電照ブロッコリー




遠い故郷を旅立ち、再び戻りました東京の夜は思うよりも涼しく過ごしやすいものでありました、小野寺です。




沢山の思い出と共に帰宅致しました故に、行きよりも多少重めの荷物を抱えております。例えば奥歯の痛みとか。私の左顔面を刺激し続ける可愛らしい痛みは沖縄で過ごした日々を思い出させてくれます、敬愛。




両親を前に飛び立って行く飛行機達を眺める横顔は貴重、永遠に頭の片隅にでも埋めて置こうと、表情を綻ばせ、夜行バスで我が家へ向かう。



少しばかり疲れたかな。そんな心境ではありますが、また明日から電話のベルに追われる日々が始まるのです。



次は10月。
本格的に節約に徹しなければ、と緩み切った財布の紐と帯を締め直すのであります。



来年、再来年にはこういう思いも消えてしまうのならと、全てを受け入れて明日を迎える。





暴風雨に御利益を





一体私は何をしているんだろう。昔を懐かしむためには多大な出資。まったくここまで成長出来ないとなると、将来は嘸かしお先真っ暗である。小野寺です。




私が上京した理由。
映画に携わりたい。そんな小さくも大きな野望から。しかしどうだろう。今は私が精を注いでるのは保険を後期高齢者に売り捌く為に電話のベルを只管鳴らす事。もはやこの地に居なくても出来ること。




しかし、最近は開けてきた夢の玄関先で私は何かを躊躇っている。否、面倒は嫌だとばかりに行動に制限を掛けているんじゃないだろうか。動かねば何事にも辿り着きはしないというのに。



げに大人と云うものは。
言い訳スキルの向上はめまぐるしく、もはや責任転嫁で時給を頂いている様なこの生活に慣れてしまった私は、リスクを背負う事を拒んでは暖かい布団で眠りにつくんだろう。これから先も、ずっと。




あの頃描いてた青春とやらが訪れるのを待って早何年過ぎたのだろうか。まだ私の思考はそこに居て、指を咥えて何かを待っている。時代は私を社会へ流して行くのに、幼心は御留守番、そのまま死んでいくのだろうか。




あの頃に戻りたいなんて最早戯言。時間は逆には戻ってはくれない。この後悔はもうここまでにしよう。これから先は今だけを見て、今できることを未来に繋げるために行動しよう。そう思えるのなら私は成長出来たんじゃないか。



金に怖気付くことはない。
大事なのは、そう今で云うバイブスそのものなのだ。




元気ならば、それでいい。
(明るければ自ずと福も付いてくる)




誰よりも明るく健気であれ。
誰かの為に尽くせるのであれば、私は私なりの使命を果たすことが出来るのであります。







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