年齢が同じで東京育ちで、大学も一緒だったから、仲が良かった。二人とも正直だし、思っていることをすぐに口にしてしまうところも似ていました。人間関係において、好き嫌いが激しいところも似ていましたね。彼と二人だけで喋っていると、いつも何となく小学五年生の悪ガキ同士がいたずらの相談をしているような雰囲気になってしまったことを覚えています。二人とも優等生タイプじゃないし、優等生タイプの親米保守派の言論人に対して不信感を持っていたことも共通していました。
中川昭一は核武装論者でした。自民党の政調会長、経産大臣、財務大臣といった要職にあったので、立場上「早く核を持て!」なんて言えなかったのです。だから「核の議論をしよう」と言っていたのです。
(中略)中川昭一は、日本が自主的な核抑止力を持って独立国になろうとすると、アメリカがそれを潰そうとすることを承知していました。
だから彼は私にこう言いました。
「例えアメリカや中国のスパイ組織に殺されるようなことがあっても、僕は日本が核を持って自主防衛できる国にしたい。今のような状態を続けていると、日本は滅びてしまうぞ」

現在の日本の政治家や言論人で、「例え自分が殺されても日本を自主防衛できる国にしてみせる」と覚悟している人が何人いるでしょうか?そういう人間が数千人出てこないと、日本は独立を維持できないと思います。中川昭一のように、「自分が殺されても日本を守るんだ!」という覚悟と情熱を持った人が増えないと、日本は滅びると思います。