたのですが,あの暗闇で感じていたのは恐怖でした.
本当に何も見えなくて,怖いとしか感じられませんでした.
でも,戦争当時は,あの壕の中が安全で.
入りたくても入れない人がたくさんいて,そのために亡くなった方もたくさんいて.
当時感じた恐怖は暗闇に対する恐怖だったのか,あの空間に漂う空気だったのか.
今もし中に入る機会があったら,私は恐怖以外に何か違うものを感じることができるのでしょうか.
想像もできないことが65年前に実際に起きていて,その事実を伝える方がどんどん少なくなっている今.
風化させてはいけないこと,語り継がなくてはいけないこと,そのひとつひとつと向き合い,我々がバトンを繋いでいかなくてはいけないと強く感じました.
実際に体験していない私がどんなに言葉を綴っても伝わることは少ないし,平和な今だから簡単に言える言葉でしかありませんが,きちんと受け止めました.
翔くんが言葉にできなかった思いも,ひめゆり学徒隊の方が伝えてくれた思いも,きちんと受け止めました.
どんなに悲しいことでも,恐ろしいのは忘却です.
忘れさえしなければ,語り継いでいけば,彼らは彼らの思いは生き続けるのだと,そう信じています.
伝えてくれてありがとうございました.