話題:140文字小説に挑戦!
「風を切る。」
と言う表現がある。
私は、今それを目の当たりにした。
彼はまさに風を切って、駆けていく。
一心不乱に真っ直ぐに。
眼前を過ったのは一瞬。
振り向けば彼の背中はもう遥か遠く。
他人の喧騒など後ろに捨てて、向かい風ももろともせず、彼は今もひたすらに風を切る。
魚を咥えた猫を捕まえに。
我が家にお迎えした文具たちを、現在わたしはこう表しております。
あくまで他所さんでこさえられたコなので…。
形式上こう呼ばねばならんのです。
プロフ画面にあげてるコが最年長。
PARKER FROTIERと、キャップに刻印されてます米国出身。
軽いボディで、書き味滑らか。
話題:自作小説
豆族の生態について、記述出来ることはかなり少ない。
まず挙げるとすれば彼らの見た目だろう。
人族に比べるとかなり小さく、人間の膝下位までしか背丈は伸びない。
そして大人になるにつれ、頭頂部に鳥の巣をこさえるのだ。
これは、町の学者でもある司祭の研究成果だがその頭頂部に作った巣で、鳥を育てるのだとか。
たまに森の中で彼らを見掛けると、確かに巣のなかで小さな雛がピヨピヨ鳴きながら餌をねだる姿があった。
中には立派な巣はあれど、その主がおらず完全なるファッションアイテムになっているものもいるが…。だが、何の雛であるかは目下研究中らしい。
彼らの見た目は世界中の豆の種類に良く似かよっているのでその名がついたのだとか。
ちまちま動く、小さな球体状の生物はまさしくその名がつけられたに相応しい外見と行動パターンだ。
思わず微笑ましくなってしまうほどに。
彼らは冬越えの準備のために秋になると時折町まで下りてくる。
それ以外は森の中で生活し、ほぼほぼ出てくることはない。
但し、この行動はこの町に限ったことらしく他の地域ではお目にかかることはないのだとか。
子供や小さいものが好きな女性(一部男性)は、この時期を楽しみにしている。子供は、彼らが持ってくる物々交換のための普段手には要らない珍しいお菓子だったり、オモチャたったり。
女性はその愛くるしい見た目に癒されつつ、頭頂部にある巣の主から綺麗な羽根を譲って貰ったり。
様々な思惑はあれど、比較的友好な関係を築いている。
森に生かされているのは互いに同じであるからして、程よい距離の友人は大切なのだ。
話題:自作小説
豆の種類をあげるなら、恐らく紙面一杯が埋まってしまうかもしれない。
農家ではないからそう詳しくはないが少なくとも食卓に良く上がる豆くらいは知っている。
大豆に小豆に花豆、豌豆豆、レンズ豆、雛豆etc...。
実に多彩だ。
それらにそっくりな彼ら豆族の見た目は、正直目が痛いし細々動かれると目が付いていかない。
頭に鳥の巣をのせて、今日も彼らはえっちらおっちら森を歩いて回るのだ。
話題:自作小説
いきなりだが、俺の好物は卵かけご飯である。
色々とこだわりはあるが味付けは豆と塩から作られた醤油という調味料が好みだ。
昔は野菜の煮汁の究極物たる、ソースやケチャップなんぞも使ってみたが今はこれに落ち着いている。
そのうちチリソースやら魚醤やらを試してみたいと思ってはいるが、今はあと回しだ。
真っ白い白米に落とされた新鮮な卵を、箸で混ぜ込む快感は幾つになっても変わらないに違いない。
但し、コレステロールなる敵に泣く泣く負けた俺は週に一度の贅沢にしている。