昔は湖に住んでいた……いやいや、沼だったかな。出口も入口もない、自分だけの都だったけど、今はもうない。
一人の時は生き生き泳ぎ回っていたもんだけど、今の池に来てからは、仲間と一緒にもっとのびのび泳げてる。
大海にはもっと沢山仲間がいるよって時々誘われる。大海に出てみたいとは思うけど、食べられちゃいそうで本当は怖いんだ。それに、どんな事故にあうかわからない。
いつか波に打ち上げられて、干からびちゃった奴がいたって聞いたんだ。
いつか黒い影に襲われて、姿を消した奴がいたた聞いたんだ。
海は広い。だからこそ、何があってもおかしくないんだ。
自分でいくら気を付けていても、それは静かに忍び寄って来る。自分は悪くなくても、いつか餌食になってしまう。
海が嫌になって逃げてきたヤツがいたよ。そうさ、逃げちゃえば良い。けど、逃げれない場合もあるんだろうな……。
僕は小さな池に住んでいるだけで充分かなって思うんだ。井の中の蛙もいいもんさ。小さな池だからこそ、見渡せばみんな気心の知れた知り合いだもの。
勇気が無いって言われても別に良いさ。まだ死ぬには早いもの。最低限、出来る限り危険や嫌な事は回避したいよね。
やらなくちゃならない嫌な事は仕方ないけど、やらなくても済む嫌な事はしないに限る。人生は自分の為にあるものじゃないか。
……いや、魚生か。ぎょぎょぎょ
とあるさかなの突発的寝言。
―――
なんか魚が書けって言ってた。フナ辺りのつぶやきなのだろうか。淡水魚なら海水ダメじゃん。
2013-2-15 20:00
見渡す限り背丈の低い草が生え、風に吹かれた姿は青々とした海原の波のよう。
大草海を超えて来た風はさわさわと、心地好く我が耳を頬をと撫ぜて行く。
立夏の頃の空を見上げれば、よく肥えた雲が元気良く流れ去る。
草原に寝転んだ旅人はぼんやり空を眺めた。
遠き彼方ではこの天を、剣劇や陣太鼓の音が突き、赤き炎が嘗めている。
それが嘘のようにこの辺りは静かだ。
全てを忘れ、この海原に消えてしまいたいと思う事がある。
この心地好い風がそう思わせるのか、この心地好い草の囁きがそう思わせるのか。
旅人は瞳を閉じ、深く呼吸した。
――――――
とりあえず、草原が書きたかっただけ。
左右見渡す限りの草原と、真っ直ぐ前へ伸びる街道。そこに吹く風……。
何か爽やかな風景が浮かんだ。
話題:SS
……。
ショートストーリーって程じゃないね(^^;)
2010-12-8 17:31
生臭い風が吹く。
そこは右も、左も、暗闇の中をはいずり回る命亡き物で溢れ返っていた。
つい先程まで顔見知りだった物の顔も見えるが、それはもはや人ではない。
何処からともなく沸き上がってきた屍の群れは、瞬く間に小さな村を飲み込んだ。
黒く滲み出たそれは、形を無くすまで壊さねば、再び動き出す。
自警団など役に立つわけも無く、武器を握ったまま屍の仲間入りをしていた。
一刻前までは村だった場所の中央には教会が建っている。
その尖塔で、唯一となった命ある者が剣を振るっていた。
見た目からは外套を着込んでいる為男女の区別は付かないが、小柄で、子供のようにも見える。
手にしている剣にはどす黒い血糊がべっとりと付き、もはや『切る』とは言えず『叩き潰す』為の武器となっていた。
四肢を狙って破壊する。だが、それでも機能は停止しない。
「そろそろ、潮時かな……」
ぽつりと呟いた言葉は、白南風に乗って消えた。
「まだ、生きている人間がいるとは驚きですね……」
闇に、ぞっと背筋が凍り付く程冷たく、低い声が響く。
すると、今まで犇めいていた屍の群れがさっと道を空けた。
「成る程。お前がこの軍団の親玉か」
凛とした口調で紡がれた言の葉は、幾分かの余裕が感じられる。
声からすれば、女のようだ。
「親玉と言われればそうかも知れませんね。それより、貴女は何者ですか。そんななまくら刀一本で生き残るとは」
カツっと石畳の廊下に靴音が響く。
一歩、一歩と歩む足音は次第に近付き、ついにその主を明かりの下へと晒し出す。
黒い闇に紛れる服装。同じような黒い艶やかな髪は後ろに撫で付けられている。
そして双眼は鋭く紅に輝いていた。
「こんな輩にやられる私じゃない。さっさと決着付けようじゃないの……」
言いながら女は剣の血をを服の裾で拭う。
「せっかちな方だ。……ま、嫌いではないが」
ふっと男は口元を歪め、剣を抜く。
月の光りに、二人の剣が煌めいた。
その姿はあたかも、円舞曲を踊るか如く。
―――――――――
久々
SS。
結局普通の人が丸っきり出てない。
……。
つい、書き終えるとすぐに上げちゃいたくなる……病だな。うん。
本日、拍手を頂きました。
ありがとうございます(^^)
2010-12-4 22:26
寒月が冷ややかに闇夜を照らし出す中、露台に小さな足音が谺する。
足音の正体は風に長い濡れ羽色の髪を靡かせる、小柄な女だった。
煌々と輝く月に照らされた肌は透けるように白く、あたかも降り積もったばかりの雪原のようである。
寒風が吹き抜けた。
その寒風に揺れる牡丹のような、可憐な唇がそっと動くが、言葉は紡がれない。
「志暉(シキ)、このような場所に居ては、体を壊すぞ」
露台の入口から、背の高い男が覗き込み、女に声を掛けた。
名前を呼ばれた女は、はたと足を止める。
「主公……明日、再び御出陣なさるそうですね」
女は振り返る事なく、再び唇を動かす。
発せられた声は、存外低めの声だった。
男から返答は無い。が、重い足音が響く。
足音と同時に金属の擦れる音も耳に入る。佩剣しているようだ。
女は一瞬身を強張らせ、黒い瞳を閉じた。
「苦労をかける」
小さく耳元で呟く。
その吐息は微かに酒の匂いがする。
手が肩に触れたと思えば、すぐさま離れ、肩には着物が残された。
女は、そっと男の手が置かれた肩に手を添え、俯いた。
「お帰りを、お待ち申し上げております……」
振り返らずに声を発するが、声が震えた。
「何か、あったのか」
すっと、大きな気配が脇を通り過ぎた。その気配の袖を、女はヒッシと捕まえる。
すると男は困惑した顔で女を見下ろした。
「嫌な……嫌な夢を見ました……」
「夢……か」
男は弱々しく袖を掴む女の手を、両手で握り締めた。
「安心しろ。私は生きて帰ってくる――」
……。
そうじゃない。
そうじゃない、と女は心中で反論しつも、口に出す事は無かった。
――――――――
文章(万年)リハビリ中。
書きたい事書くのに、丸一日とか……ましてや全くまとまってない。
まだまだ駄目だなぁ(´`;)
昨日、拍手をもう一件頂きました。
ありがとうございます〜(^^)
話題:SS
2010-5-8 22:50
好きな曲で物語創作!
創作活動をしている方へのバトンです。
好きな曲のタイトルからイメージしたショートストーリーorイラストを書いてください。
・SSの場合は、歌詞に使われている言葉を文中にいくつか織り込んでください。
・一次、二次創作、NL、BLなど、なんでもOKです。
では、どうぞ!
…………………………………
♪タイトル…
Cemeteries of London
♪アーティスト…COLDPLAY
・NEXTpage
→
歌のイメージ。
歌詞は一行だけ。
頑張った……。
続きが書けそうだが、今は無理。
本当はね、VIOLET HILLかVIVA La VIDAが良いんだけど、浮かばなかった。
Life in Technicolor iiVerは
こちら
お疲れ様でした。
♪次に回す人…お持ち帰り自由で。
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エムブロ!バトン倉庫
mblg.tv
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こっちの
バトン回答でもあったりする。
2010-4-15 21:00