食べてこそ
15/05/13 11:23
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先日、札幌のとある施設についてネットで調べていたところ、あるブログに辿り着いた。
知りたかった情報はあまり書かれていなかったが、なんだか惹かれる文章だったため他の記事にも目を通してみたところ、すっかりはまってつい読み耽ってしまった。

そのブログ主は、心身共に重い障がいをもつ子どもを育てている母親で、管理栄養士の資格を持っているためか、とりわけ障がい者の「食」について記事を書いている。

身近に障がいを持つ人がいない私にとって、介護食と言えば「おかゆ」のように、柔らかく煮てあったりペースト状態だったり、障がいの重さにもよるがとにかく「柔らかくて飲み込みやすく噛まなくてもいい」ものだという認識で今日まで生きてきた。
それも間違ってはいないが、一番大事なのは「形態が合っているか」だという。

彼らは味よりもまず「食感」が良いかどうかで判断する。以前食べてくれたからといって、また食べてくれるかは分からない。少しでも固かったり舌触りが悪いと、一口食べて後は全く食べない ということもあるのだというから驚きだ。

それから、豆腐は案外食べにくい食品だということにも驚いた。豆腐こそ介護食では優秀な食品だと思っていたのだが、口の中でばらばらに砕け散るのが誤嚥しやすかったり、彼らにとって食感の悪い不安な食べ物と認識されてしまったり。

「とにかく食べてもらうことが大事。お母さん方は栄養のあるものを食べさせたがるけど、栄養は考えなくても良い。食べなきゃ何にもならないのだから。」
ブログ主が以前病院にて摂食指導を受けていた時のお医者さんの言葉に、目から鱗が落ちました。
私たちにとって食事とは、生きて行くために必要なことだというのは大前提だけど、彼らにとっては何故食べるのかが分からなかったりする。

世の中、知らないことばかりですね。とても勉強になりました。

勿論食についてだけでなく他にも様々な苦労が書かれていたが(ブログでちょっと聞き齧っただけの私なんかが理解も説明もできないようなことなので割愛)、重苦しい雰囲気を出さず、かといって変にハイテンションでもなく、苦労の多い日常を時にユーモアをまじえて表現できるのは一種の才能だよなあ と感心しながら読ませて頂きました。

久しぶりに読み応えのあるブログを見つけられて嬉しいです。
惜しむらくは、記事更新が月一ペースだということ。これは、人のこと言えないので強く言えませんが…もごもご
せっかく魅力的な文章を書かれるので、もっと読んでみたいな。
私もそう思ってもらえるような文章がかけるようになりたいですね。

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